『ザ・ヒットマン』(a.k.a.『アルツハイマー・ケース』)
DE ZAAK ALZHEIMER(2003年ベルギー、オランダ)
監督 エリック・ヴァン・ローイ
脚本 エリック・ヴァン・ローイ
カール・ヨース
原作 ジェフ・ヒーラールツ
出演 ヤン・デクレイル
ケーン・デ・ボーウ
ウェルナー・デスメット
■ストーリー■
少女売春を捜査していた主任のエリック・ヴィンケは囮捜査で売春を斡旋していた父親を逮捕しようとするが、捜査がばれて警官隊が突入、抵抗しようとした父親は警察に撃たれて死んでしまうのだった。かろうじて売春をしていた12歳の娘のビーケ・カイペルスを保護することが出来るのだった。
一方、アルツハイマー病に悩む殺し屋レダは、1回は依頼を断るがベルギーでの土地勘を買われ、殺しを引き受けるのだった。最初の殺しの標的の都市開発局長ヴァン・カンプの殺すが、2番目の標的が12歳の少女ビーケだったために殺しを中止するのだった。レダは、仲介人のセイナーブに標的が子どもだったために殺しを中止したことを伝えるが、依頼人は次の殺し屋を雇うのだった。
□■□ネタバレあり!!□■□
■感想■
ベルギー、オランダ製のアクション映画。
今回、DVDスルーになってしまいましたが、実は、今作は、大阪の「ヨーロッパ映画祭」で『アルツハイマー・ケース』のタイトルで上映されたことがある作品です!!
それにしても、こんな傑作アクション映画が劇場未公開だなんて、すご~く、すご~くもったいないです!
面白い!面白い!すごく面白い!とにかく面白い!!
こんなに面白い作品が劇場未公開だなんて!!銀座シネパトスで公開して欲しかったです!!
日本でDVD化されたのはランニングタイムが123分版ですけど、ディレクターズカット版はランニングタイム135分です!!
こういう面白い作品こそ「ディレクターズカット版の135分版」で観たかったです。
つまらない作品だったら、10分カット版でも、20分カット版でも、いやいや30分カット版でも、全然OKですけど、面白い作品なら、1分でも2分でも少しでも長いバージョンを観たいっていうのが、映画ファンの心理でしょう!!
冒頭から、観てる観客をグイグイ引っ張っていきます!!年老いた殺し屋を主人公にした北欧のアクション映画と思って観始めると、刑事2人組みが出てきて、今作って刑事物??って感じでストーリーが進んでいきます!!2人組の刑事と殺し屋のそれぞれのストーリーが、同じくらいのボリュームで進んでいきます!!殺し屋と刑事2人組みが交互に描かれていきます!!(っていうより、正確に言うと、事件を起こした殺し屋と、その事件を追う刑事たちが描かれるだけなんですけどね)
殺し屋と刑事たち、2つの主人公たちが中盤から絡み合って、ハリウッドのアクション映画顔負けの超盛り上がりの最後のクライマックスに向かっていきます!本当の最後は、少しだけユルイ展開になりますけど、悪いやつを野放しにしてしまうところが、いかにもベルギー、オランダ映画って感じですね!!
それにしても、主人公の殺し屋が殺しを断った少女が、次のシーンではあっけなく殺されちゃうあたりがいかにも、ヨーロッパのアクション映画です!!
幼い少女が殺されちゃうなんてハリウッドだったら大騒ぎになるような設定ですけど、それにしても本当にアッサリしたもんです!!殺し屋が雇い主に殺しの依頼を断った次のシーンで、もう少女は違う殺し屋に依頼されて死んでました!!あまりの唐突さで観てるこっちが呆然としちゃいました!!
「え~、殺されたのって、本当にあの少女??」って思わず叫んじゃいました!!
大体、アルツハイマーの病気が進行し続けている殺し屋が主人公っていう設定でもビックリなのに、こういった血も涙も無いストーリー展開が、もうヨーロッパのエンターテイメント映画っていうこと全開です!!
最後までスカッ!としないあたりも、ヨーロッパ映画のアクション映画ファンが大喜びの展開です!!上記にも書きましたけど、映画のラストの最後の展開も、首謀者の1人をほったらかし状態で、完全に事件が解決していないあたりもいかにも東欧のエンターテイメント作品って印象です!!
アクション映画ファン必見!!今年の劇場未公開作品の中でも、最も面白い作品の1本です。 90点
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