
先日超が付くフリージャズの神髄を堪能し、その勢いで長らく夢見た米国盤自由豪華アナログを入手することが出来た。以前紹介した燻銀テナーサックス奏者フランク・ロウの未発表ライヴ音源を発掘したTriple Point Recordsのリリース作。いずれもフリージャズのオリジネイターの貴重な音源を極上の装丁で世に送り出す愛情の籠った作品である。現在のところ日本での入手は簡単ではないが、ディストリビュートを検討中とのこと。
⇒【Disc Review】変態音楽今月の1枚~フランク・ロウ・カルテット『アウト・ラウド』

セシル・テイラー&トニー・オクスレー『アイランザス/アルティッシマ:バイラテラル・ディメンション・オブ・2ルート・ソングス』(ニワウルシ/最高:二つの根源ソングの両極間距離)
Cecil Taylor & Tony Oxley – Ailanthus / Altissima: Bilateral Dimensions Of 2 Root Songs

セシル・テイラー Cecil Taylor:p
トニー・オクスレー Tony Oxley:ds
Recorded live at the Village Vanguard NYC, November 6 and 9 2008.

フリージャズのみならず、現代ジャズの偉大な先人セシル・テイラーの2008年のライヴ録音。現状、彼の最新録音盤である。当時70歳の英国人ドラマー、トニー・オクスレーとのデュオ。2013年に京都賞受賞のために来日した時の公演では、若い頃に比べかなり枯れた演奏を聴かせたが、それより5年若かった77歳のセシルの指さばきは、秀逸な録音と共に、重量盤・激厚ブックレット・頑丈な外箱の中に鮮烈に刻まれている。ブックレットのポエムとイラストには、セシル・テイラーやオーネット・コールマンをはじめNYや全米各地で出現した凄腕ジャズメンの心に潜む様々な悲愴が溢れている。

ニューヨーク・アート・カルテット『コール・イット・アート』
New York Art Quartet – Call It Art

ジョン・チカイ(As)
ラズウェル・ラッド(Tb,Condition of uphonium)
ミルフォード.グレイヴス(Ds, Perc)
ドン・ムーア、エディ・ゴメス、ルイス・ウォレル他(B)


これこそ正に愛の結晶。60年代半ばニューヨークの当時最先端のジャズメンが結成したカルテット。公式リリースは2作しかないが、1964,5年に録音した未発表音源をアナログオンリーでリリース。豪華な木箱入156ページ写真集付き。70年代以降世界のジャズが沈滞するなか、NYの屋根裏(ロフト)が震撼するほどの綿密な演奏には、現在まで脈脈と繰り返される自由ジャズの源流のひとつがある。

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⇒Triple Point Records公式サイト