A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ディランに会ったらよろしくと。ロック詩人三羽烏:エリオット・マーフィー/ロビン・ヒッチコック/タイラ

2014年01月08日 00時17分31秒 | ロッケンロール万歳!


小学4年生の頃、ガロの「学生街の喫茶店」がテレビでしょっちゅう流れていた。ちょっと寂しげなメロディが気に入って通学路でよく歌ったものだが、一箇所不可解な歌詞があった。♪学生でにぎやかなこの店の片隅で聞いていた「僕いらん」♪・・・喫茶店なのにコーヒーはいらないとは何て変わった人だろう。聞いていたのは主人公だから、相手は別れた「君」のはず。女性だと思ったが、自分のことを「僕」と言うとは男に違いない。てことは主人公はオカマ???などとガキンチョの妄想は広がった。

中学になり洋楽ポップスに目覚め情報を得るようになって「僕いらん」と聴こえたのが「ボブ・ディラン」のことだと知って長年の謎が氷解した訳だが、またもや新たな誤解が生まれた。ディランの来日キャンペーンで入手したパンフレットに載っていたのが表題の一文「ディランに会ったらよろしくと。」・・・ボブ・ディランは行方知らずの放浪の旅人で、もし街角で偶然出くわしたときには「よろしく」と挨拶を交わせる気さくな人なのか。確かに雑誌の白塗りの写真は旅芸人風で、ローリング・サンダー・レビューというサーカス一座の団長に相応しかった。ラジオで「コーヒーもう一杯」というジプシー風の曲を聴いて、コーヒー好きだから学生街の喫茶店にいたんだな、と妙に納得した。初心者にありがちな勘違いだが、放浪の吟遊詩人というイメージはディランの一面を言い当てているだろう。

 

筆者は決してディランの良いリスナーではない。同時代で買ったのは「コーヒーもう一杯」収録の『欲望』(76)だけで、後追いで『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』をCDで購入した程度。正直作品数が多すぎてどれを聴けばいいのか分からない。ライヴは数回観たはずだが、一番印象に残っているのは伝説のウッドストック・フェスティバルの25周年記念イベント「ウッドストック'94」。出演が噂されたにも拘らず25年前は現れなかったディランが、ついにウッドストックのステージに立つ、と大きな話題になっていた。現場は折からの大雨で泥沼化。交通マヒでホテルにも戻れず、びしょ濡れで野外で一晩過ごすという避難民のような状況だったが、何故かディランだけはしっかりフルステージを観た。黒尽くめの衣装で歌う姿がカッコ良かった。



今春のディラン72歳の来日公演には行く予定はないが、筆者が偏愛するロックシンガーにディランの影響が濃いことに気がついた。それほど唐突且つ根拠レスではないので、この機会に書いておくとしよう。

エリオット・マーフィー(Elliott Murphy 1949年3月16日ニューヨーク生まれ 64歳)


エリオット・マーフィーは同じ1973年デビューのブルース・スプリングスティーンとともに「第2のボブ・ディラン」と呼ばれた。ストレートなギターサウンド、陰影のある歌詞、ニューヨ-クの街を描いた文学的な歌詞は、敬愛するヴェルヴェット・アンダーグラウンドに通じる、ストリートのロケンロー。鮎川誠や大江慎也など心酔するミュージシャンは日本にも多い。1990年の来日公演は今でも語り草になっている。90年代にパリに移住し、現在ヨーロッパで精力的に活動する。いろんな雑誌に寄稿し、10冊近い著書を著す作家でもある。



ロビン・ヒッチコック(Robyn Hitchcock 1953年3月3日イギリス生まれ 60歳)


1976年に英国ケンブリッジでソフト・ボーイズを結成し、パンク時代に捩じれたサイケデリック・ロックで異彩を放ったロビン・ヒッチコック。ビートルズ、ボブ・ディラン、シド・バレットを愛するゴシック趣味の変人が産み出すサウンドは、人懐っこくて何処か不気味な味がある。エリオットとは逆にイギリスからアメリカに拠点を移して活動する。カレッジラジオで人気で、REM等のオルタナロックに大きな影響を与えた。ソフト・ボーイズ、エジプシャンズ、ソロ名義で多数の作品をリリース、近年はピーター・バック(REM)とスコット・マッカーティ(ヤング・フレッシュ・フェローズ)のバンド、ヴィーナス3との共演も多い。1988年にエジプシャンズ、2006年にソロで来日公演を観たが、奇妙な世界観に脳波が歪んだ。俳優・画家としても才能を発揮する。



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タイラ(Tyla J. Palls 1962年7月9日イギリス生まれ 51歳)


前2者に比べると知名度は劣るが、オレ的には最も思い入れのある酔いどれロッカー、タイラは90年代前半に一部で人気を博した悪ガキロックの代表バンド、ドッグス・ダムールのフロントマン。ストーンズやフェイセス直系のロケンローだが、アメリカの泥酔作家チャールズ・ブコウスキーを愛するタイラの歌はディランに通じる文学性がある。アメリカならガンズ&ローゼズのようなハードロックになっただろうが、男の哀愁と負け犬の美学を追求するタイラの世界は120%英国的。ドッグス解散後もコンスタントにソロ活動を続け、現在までに20数作のソロアルバムをリリース。数年前にオリジナル・メンバーでドッグス・ダムールを再結成した。デビュー当時から絵の才能が傑出しており、アートワークは全てタイラのイラスト。直販サイトで原画を購入出来る。



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ストーンズ
ジョニー・ウィンター
ボブ・ディラン

3人ともバリバリ現役で活躍中なので、是非とも来日公演をお願いしたい。日本でも根強い人気があるしアコギ一本で演奏可能だから、欲をかかなければ損はしないと思う。日本一良心的なプロモーターのNXXXさん、如何でしょうか???

コメント
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