A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Flower Travellin' Band@渋谷duo 2009.8.20(thu)

2009年08月21日 00時35分56秒 | 素晴らしき変態音楽
ついに禁断のフラワー・トラヴェリン・バンドを観てしまった。インターFMの招待に当たったのだ。

観客はバンドと同年代と思われる貫禄のある壮年から20代の若者まで幅広いが平均は35歳位か。圧倒的に男性が多い。

10分押しでメンバー登場。5人共ファッショナブルでいい歳の取り方をしている。ジョー山中氏は赤い細身のパンツに白いジャケット。ラスタヘアーが良く映える。石間秀樹氏はスキンヘッドに白い袈裟を思わせる衣装。10弦のオリジナル楽器「シターラ」の音色が独特。
ちょっとレイドバックしたサウンドの再結成アルバム「We Are Here」の曲に混じって「Satori Part3」「Hiroshima」「Make Up」「Slowly But Surely」等70年代の曲も演奏。圧倒的に70年代の曲の方がいい。ジョー山中氏のハイトーン・ヴォーカルも堪能できた。基本的にワン・コードのリフに延々とギター・ソロが乗るインスト・パートも日本とインドを合わせたような旋律が個性的でいい。

それにしても5人合わせて310歳。まだまだ若いもんには負けてられるか、という不良中年のツッパリが感じられた2時間だった。
Flower Travellin' Band HP

遂に観た
私のルーツ
FTB

この日のライヴは録音され、CDリリースの予定もあるそうだ。

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黒いワンピースの女 第3話 駅

2009年08月20日 00時14分00秒 | 連載小説
終着駅が近付いてきた。彼の降りる駅だ。

夏の間この駅では高架橋改修工事をしており、二つあるプラットホームの片側しか使えない。
一日中警備員が交通整理をしている。
もっと混乱するかと思ったが、夏休みで学生がいないせいか、思いの他整然としている。
実際朝も夜も一台待てば座れるし、空調もちょうどよい。

ぼーっとしたまま、彼は居眠りをしてしまう。そんな一時の夢の中に時々黒いワンピースの女が現れる。昔はドキドキして目覚めたものだが、最近は平然としたもので、胸の高まりも感じなくなってしまった。

そもそも彼が初めて彼女を見たのも夢の中だった。

駅に着き
ホッと一息
つく間なく

彼の見た夢、それはどんな夢だったのか。秘密が明かされる次回を待て。
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ヘリコプター組曲

2009年08月19日 00時12分35秒 | 素晴らしき変態音楽
数機のヘリコプターが低空飛行していた。事件でもあったのか、耳を圧する騒音だ。
その騒音に包まれて私は聴覚的エクスタシーに身を任せて立ちすくんでいた。

シュトックハウゼンは、「ヘリコプター弦楽四重奏曲」として弦楽カルテットの4人を其々四機のヘリコプターに乗せて天空の弦楽アンサンブルを聴かせた。
ピエール・アンリを始めとするミュージック・コンクレートの作曲家も好んでヘリコプターの音を作品で使っている。

飛行機の超高速音よりもヘリコプターのどこかのんびりしたプロペラ音の方が音楽家のイマジネーションを刺激するらしい。

ヘリコプター
楽器としても
使えます

私は何といってもホバークラフト派(?)だが。

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ひかりのうた~工藤礼子・工藤冬里「Light」

2009年08月18日 00時12分27秒 | 素晴らしき変態音楽
つい先日昨年11月吉祥寺Manda-la2でのライヴCD「これから」がPSFレコードからリリースされたばかりの工藤礼子&工藤冬里デュオの2005/6年のライヴCDがアメリカのSIWAレコードからリリースされた。音が今ひとつ良くなかった「これから」に比べて「Light」の方が音がクリアでこの二人の魅力が深く味わえる。

素晴らしいのはこのレーベルならではの装丁だ。全8枚のCDサイズの厚紙のカードが入っていて、それぞれに日本語と英語で歌詞が書かれている。カードのデザインは二人の息子のなみお君だ。

♪ひがんばな/おどったら/つかれたね/ひがんばな/またせたね/ひとりきり/ひがんばな/かれはてて/さあゆこう♪
というようなシンプルで童謡風の歌にピッタリのミニマルなイラストが描かれている。

マヘルの新譜も出たことだし、工藤夫妻の創り出す和やかな空気が溢れ出している。こんな歌ばかりだったらこの世から戦争が無くなるに違いないのに。

ひかりさす
せかいがにあう
このふたり

500枚の限定盤。日本ではDisk Unionで手に入る。

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田名網敬一+Pete Fowler「夢の帝国」@Paul Smith SPACE GALLERY

2009年08月17日 00時11分36秒 | アート!アート!アート!
60年代から活躍するサイケデリック・アートの巨匠、田名網敬一氏とイギリスの若手アーティスト、ピート・ファウラーのコラボレーションによるエキシビション「Dream Empire/夢の帝国」を観てきた。会場は表参道のポール・スミスのギャラリーというお洒落な場所だ。

二人の出会いはイギリスのロック・バンド、Super Fury Animalsの2007年のアルバム「ヘイ・ヴィーナス」のアートワークを田名網氏が手がけたことに始まる。スーパー・ファーリー・アニマルズはブリットポップの時期にウェールズより登場し、独特のサイケデリックなサウンドでブリットポップ終焉後も人気を誇るバンドで、私はアメリカのフレーミング・リップスと並んで好きだった。

それまでのスーファリのアートワークを担当してきたのがピート・ファウラーで、意気投合した二人は共同で作品作りを始める。
基調となるのは田名網氏の奇怪な人物や生物が色彩豊かに舞い踊るアートで、そこに現代アニメの風味を付け足すのがピートの役割のようだ。

会場には15点程の作品が展示され、暑い夏の表参道を極彩色のサイケ地獄に変えていた。8/23(日)までなので興味のある人は早く観に行った方が良い。
Paul Smith SPACE HP

日英の
サイケデリック
結合し

それにしても田名網氏の最近の活動の活発さには感銘を受ける。

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音響のブラックホール~Pan Sonic/灰野敬二「Live In Berlin 2007」

2009年08月16日 00時24分39秒 | 灰野敬二さんのこと
正式なタイトルは「Shall I download a blackhall and offer it to you/ブラックホールをダウンロードして君にあげようか」。2007年11月15日ベルリンに於けるライヴ録音である。

パン・ソニックについては余り詳しく知らないが、フィンランド出身のエレクトロニカ・デュオである。灰野さんはヴォーカル、エアシンセ(最近使わないなぁ)、ギター、チャルメラ、ビヨンビヨン、ヴォイス・パフォーマンスと、いつもと変らない演奏を聴かせる。それをオブラードのように包み込むのが暴音から静寂音響まで硬質なエレクトロニクス・サウンドを聴かせるパン・ソニック。水と油のように個性の違うこの二者の共演から産まれる軋轢と齟齬は、灰野さんにとって好ましいものである筈だ。

エレクトロニカを期待して聴くと余りに人間的な灰野さんの演奏に戸惑うだろうし、灰野さんのファンはパン・ソニックの音を鬱陶しく感じてしまうだろう。聴く者のこの葛藤こそこのアルバムが今頃になって世の中に出てきた意義なのかもしれない。

異能者が
出会うところに
穴が開く

タイトル通り音のブラックホールである。

コメント (2)
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スターリンvs非常階段トークイベント@阿佐ヶ谷Loft A 09.8.14(fri)

2009年08月15日 00時44分32秒 | ロッケンロール万歳!
この10月から30日にわたって新宿Loftで開催されるライヴ・イベント「Drive To 2010」のプレイベントとしてザ・スターリンの遠藤ミチロウ氏と非常階段のJOJO広重氏のトークイベントが開催された。

知らぬ間に阿佐ヶ谷にLoft Aというイベント会場が出来ており、そこでの開催だった。「Drive To 2010」は1979年の「Drive To 1980」、1999年の「Drive To 2000」を企画したカメラマンの地引雄一氏とコンクリーツというバンドの清水寛氏にサエキけんぞう氏等が加わり企画されたイベントで、30日間200以上のバンドが出演する遠大なライヴだ。

