A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【地下音楽の冒険者たち】疎水響/The Mickey Guitar Band@荻窪Club Doctor 2019.8.7 wed

2019年08月10日 10時51分57秒 | 素晴らしき変態音楽


club Doctor, Purifiva, Pataphysique Records, Taiga Yamazaki Presents
August 2019 3 days ogikubo club DOCTOR
6bodies60minutes6months vol.6
各日 open 19:00 / start 19:30
¥2000+drink 3日間通し券 ¥3000
8月6日(火)
D,D,D,Deep Psychedelia… 愛の裏側 8月の熟れたウタ!
川口雅巳ニューロックシンジケイト (川口雅巳、ヨシノスイセイ、野中名人)
20Guiders (タバタミツル、スズキジュンゾ)

8月7日(水)
D,D,D,Deep Sonic Attack… 邪な清涼 真夏の音響対決!
The Mickey Guitar Band (松谷健、ASTRO長谷川洋、ルイス稲毛、福岡林嗣)
疎水響 (コサカイフミオ、長谷川裕倫、内田静男)
8月8日(木)
D,D,D,Deep Make Up… 狂った太陽 腐乱の華!
組原正+黒田三四郎+山崎怠雅
クリッペンリボン (濁朗・トバちゃん・コイデ君・斉藤さん・ケイちゃん)


荻窪Club Doctorは2017年1月に閉店した高円寺Mission'sのあとを継いで地下音楽の中心地になった感がある。今回はPurifiva(川口雅巳)、パタフィジックレコード(福岡林嗣)、山崎怠雅という中央線地下ロッカーがClub Dcotorと共同主催で三日間のツーマンイベントを開催した。本ブログでもお馴染みのミュージシャンが揃って出演する興味深いラインナップ。その2日目を観覧した。

●疎水響 (コサカイフミオ、長谷川裕倫、内田静男)


最近続けてライヴを観ている内田静男(b)の別のユニットが疎水響。あぶらだこ/kito mizukumi rouberの長谷川裕倫(ウクレレ)と、Incapacitants/元非常階段のコサカイフミオ(electronics)とのトリオである。金属板を叩いたり擦ったりする物音ノイズを核に、ウクレレもベースもアトーナルな音響発生装置と化し、静謐さの中繰り広げられる演奏行為の果ての残響は、音の磁場でClub Doctorを歪め特殊空間に変容させた。コサカイのTangerine Dream Syndicate、長谷川と内田の長谷川静男、内田のUHに通じるアンビエント/ドローンと呼ばれるサウンドだが、金属的(metalic)かつ鉱物的(mineral)な感触は脳内に鉛のように硬質な印象を残した。



●The Mickey Guitar Band (松谷健、ASTRO長谷川洋、ルイス稲毛、福岡林嗣)


5年前に観たMicky Guitarはマーブルシープの松谷健と魔術の庭/元Overhang Partyの福岡林嗣のギターデュオにリキッドライティングを加えた編成だったが、その後バンド形態になって活動している。松谷以外女性メンバーだったこともあるが、現在は東京地下音楽界のベテラン4人によるスーパーバンドとなっている。福岡林嗣がドラムとヴァイオリンを担当、比較的動きの少ない他のメンバーに比べアクション面でアピールする。クラウトロックを思わせるスペーシーなヘヴィサイケは酩酊感たっぷり。聴きながらラ・デュッセルドルフを思い出した。福岡のヴァオリンが入るとレコメン系チェンバーロックの香りが漂い、エモーショナルな波に飲み込まれる。60分間澱みなく流れ出るサウンドの万華鏡は、サイケな照明がなくても十二分にトリップさせてくれた。



この日の2組を含め、3デイズの出演アーティストの多くは、徒に新奇な音楽スタイルを求めることなく、過去現在未来に拘らず、音楽表現の深みを探求することで、未経験の聴取体験と未知の情念を掘り起こすことを目論む冒険者たちである。

医者倶楽部
地下音楽者の
交歓場

▼5 Years Ago
MICKEY GUITAR + dbqp - 18 April 2014 Penguin House Koenji Tokyo -

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