A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

園田游「ごめんください」@中野テレプシコール 2011.11.13(sun)

2011年11月15日 00時41分22秒 | アート!アート!アート!


[テレプシコール企画]舞踏新人シリーズ第14弾3daysの最終日に園田游さんの舞踏ソロが開催された。
グンジョーガクレヨン解散後舞踏家として何回か公演を重ねてきた園田さんだが、舞踏家に専念してまだ1年なので、舞踏の世界では「新人」という訳だ。

「27年福岡生まれ。ごめんなさい 此処にはなにもありません。舞踏家表明一周年皆さんとの鏡面効果で自分の偶像を仕立てています。ごめんください。全てをオーディエンスとし、そこに加わることで完成する、責任のようなモノ。いや そうじゃない。24時間365日踊り続ける。テルプシはイカ天か?オレは馬に蹴られて死んでしまうのか?」(公演フライヤーより)

「『場』の中心で生け贄にとなるのは私ひとりです。さらにしかし、『場』を創るのは其処に居合わせた人々ということになります。」(私信より)

『場』を創るために集まった観客は50人くらい。円形に並べられた座席は満席である。舞踏ファンというのは年齢50代半ばくらいで男性が圧倒的に多い。一眼レフカメラ持参の人も結構いる。その中に異形人のRenka嬢の姿も。観客に囲まれた円形舞台の真ん中で生け贄が踊る。

照明が落とされ4人の男性に担ぎ上げられた裸の園田さんが登場する。僅かな光の中でフロアに寝転がってゆっくりした動き。枯れ枝のように細い身体だが極限まで鍛え上げられているのがよく分かる。皮膚が痺れるような緊張感が伝わってくる。30分ほど暗闇で蠢いたところで5分間の休憩。

後半は女物のスリップをまとって客席の後ろから登場。その前に座った客は園田さんの後ろからの登場に気が付かず笑いを誘う。前半の冷徹さとは打って変わって僅かにユーモラスな動きで円の中を舞う。時々観客に触れたり問い掛けたりする。私も園田さんが差し出した木の枝を受け取りまた渡すという形でパフォーマンスに参加。後で園田さんが「テレパシーが通じたように受け取ってくれたから良かった」と褒めてくれた。決してスピードのある踊りではない。情念の蝋燭の火が燃えるように時間感覚を忘れさせる舞踏である。後半は1時間のパフォーマンス。満席の観客から盛大な拍手。観客と一体となった見事な『場』が現出した。園田さんは素晴らしい表現者である。



舞踏家の
信念通じ
場ができる

配布されたチラシの中に鼠派演踏艦Ωの宮下省死さんの舞踏公演の告知を発見。以前書いたが私が高校~大学時代に通った劇団のリーダーである。30年ぶりの邂逅。これまた楽しみが増えた。
コメント
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