『スリザー』
SLITHER(2006年アメリカ)
監督 ジェームズ・ガン
脚本 ジェームズ・ガン
出演 ネイサン・フィリオン
エリザベス・バンクス
マイケル・ルーカー
グレッグ・ヘンリー
タニア・ソルニエ
■ストーリー■
鹿狩りのシーズンを前に沸くアメリカのとある田舎町の森に、ある晩、謎の隕石が落下する。森の中で隕石のカケラを発見したグラントとブレンダはその跡を追い、エイリアンから発したモノを体に受けてしまうのだった。それ以来グラントは異常な行動を起こすようになるのだった。一方、警察署長になったビルは、グラントの妻スターラからの電話を受けスターラの家に駆けつけると、そこには、怪物に変わり果てたグラントの姿を発見するのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
『スクービー・ドゥー』(2002年)、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)の脚本家、ジェームズ・ガンの描くSFモンスターホラー。
さすが、ジェームズ・ガンです!
ホラー映画のコトが良く良く良くわかってます!
ホラー映画の熱狂的なファンから、ホラー映画初心者まで、ちょっとでもSFホラー映画に興味ある映画ファンなら誰でも楽しく観れる作品になってます!
惑星から惑星へと、その惑星の生命体を支配してその星を破壊していく謎の「ナメクジ」状エイリアンの恐怖を描きながら、作品のノリはアメリカの田舎町を舞台にしたコメディタッチ!!
冒頭の方のシーンで、町長が前に止まってる車に怒鳴ってる姿が映し出されます。次のシーンで、それを見ていた親子連れが町長に挨拶するシーンが出てきます。
「次期町長は落選かな??」って町長が言うシーンとか、かなりオカシイです。
あと、後半、鹿に襲われた主人公が、生存者のカイリーに助けられるシーンがありますけど「このことは他人に伝えるときは、逆にするからな」って言うシーンとか、最後の緊迫した展開になるときでもユーモアを忘れていません。
こういうユーモアたっぷりな雰囲気が本作の魅力です。
こんな感じでユルユルな感じでストーリーが進んでいくと思いきや、映画が始まってすぐに、マイケル・ルーカーがエイリアンからの矢みたいなものを受けて、ドンドン事件が起きていきます。
ランニングタイム96分とエンターテイメント作品に、ちょうど良い長さの作品です。
テンポ良く、どんどんストーリーが進んでいきます。
楽しく観ている間に、主人公たちの周りで事件が起き、あっという間に町中、大パニックに!!
小さい事件を主人公たちが追っている間に、いつのまにかに町中に被害が広がっているっていう展開は、SFホラー映画定番の展開です。
観てて安心できます!
もうSFホラー映画ファンは、ツボにはまてニッコニッコの展開です。
スリザーに支配された人間が、ゾンビみたいになるのも、こういう映画ファンなら大喜び!!
スリザーに支配された人間は、スリザーに最初に支配されたグラントの記憶があるという設定も面白いですよね!
スリザーが口から入りそうになって、無事に口から吐き出したカイリーが、エイリアンとグラントの記憶を観るシーンがありますけど、地球に来る前のエイリアンの記憶が映し出されるシーンとか、良く出来てますよね!ホンの一瞬しか映らないシーンですけど、この後のカイリーの説明のセリフと相まって、このエイリアンが惑星の生命体を支配してきたことが分かるすごくインパクトがあるシーンになってます!!
この一瞬のシーンで、もしかするとこのエイリアンは田舎町1つの事件じゃなくて、地球規模の終末観を感じさせることが出来てます。このエイリアンをこの田舎町でなんとかしないと地球の最後かな??って思わせることができますからね。
低予算映画でも、見せ方1つですごくインパクトのあるシーンを撮れるっていう良い見本のようなシーンです!!
『スリザー』のナメクジは量も多いし、サイズも小さいので、気づかないうちに、町から町へ、町から街へ、街から大都市へと侵略が進みそうですもんね。
コメディタッチでも、良く考えるとかなり怖いエイリアンの恐怖を描いています。最後のシーンで、スリザーの支配されていた町の住民の死体が転がっているシーンとかって、何気ないシーンですけど、あれもインパクトあります!
もう、どんどんジェームズ・ガンに、SF映画やホラー映画をたくさん撮って欲しいです! 80点
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