10月10日は非常階段30周年企画として、ザ・スターリンと原爆オナニーズを迎え、原爆スター階段としてライヴを行なう。それを記念してのトークショーだった。

前半はD-Dayの川喜多美子さんを迎えてゼルダの想い出を交えて東京ロッカーズ時代の話を。
後半は遠藤ミチロウ氏とJOJO広重氏による過激ライヴの裏話を。JOJOさんの、非常階段がステージで放尿したのは3回、消化器をぶちまけたのは1回しかないのに、未だにそのイメージが付いてくる、という話は面白かった。ザ・スターリンにしても豚の臓物を撒いたり全裸になったのは数回だということだ。他にも当事者にしか語れない興味深い話満載、当時の貴重なライヴ映像もいろいろ観れて楽しいトークショーだった。

「Drive To 2010」のスケジュールを見ると行きたいライヴがたくさんある。頭の痛いイベントだ。
Drive To 2010 HP

30日間
日本のバンドが
大集合

1980も2000も行ってないから今回こそは行かなけりゃ。

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タイ語を調べてみた

2009年08月14日 00時18分54秒 | 書物について
สวัสดี ครับ/サワディー クラップ=こんにちは。
この跳ね回っているような不思議な文字を見てタイ語に興味を持った。

タイと言えばトムヤンクンを始めとする激辛料理やキックボクシング、タイ式マッサージで有名だが、それ以外にはプーケットがリゾート地として人気があることくらいしか知らない。

タイにもロック・バンドはいるだろう。意外にハード・ロックが人気とも聞く。
タイにはノイズはあるのだろうか。何となくノイズは寒い地方の音楽という気がする。でもサイケ・バンドのひとつやふたつはあるのではないだろうか。

ผม เป็น คน ญี่ปุ่น ครับ/ポム ベン コン イープン クラップ=私は日本人です。

未知の文字
未知の音楽
未知の国

知らないことが多過ぎる。
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好評に付き第2弾~V.A.「Girls Sazanami Beat! vol.2」

2009年08月13日 00時17分20秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界
日本中のガールズバンドを集めたコンピレーション「Girls Sazanami Beat! vol.1」から1年。ガールズバンドはその後も増え続けて、いよいよ第2弾がリリーズされた。

サウンド的には60's-70'sサウンド=Rock'n'roll/Punk/Garage/Power Pop/Surf/GS/和製R&Bをルーツにしたバンドを22組集めたもので、sixやthee 50's high teensや サザナミ・レーベルからデビューしているThe Milkees、THE LET'S GO's、その名はスペィドなどは私も知っているが、後は未知のバンドばかり。どれもキュートでフレッシュでワクワクするバンドばかりだ。

今や女の子がギターを抱えてバンドをやることは当たり前になったが、30年前パンク/ニューウェイヴが登場するまでは女性バンドは少数派だった。というか日本のロック自体がマイナーだったのである。
時代は大きく変わりロックに洋邦の差はなくなったと言って良い。むしろ海の向こうのロックバンドよりも身近な日本のロックバンドの方が切実感を感じられる。

このコンピはそんな日本のガールズバンドのショーケースとして最適なものである。1575円という値段も嬉しい。是非手に入れて若い女の子の叫びを聴いていただきたい。

これだけの数のバンドとコンタクトしてこのアルバムを作り出したサザナミ・レーベルのカマチガク氏の努力と顔の広さには感心する。
サザナミ・レーベル HP

女の子
楽しい歌と
演奏だ

9月上旬にレコ発を3日連続で行なうそうだ。行きたいけどお金がなぁ。。。
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進歩ゼロ~マヘル「セ・ラ・デニエール・シャンソン」

2009年08月12日 00時12分09秒 | 灰野敬二さんのこと
工藤冬里率いるマヘル・シャラル・ハシュ・バズの最新アルバム。前作「他の岬」に続きアメリカのKレーベルからのリリース。

2CDで計177曲、日本盤はボーナスCDが付いて3CD全237曲収録という型破りなアルバムだ。
殆んどが10秒程度のフレーズの断片で終わってしまう。ミニマルといえばここまでミニマルな作品もないのだが、フレーズを発展させる意欲が全く感じられないやる気の無さがマヘルの最大の魅力だと思う。
数曲で聴ける冬里さんの歌も実に素人っぽくさりげなくて味わいがある。
個人的にはアウトテイクを集めた日本盤のボーナスCDが一番聴き応えがあった。

この幽霊のようなバンドはこれからも同じサウンドで世界をこんがらがったものに変えていくに違いない。

3枚の
CDで聴く
詫びと寂び

しかし今作は何故邦題(「これは先週の歌」とか)が付いていないのだろう。

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