A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Boris@東高円寺U.F.O.CLUB/BiS@代々木公園野外ステージ 2014.1.11(sat)

2014年01月13日 02時30分07秒 | 素晴らしき変態音楽


U.F.O.CLUB18周年記念 "Boris ワンマン ライブ!!!"

LIVE:Boris
Opening Act:ROLLO

2014年Borisの初ライヴは久々のワンマン、U.F.O.CLUB初登場!
この冬に東京で5本のシリーズ・ライヴを行うにあたり、2014年夏の発表を予定しているスタジオ新録作からの新曲を順次披露するBoris。一連のライヴはそれぞれ異なる会場で様々なシーンを縦横無尽に行き来しながら、ヴァリエイションに富んだ共演者と行うため、恐らく毎回異なる側面を見せてくるはず。となれば今回のU.F.O.CLUBで期待出来るのは、何といっても音圧! 音響システム云々ではなく、アンプ直撃の音とトリオ編成のみで聴かせる演奏、いわば削ぎ落とした体幹のダイナミクスが‘圧’となる。この生々しさが新曲/新機軸とどのように紐付くのか、全身で音を浴びながら体感して欲しい。



Melt BananaとBorisは日本ロック界が世界に誇るべき最終兵器といえよう。両者共に20余年に亘り独立独歩・唯我独尊、自ら信じるロックの究極型を追求してきた。和物っぽさを排除し欧米発祥のロック構造に拘りながらも、その強烈なオリジナル性は、彼の地のアーティストを凌駕する評価を勝ち取る。もうひとつの共通点は才色兼備。Melt BananaはヴォーカルのYako、BoirsはギターのWataを擁する。どちらもストイックにトランスジェンダーなスタンスを貫く。

Borisを初めて観てから8年になる。公式サイトBORIS HEAVY ROCKS!!!の名の通りヘヴィな体験を重ねてきた。最初のライヴで特注スーパーウーハーから重低音の音圧を文字通り全身で感じて以来、掛け値なく重い音響に圧倒されてばかり。ほぼ年イチで彼等のライヴに通う割りにはCDで聴いたことがあるのは灰野敬二との共演ライヴ盤とAVEXからのメジャーデビュー作『New Album』だけ。ライヴでの強烈な体験は録音物からは得られない。生の刺激を求めてワンマンライヴに初参戦。SUNN O)))の様なドローンロックが流れる中、最前列で1時間立ちっぱなしで開演を待つ。

●ROLLO


オープニング・アクトはセミアコ弾き語りシンガーROLLO。詳細なバイオは不明だが、Borisの作品を多数リリースするINOXIA RECORDSからBorisのAtsuoプロデュースで2作のアルバムをリリースしている。ほの暗い照明でリヴァーブをかけた朦朧とした歌とギターを聴かせる。アシッドフォークとアンビエントの中間の世界。変則チューニングで歪んだ音像が広がる後半の曲は山本精一のカヴァー集「からっぽの世界」に通じる。25分の演奏。




●Boris


狭いUFO CLUBのステージを半分以上を埋め尽くすアンプの山。センターのドラムの後ろではゴング(銅鑼)が存在感を主張する。昨年冬のスワンズの殺人的爆音を思い出し冷や汗が出る。幕が開くと真っ白なスモークの中に3人のシルエットが浮かび上がる。ズーンという重低音が壁を振動させるが、音量に比べ耳を直撃する音圧は苦痛ではない。聴覚を破壊しようとしたスワンズとは違い、爆音のプレッシャーは身体を包み込み、別世界への旅路に導くシンパシーに満ちている。超スローなヘヴィロックとハードコアなスピードナンバーとムーディなアシッドチューンが交錯するサウンドの肝は「ドラマティック」。ブレイクで溜めて、ドカーンと叩き付けるダイナミックなキメは、ハードロックやプログレの常道をデフォルメしたようで、バカバカしいほど感動的。ロック表現のエクストリームに笑いがあることは、ディープ・パープルやキング・クリムゾンやフランク・ザッパ等ロックレジェンドに明らか。ストイックにドラマティックを追求するBorisこそ生けるロック伝説に他ならない。




1メートルの距離で黒いレスポールを弾き倒すWataの姿を観ていると、つい最近まで萌えの対象がバンド女子だったことを思い出す。表情ひとつ変えずに極悪ファズを踏み込むWataのストイックさに、”アイドルにうつつを抜かしてる場合じゃないわよ!”と叱咤する元カノの顔を見たような気がした。同時にWataと仲が良かった朝生愛のことを思い出していたら終演後本人と遭遇したのも何かの徴(しるし)。バンド女子にも♡を捧げるべきかもしれない。

       

エンディングの「Vomitself」のラスト5分で突然電源が飛び尻切れに終わったのは初UFO CLUBのいい萌し(きざし)に違いない。ロック道を極めた先に待っていた予期せぬ笑撃こそ、ロックの神神の与えたもうた新春の福音だった。



SETLIST
1.Blackout
2.Pink
3.Korosu
4.Vanilla
5.statement
6.Rainbow
7.冥合
8.Akuma no uta
9.黒猫Melody
10.Cosmos
11.Angel
12.Quicksilver
13.Vomitself(電源落ちて中断)
14.決別

Boris live action in Tokyo Winter 2013-2014

"M.A.S.F. 5th Anniversary"
2014.01.18(SAT) Shindaita FEVER (Tokyo)
Boris with Merzbow / Keiji Haino / Carre×Preparation Set / ENDON

"heaven in her arms / COHOL split CD release tour"
2014.02.23(SUN) Shibuya eggman (Tokyo)
w/ heaven in her arms, COHOL

"SEX VIRGIN KILLER NEW SINGLE 発売記念GIG"
2014.03.16(SUN) Shimokitazawa SHELTER (Tokyo)
w/ SEX VIRGIN KILLER, MEANING


●BiS「BiSの野外極寒ライブ~ライブは寒風摩擦~」


同日昼間に開催された新生アイドル研究会BiSの野外フリーライヴは数千人の観客を集める盛況ぶり。陽が当たるので思った程寒くない。初期の曲から歴史を遡るセトリで90分に亘るフルステージを魅せた。優先エリアの研究員のハジケぶりは昨年のカオスフェス以上のものがあった。個人的には金色の異端児ならぬ「しょうゆ?さとう?やっぱり \コショージ!/ 」味つけ担当コショージメグミの度を超したハシャギぶりが微笑ましかったが、予定していた重大発表にストップがかかり悔し涙を流すプールイとウイカの姿に、究極を目指す者を阻む冷酷な試練を見て、運命の残酷さにうち震えた。

    

SETLIST
01. BiS
02. 太陽のじゅもん
03. nerve
04. パプリカ
05. My Ixxx
06. eat it
07. ウサギプラネット
08. primal.
09. PPCC
10. 歩行者天国の雑踏で叫んでみたかったんだ
11. CHELSEA
12. BiSimulation
13. Hide Out Cut
14. DiE
15. Hi
16. Fly
<アンコール>
17. STUPiG
18. レリビ



★ライヴレポートはコチラ

BiS+OR=B"OR"IS
アイドルと
ヘヴィロックの
究極型



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする