閉業のお知らせ
質店は2021年8月に閉店いたしました。
昭和21年9月創業で75年間にわたりご愛顧賜りありがとうございました。
一
野崎参りは 屋形船でまいろ
どこを向いても 菜の花ざかり
粋な日傘にゃ 蝶々もとまる
呼んで見ようか 土手の人
二
野崎参りは 屋形船でまいろ
お染久松 涙の恋に
残る紅梅 久作(きゅうさく)屋敷
今も降らすか 春の雨
江戸時代の野崎参りでは、寝屋川を行く屋形船の乗客と、川沿いの土手を歩いていく人々との間で、互いを冷やかしたり罵ったりする「ふり売り喧嘩」という口喧嘩の風習があったという。
これはあくまでも口喧嘩だけで、決して石を投げたり手を上げたりしてはいけないという暗黙のルールもあったようだ。
『野崎小唄』一番の歌詞で「呼んで見ようか 土手の人」とあるのは、この「ふり売り喧嘩」の風習を踏まえたもの。上方落語「野崎詣り」でも大きく取り上げられている。
二番の歌詞にある「お染久松 涙の恋に」とは、江戸時代に心中事件を起こしたとされるお染と久松のこと。
江戸時代の人形浄瑠璃や歌舞伎の人気演目として様々な作品に登場するが、『野崎小唄』と関連が深いのは、安永9年(1780年}に初演された近松半二『新版歌祭文』(しんぱんうたざいもん)における「野崎村の段」。