『ICHI』
(2008年日本)
監督:曽利 文彦
脚本:浅野 妙子
出演:綾瀬 はるか
中村 獅童
竹内 力
大沢 たかお
柄本 明
■ストーリー■
離れ瞽女の市は、居合いの達人だった。ある日、暴漢に襲われそうになった市を助けようと浪人、十馬がやってくるが、十馬は幼いころの出来事がトラウマとなり刀が抜けないのだった。しかし、市は仕込み杖で暴漢たち3人を一瞬で斬り捨てるのだった。市の剣の腕を見た十馬は市に興味を持ち、旅をすることになるのだった。市たちは、昔ながらのヤクザと、暴れ者たちの万鬼が争う宿場町にやってくるのだった。
■感想■
子母沢寛の座頭市の主人公を女性に変えて映画化した時代劇。
主演は、人気女優、綾瀬はるか。
「えっ、これが座頭市??」
これが1番の感想です!!“原作 子母沢寛”ってクレジットが出るんで、少なくとも、宣伝的には、「座頭市」のつもりなんでしょうねぇ!
監督が『ピンポン』(2002年)の曽利文彦、脚本がTVドラマ「大奥」等の浅野妙子なんで、全然、全然、全然、全然、全然期待していなかったんで、ショックもそんなに大きくないですけど、それでも、やっぱり、想像通りの出来損ないのTVの時代劇ドラマ以下のデキでした!!
曽利文彦監督でも、浅野妙子脚本でも、良いですけど、題材に「座頭市」を選んで欲しく無かったです…。
時代劇を撮るなら、監督は北村龍平にして欲しかったです!
脚本も、もう少しは時代劇が分かる人に書いて欲しかったです…。
時代劇を作るなら、もっと昔の時代劇を、せめて300本くらい観てから脚本書くなり、監督するなりして欲しいです!!
300本がムリなら、1970年代のTVドラマの時代劇を100エピソードと劇場映画100本くらいは観てから作って欲しかったです…。
勝新の「座頭市」シリーズはもちろんですけど、石原裕次郎の「影狩り」シリーズとか、「御用牙」シリーズとか、シリーズ物以外の作品でも、『御用金』(1969年)とか『闇の狩人』(1979年)とか時代劇だったらいくらでも傑作があるのに、なんで勉強してくれないんでしょうか??
「今作って、生まれてからこの方、時代劇を観たこともないような人が作ったの??」って思わせるような作品になっちゃってます。
金子修介監督の『あずみ2 Death OR Love』(2004年)を観たときも、時代劇っぽくないなぁ!!
何にも分かってないなぁ!!って思いましたけど、今作に比べたら10000倍時代劇になってました!!
いやぁ、本当はもう何にも感想言いたくないですけど、いくつか。
綾瀬はるか演じる市の活躍が観たくて、今作を観てるのに、1番の見せ場が、大沢たかおと中村獅童の対決シーンってどういうこと???????
ヒロインより強い中村獅童の存在!!
中村獅童が、綾瀬はるかより強くても全然良いんですけど、それをトリッキーな技を使って、ヒロインが最後に斬るのでなく、大沢たかおが斬った足の傷のおかげでヒロインが勝つなんて情けなさすぎ!!
町の暴れん坊集団の万鬼たちですけど、どんな非道なことしてるのか、良く分からないです。
町の一般の人々が描かれていないんで、非道さが伝わってこないです!それがなくても、殺陣のシーンが、超スプラッターな「子連れ狼」シリーズくらい素晴らしければ、全然問題無いんですけどね!
ストーリーも、2時間の恋愛ドラマみたいな感じで、殺陣のシーンも盛り上がらない!2時間といえば、今作のランニングタイム120分は長すぎ!長すぎ!長すぎ!せめて90分におさめてくれないと。
10年後、20年後も見れるようなそんな時代劇を作るぞ!って意気込みで映画を作って欲しいです。
まぁ、それでも『どろろ』(2007年)よりかは、100倍は、面白かったんですけどね!
座頭市といえば、やっぱり勝新!
VS成田三樹夫