秋麗(あきうらら)

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玉置の三柱神社は 狐 それとも狼?

2014-07-24 | 古代史のミステリー
玉置神社に参拝するまでに予習してたら、摂社・三柱神社の祭神は
倉稲魂神(うがのみたまのかみ)・天御柱神(あめのみはしらのかみ)・国御柱神(くにのみはしらのかみ)の三柱
倉稲魂神は京都の伏見稲荷大社ですが、
天御柱神・国御柱神は奈良県生駒郡の龍田大社で風の神様として祀られています。
今年の春分に龍田大社お参りしましたが、なんかよくわからなかったのでまだ記事にはしていません。
でもずっと気になる神様でありました。

その神々が、この玉置で祀られているとはどういうことなんだろう気になりました。



本殿お参りしてそそくさと向かった先は


三柱神社は三柱稲荷大明神の幡が並んでます。
ここに違いないと先に進むと





三柱神社の後ろ側に出雲大社玉置教会があり、その社内をチラッと眺めたらなんか突然不安になり、
まわりに誰も居ないしで引き返すことにしました。
後できいたら、その先をさらに 山頂に向かう途中に末社・玉石社があるそうです。



大峯修験道では「玉石社」を聖地と崇め、玉置神社本殿に先んじて礼拝するのが習わしだとか。
神武東征以前から熊野磐座信仰の一つとして崇められてきた聖地です。
玉置神社の名前の由来ともなるともいうのに、今回はお参りできなかった。
またいつか次の機会に。

なんか急に怖くなってきて、人けが恋しくなりました。
少し前を歩く年配のおばさんが目に留まったので一緒に戻りました。



駐車場に戻ったら集合時間の40分も前。
もっと有効に境内散策できたのに、なんでだろう。





玉置神社のウェブサイトによりますと

摂社・三柱神社 吉野郡十津川村玉置川1(玉置神社境内)
玉置神社境内に古くより鎮座されております三柱神社については謎が多く、説明が難しいのですが、よくご質問をいただく点などを中心に簡単にまとめさせていただきました。
まず「摂社」とは本社に付属し、本社に縁の深い神様や特別の由緒がある神様をお祀りした神社を指します。

三柱神社は別名「稲荷社(いなりしゃ)」とも呼ばれますが、稲荷信仰が盛んになる前から地主神(じぬしのかみ)としてお祀りをされており、
厄除けや心願成就さらに精神の病(ノイローゼなど)また海上安全にも特別の霊験があるとされています。
毎年、3月の初午の日(今年は3月12日)に行われる三柱神社の例祭は初午祭とも呼ばれ、
10月24日に行われる本社・玉置神社の例祭に次いで、盛大に行われます。



毎年10月24日に弓神楽(ゆみかぐら)の奉納があります。
「やまとなる玉置の山の弓神楽 弦音すれば悪魔退く」

白い弓矢を手に巫女の衣装を着けた男子の神子が舞楽を奉り、
鬼門に向かって弓を放ち悪魔を祓うという神事です。

悪魔祓いを直接霊験とする神社は珍しく、
摂社・三柱神社の裏部屋では、近年まで「もののけ祓い」のために籠り、もののけ退散や悪魔退散を祈願していたそうです。


古くは三狐神(みけつかみ)と呼ばれ、熊野地方の稲荷信仰の要の神社として信仰を集めたことからキツネ神社。

「玉置山権現縁起」には、三狐神は「天狐・地狐・人狐」で
熊野新宮の飛鳥(現在の阿須賀)を本拠とし、その本地は極秘の口伝です。
玉置山に祀られていたとされる「天狐王」像の姿が書き記されていて、
その姿は、正面は観音、右は天狐面、左は地狐面の三面六臂で、さらに足も六本あり、鳥足であるという異様なものだそうです。


ところが、南方熊楠が著した「狼を魔除とすること」という小文では、「玉置山」は狼神社だと書いてあるそうです。
南方熊楠全集・第二巻「小児と魔除」 平凡社1971 P118-119

大和吉野郡十津川の玉置山は海抜三千二百尺という。
予も昨秋詣りしが、紀州桐畑より上るはすこぶる険にして水なく、はなはだしき難所なり。
頂上近く大いなる社あり。
その神狼を使い者とし、以前は狐に付かれしもの、いかに難症なりとも、この神に祈り蟇目を行うに退治せずということなく、
また狐人を魅し、猪鹿田圃を損ずるとき、この社について神使を借るに、あるいは封のまま、あるいは正体のまま渡してくれる。
正体のままの場合には、使いの者の帰路、これに先だち神使狼の足跡を印し続くのを見、その人家に達する前、家領の諸獣のことごとく逃げおわるという。
また伝うるは、夜行する者、自宅出づるに臨み、「熊野なる玉置の山の弓神楽」と歌の上半を唱うれば、途上恐ろしき物一切近づかず。
さて志す方へ着したる時、「弦音きけば悪魔退く」とやらすなり、と。前述、送り狼の譚は、これを言えるか。
社畔に犬吠の杉あり。その皮を削り来て、田畑に挿み悪獣を避けしという。



そこで、気になったのが、狼信仰です。
これで検索するとヒットしたのが→狼神話

序文は以下のように書かれてあります。
現在ではあまり知られていませんが、狼はかつて信仰の対象でした。
多くの場合、山の神のお使いとして田畑を荒らす害獣を駆逐する役回りです。
また、狼自身が大口真神として神格を持つ場合もあり、害獣を退けることから、悪しきものを噛み砕く神、魔伏せの神として崇められ、
山の神が火伏せや多産、豊穣の神であることから狼もまた火防や安産、五穀の神として信仰をあつめることがありました。

江戸時代に狂犬病が蔓延し、狼信仰は廃れてしまいましたが、狼信仰を伝える古社や古刹は全国に数多く残っています。

とても興味深く、狼神話読みふけってしまいました^^


狼は、おおかみ、大神、神様のお使いです。
農業開拓にとって狼信仰と妙見信仰はワンセットだったのです。



福島県飯舘村虎捕山山津見神社の拝殿に残る天井絵 
白黒ぶちの狼の姿も2013年4月1日未明の火災で焼失しました。


昨日のサンケイ朝刊には、「オオカミ再導入」生態系の守護に出番到来か
を読んで、玉置神社の三柱神社は、なんとなくオオカミかもと思えたのだった。