マツダのCX-5(シーエックス・ファイヴ)が話題を呼んでいる。と言っても、ロードスターの愛用者
としていっているのではない。NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン」での話。この車は、2012年
2月16日発売。燃焼効率に優れた「SKYACTIVエンジン」に加えて、上質な乗り心地を実現している軽量か
つ高機能の「SKYACTIVシャシー」、操舵安定性や衝突安全性能を飛躍的に向上させた軽量高剛性の「SKY-
ACTIVボディ」も採用しており、マツダの新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面採用した初めての車
種となる。日本国内においては、事実上CX-7の後継車となる。なお、3代目プレマシー同様にリアド
アには「MAZDA」ではなく、車名のエンブレムが左側に配置されている。また、右側に配置される「SKYA-
CTIV」専用エンブレムもデミオやアクセラのものから一新され「SKYACTIV TECHNOLOGY」となっている。
そして、2013年1月10日には、発売開始から2012年12月までの累計販売台数が35,438台となり、2012年の
SUV国内販売台数で第1位を獲得。このうち、約8割にあたる26,835台がクリーンディーゼル車である。
エンジンはアクセラに搭載されたPE-VPS型2.0Lガソリン「SKYACTIV-G 2.0」に加え新開発のSH-VPTS型2.2
Lディーゼルターボ「SKYACTIV-D 2.2」。後者は従来の常識に反して圧縮比をデミオのガソリンSKYACTIV-
Gと同じ14:1にまで下げることで、ディーゼルエンジン特有のトルクの力強さに加えて高回転化、低圧縮
比で可能となった薄肉化による軽量化、そして排ガス後処理の簡略化にも成功しディーゼル微粒子捕集フ
ィルター(DPF)を装着するものの尿素SCRシステムを始めとする高コストの排気ガス処理装置を使用せず
にポスト新長期規制に適合。JC08モードで18.6km/Lの優れた低燃費と4.0L V8ガソリンエンジン車並みの
最大トルク420N·mを両立している。また、トランスミッションは6速AT「SKYACTIV-DRIVE」および6速MT
「SKYACTIVMT」が用意されているが、日本国内仕様は6速ATのみとなる。全車にマツダ独自のアイドリン
グストップシステム「i-stop」が標準装備されている。なお、本車種に合わせて開発されたディーゼル車
用の「i-stop」は約0.40秒以内 (ガソリン車用は約0.35秒以内) の瞬間再始動を実現した。
ことはそれだけでおわらないのだ。その車体に使われるている高張力鋼=ハイテン(日立金属の発明)が
国内はもとより世界の自動車メーカに採用されているのだ。ハイテンとは、高抗張力鋼の日本での別称。
高張力鋼 (High Tensile Strength Steel HTSS)は合金成分の添加、組織の制御などを行って、一般構造用鋼
材よりも強度を向上させた鋼材。一般構造用圧延鋼材(JISのSS材 S:Steel S:Structure)は引張強度のみが
規定され、最も一般的なSS400材の引張り強度の保証値が400 MPaである。どれだけ強いものを高張力鋼と
定義するのかは国や鉄鋼メーカーによって異なっているが、おおむね490MPa程度以上のものからが高張力
鋼と呼ばれる。引張強度が590 MPa、780MPa程度のものが主流だが、近年は1GPa級のものもあり、これは
超高張力鋼とも呼ばれる(日立金属安来工場が材料開発上1962年に達成)(1)。 自動車の部材などを設計
する際、同じ強度を確保するに当たって、一般鋼材を用いる場合に比べて薄肉化できるため、フレームな
どの主要構造部材の軽量化に貢献している。また、1950年代以降の鉄道車両にも多用され、車体の軽量化
が図られた。鉄鋼メーカーのシミュレーションの結果では、比強度が一般鋼材よりも大きいため、アルミ
ニウム合金を用いた場合よりも軽量化が可能であり、さらにコストも低いことから、近年の車体のハイテ
ン化率は急速に伸びている。一方で、一般的に強度が高いものほど延性が低下する傾向にあり、板材など
をプレス加工した際には「割れ」などの成形不良が発生しやすくなる。このため、各メーカーが成形性と
強度を両立させた高張力鋼の開発に尽力している。また、ヤング率は一般鋼と大差無いため、弾性変形に
よるひずみの発生が嫌われる部位には、安易に高張力鋼による薄肉化を適用出来ないのが実状である。
炭素をはじめ、シリコン、マンガン、チタンなど、10数種類の元素の配分を0.0001パーセント単位で管理
する技術は門外不出である。日系自動車メーカーの生産工場が多く、高級鋼板の需要が増えている東南ア
ジアや中国の場合も、現地での生産は行われておらず、日本国内の転炉を持つ工場で工程半ばまで受け持
ち、半製品の状態で出荷された後、シートメタル化までの下工程のみを現地で行う方法がとられている。
また日系自動車メーカーが世界一のハイテンの構成率を示し、軽量性と衝突安全性を満たす品質として世
界各国で認められているのだ。
このようにみると申し分ないようだが、当然ののように伸縮性、可撓性、加工性が悪くなる。そのため、
車両用フレーム構造設計的側面での、プレス加工成形法、製造加工法、素材製法(水素誘起割れ(HIC、
Hydrogen Induced Cracking)→圧延過程で生じた組織の不均一部に水素が集まり、ガス圧により圧延方向に
平行に亀裂が入る品質劣化)を防止)的側面など様々な改良が行われている。なにも合金でなくとも炭素
繊維などでも代替可能でじゃない?という意見も聞こえそうだが、現時点では同じ課題を抱えている。ま
た、別の側面、EPT(エネルギーペイバックタイム)、CPT(コストペイバックタイム)、CO2P
(二酸化炭素排出量)からの評価測定データは見当たらない。
※上図の「ガジ」とはボルト・ナットなどの焼き付き(凝着)現象のこと。
このようにハイテンを巡る話題はこれだけではないが、個人的には日立金属(安来工場)とはシャドウマ
スクの抵膨張率インコネル材(ニッケル・コバルト・鉄合金)で関係があり多少の経験がありの、懐かし
い思い出ありの、という特別な感情が去来する。
【木こりロボット】
近年、日本では林業従事者の高齢化などにより、全森林の42.3%を占める人工林の手入れが疎かになって
おり、機械による林業支援の必要性が指摘されている。諸外国では、大型機械による林業の自動化が進ん
でいるものの,日本の森林は急峻な地形であるため、大型機を導入するのは非常に難しいという事情があ
った。そこで、森林作業支援システムの一環として,小型で可搬性があり操作も容易な木登り枝打ちロボ
ッの開発を進められてきた。
このほど早稲田大学の白井裕子准教授らは、木を自動で切り倒す小型伐倒(ばっとう)ロボットを開発し
たことを発表。プロトタイプであるWOODY-1 は、開閉機能を持つアームで幹を把持し、尺取虫のように垂
直に昇降動作が行えるほか、枝やコブなどの障害物を回避するため、幹を把持したまま幹周りに旋回する
ことができる。本体に取り付けたカメラ画像を基にアームの開閉と幹周りの旋回を遠隔操縦することで、
昇降・枝打ちを行う。アームは、ベルトを用いて3 関節同時に動かす駆動方式を採用し,軽量化を実現し
ている.幹に接するローラにはゴムウレタンを用い、幹の湾曲にも対応できる。昇降動作はボールネジを
用い,幹周りの旋回はアーム根元の駆動タイヤで行う。さらに、体内ネットワークとして拡張性の高いUS
B を採用し,枝打ちや幹伐採などの作業用モジュールを簡単に接続できる構造とし、多様な森林作業のみ
ならず、モジュールを変えることで他の高所作業にも応用できる発展性を備えている。
セットして木の直径を入力するだけで、切り方を自動で設定して作業する。小型で人が持ち運べる大きさ
のため、斜面の傾斜が急で険しく、複雑な地形の日本の山林でも支障なく使える。人は離れた所から操作
でき、伐倒中の死傷事故を減らせることができる。開発し伐倒ロボット「巽(たつみ)」は、本体にチェーンソー
を取り付けて使用する。木の幹に直角三角形状の切れ込みの「受け口」と、その反対側から斜めの切れ込みの「
追い口」を入れる、現場でよく使われている切り方を自動で行う。直径25センチ~30センチメートルの木を伐倒で
きる。本体とチェーンソーを合わせた重さは約18キログラム。ロボットに付属の針を幹にあて、幹の周りにベルトを
巻いて固定し、木の直径を入力するとチェーンソーの軌道を自動で計算して伐倒できるという。
気候が変調すると、こちらも可笑しくなるようだ。疲れもあり、今夜はこの曲を聴き、ここで切り上げよう。