A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【私のノイズ中毒症】ハーシュノイズとは?マクロニンファ/ブライター・デス・ナウ

2016年08月03日 01時43分35秒 | 素晴らしき変態音楽


21世紀になって突然ノイズ中毒症になった。きっかけは仕事で訪れたノルウェーで遭遇したレコードセールで、プログレ/ユーロロックのレア盤に交じってWHITHOUSEのLPに(日本円で)五桁の高値がついていたことである。80年代吉祥寺の輸入レコード屋の3枚で1000円コーナーでよく見かけたレコードが何故?と思ったのが記憶に残り、その昔レコメン/アヴァンギャルド/アングラ系が好きだった一方、あまり熱心に聞かなかったインダストリアル/ノイズ系のレコードを探し始めたのである。ヤフオクで検索すると、雑誌『マーキームーン』に載っていたイタリアのノイジシャンMB(マウリッツォ・ビアンキ)のレコードが数万円で落札されていた。他にも80年代オリジナルのレコードはどれもプレミアがつき有名どころのスロッビング・グリッスルも原価の2倍。高いから面白い訳ではないが、未知の世界に足と踏み入れざるを得ないのが地下音楽愛好家の宿命である。

ディスクユニオンのノイズ/アヴァンギャルドセールに早朝から並んで、開店と同時に我れ先とダッシュしてレコードを奪い合う修羅場が主戦場になった。同時にヤフオクやeBayでの落札競争にも参戦、五桁のレコードを何枚も落札した。休日は明大前モダーンミュージック、渋谷クララレコード、西新宿ロスアプソン、同じく西新宿NEdsといったマニアックなレコード店をはしごした。代々木のデンザツショップでは新しいノイズアーティストのことも知った。東欧や北欧や南米にノイジシャンが多いのに興味を持った。その頃人気があったSNSのMy Spaceで国内外のノイズ愛好家や演奏家と繋がり、音源を交換したり、数量限定のCDRを購入したりした。

ノイズ専門誌『電子雑音』が招聘したWHITEHOUSEやGENOCIDE ORGAN、SUDDEN INFANTなどの来日公演を観たり、メルツバウやインキャパシタンツ、ASTRO、PAIN JERKなどのジャパノイズのライヴにも通った。ヘア・スタイリスティックスが好きで、中原昌也本人から直接CDRを購入していたこともあった。震災の後にメルツバウにハマったが、いくらレコードやCDを買ってもきりがなく、コンプリートにはほど遠いことに気がついた時点で、蒐集家としての限界を実感し、集めることを諦めてしまった。最近は聴くことは少なくなったが、時折ターンテーブル(CDトレイ)に乗せてみて、ハーシュノイズの音圧に脳髄が痺れる快感に悶えるのも束の間、家人からの苦情で即座にスイッチオフされてしまう不幸の星の下に、沈殿してゆくノイズ哉。

●MACRONYMPHA - "PITTSBURGH, PENNSYLVANIA" (1995 / Praxis Dr. Bearmann ‎– TH-08)
(¥2400/2003.12.24/吉祥寺Disk Union)


ジョセフ・レーマーとロジャー・ステラのふたりからなる90年代ハーシュノイズの先駆者のひとつ。自らの出身地をタイトルにした本作は、1995年に地元でレコーディングされた。脅迫的なハーシュ(耳障りな)ノイズが耳を圧する内容と、首つりや髑髏の写真をあしらったアートワークは、怖い音楽=ノイズの最右翼。最初聴いたときに夢でうなされて以来殆ど針を落としていない。

●BRIGHTER DEATH NOW - MAY ALL BE DEAD (1998 / Cold Meat Industry ‎– CMI.67)
($27.78 ¥3354/2003.6.26/eBay)


<今こそもっと明るい死を>は、レコードレーベル「コールド・ミート・インダストリー」を主宰するスウェーデン生まれのロジャー・カーマニックのソロ・プロジェクト。ハーシュノイズとパワーエレクトロニックの両方を備え、重工かつ白昼夢のような冷涼な感触のサウンドを持つ北欧の叙情派ノイジシャン。

現代ノイズ進化論14・ハーシュノイズ特集 #1


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ハーシュノイズ(by 宇川直弘)


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