A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二/Boris with Merzbow/Carre×Preparation Set/ENDON@新代田FEVER 2014.1.18(sat)

2014年01月20日 00時42分47秒 | 灰野敬二さんのこと


M.A.S.F. 5th Anniversary

Boris with Merzbow / Haino Keiji / Carre×Preparation Set / ENDON
[booth] M.A.S.F. / G.G.R.R.

M.A.S.F.

ENDONのノイジシャンAXONOXが2008年に立ち上げたExtreme Musicに特化した音響ブランド。
ライブハウスでの手売りを中心に、国内外の楽器店でも販売中です。
オリジナル回路で構成された様々な機器をすべてハンドメイドで制作し、設立当初からある発振器Ma.s Model OSCシリーズや、Guitar/Bass向けに開発したMASF Pedalsなどを、メジャー/インディーズ問わず様々なアーティストが使用/所有しており、通常ラインの他にCustom品も様々なアーティストの特別な機材として使用/所有して頂いております。



最近でっかなヘッドフォンをつけてる人を街でよく見かける。今や音楽を聴く手段はポータブル・オーディオが主流になり、スピーカーより場所を選ばず音楽を楽しめるヘッドフォンで聴く方が多いようだ。音漏れが気になるイヤホンではなく、遮音性に優れたヘヴィデューティなヘッドフォンが好まれ、数万円の高級機もよく売れているという。デジタル/インターネット世代にとっても、現音に近いオーディオ体験を求める気持ちに変わりはない。30年前のオーディオ少年がアンプやスピーカーやケーブルに凝ったように、今の子たちはヘッドフォンやDSDストリーミングに関心を持つのであろう。

同様のことが楽器演奏にも当てはまる。パソコンやサンプリングで手軽に音楽を制作出来る時代だからこそ、逆に人間の手による演奏が求められる。その為のデバイスはギターやドラムといった楽器からマイクロフォンやエフェクターへと広がる。ラップトップ演奏が増えたノイズ/極端音楽では、歪み系を中心としたエフェクターが進化し、電子音響の人間加工効果が著しい。その代表ブランドがM.A.S.F.(マスフ)であり、ほぼ特注に近い形ながら高い支持を集める。演奏家もリスナーも決して多くないジャンルに特化するが、愛され続けて5周年とは嬉しい。お祝いに集まったラインナップで明らかなように、道を極めたミュージシャンのエフェクター愛に溢れたイベントになった。外人客も多く極端音楽としては驚くほどの動員。ミュージシャンも多くエフェクターの物販コーナーも盛況。

●Carre×Preparation Set

(写真・動画の撮影・掲載に関しては出演者の許可を得ています。以下同。一部除く

真ん中に大きなメガホン型スピーカーが屹立する未来派風セッティング。NAG(Rhythm Machine, Bass Machine, Synth)とMTR(G, Oscillator)によるインダストリアル・ユニットCARRE(ケアル)と4人組ダブバンドPreparation Setのコラボ。床置のスーパーウーハーからズーンと骨太な重低音が流れ出し、その上を浮遊感のある電子雑音が暴れる。リー・ペリーのダブを生で再現するようなディープなサウンドの音の良さに昇天。




●ENDON


MASFの主宰者AXONOXを擁する暴力ハードコアノイズバンドENDONこそは現代日本の極端音楽の首謀者といえる。ふたりのノイズ奏者の電子雑音の嵐は勿論、激しいアクションで爆音を鳴らずギターとドラム、叫び声から産まれてきたようなヴォーカルのドスの効いたパフォーマンスは、日本で一番危いバンドかも知れない。闇夜に四方八方からパンチを浴びせられるような容赦ない爆発は、よく聴くと極めてオーソドックスなロックの一部を拡大解釈した畸形に違いない。




灰野敬二


2014年3回目のライヴ。前2回がアコースティック中心の音量を抑えた演奏だったので、今回が爆音始めである。4台のアンプをフルヴォリュームにしてギターで分厚い音の壁を創り出す。圧迫感が途轍もなく気持ちいい。そのままエアシンセに移り、魔法使いのような手振りで突き刺す電子音を導きだす。次にハンドマイクでヴォイスパフォーマンス。ループさせた言葉と言葉の衝突と屈んでのたうつ灰野の姿が濃厚な空間を産む。轟音から一転してシュルティボックス(蛇腹ボックスの正式名称)の静謐な演奏に切り替わる灰野マジックに酔った。




Boris with Merzbow


トリはヘヴィロックとハーシュノイズの究極的融合体。フレーズやリフすら原形をとどめない圧倒的な音圧でひたすら放射されるヘヴィな音塊が空間を歪める。真っ白なスモークの中に浮かび上がる4人のシルエットは、この世の物とは思えない怪奇と幻想の世界。オーディエンスの熱狂が、遥か昔にどこか遠い世界で経験したデジャヴを呼び起こす。ドラマーがダイヴし頭の上を泳いで行く。ワンマンギグは最前列だったので、ベストポジションで聴くオーディオ的な快楽にどっぷり浸ることが出来た。



ノイズには
オーディオ装置が
重要です

一昨日紹介したボール型カプセル式スピーカーでノイズ三昧したら社会復帰出来ないかもしれないな。その必要も無いかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする