A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

芸術の秋のライヴ情報~グンジョーガクレヨン/ダニエル・ブエス+広瀬淳二etc.

2012年09月07日 01時10分40秒 | 素晴らしき変態音楽
9月後半は不失者「まぶしい いたずらな祈り」大阪・名古屋・東京ツアーとJAZZ非常階段の東京・名古屋公演という2大イベントが控えているが、その他に見逃せないライヴが開催されるので紹介したい。



グンジョーガクレヨン高岡洋介(ペイント) 
9月29日(土) 八丁堀七針 19:30開場/20:00開演

今年5月に2枚組ソロ・アルバム「inkuf」をリリースし、T.美川さんや中尾勘二さんをゲストに迎えて7月に開催されたレコ発ライヴも満員御礼だった異能ギタリスト組原正氏率いるジャパニーズ・ポストパンクの大御所グンジョーガクレヨンが久々のワンマン公演を行う。美術家の高岡洋介氏とのコラボレーション。この両者は2008年1月に共演しており、グンジョーのストイックな全方位即興と高岡氏のアクション・ペインティングが相まって都会の喧騒の中に”不条理の恐山”を出現させた。グンジョーの非ロック/非ジャズ/非現代音楽的演奏が前衛アートと見事な親和性を持っていることは記録映像をご覧いただければ分かるだろう。しかも今回は下町・八丁堀にポッカリ開いた異次元空間「七針」での公演である。どのような非日常次元が出現するのか予想がつかない。グンジョーガクレヨンは2011年に一度解散し今年5月に突如再結成されている。メンバーは1980年のオリジナル・メンバー5人のうちの3人、前田隆氏(b)、宮川篤志氏(ds)、組原正氏(g)。







Special Session feat. SALK (Daniel Buess + Kumiko Okamura)
9月24日(月) 阿佐ヶ谷Yellow Vision 19:30開場/20:00開演
出演:ダニエル・ブエス(perc, ds, noise, electro)、Kumiko Okamura (g, vo)、広瀬淳二(ts)、吉本裕美子 (g)

スイス・バーゼルを拠点に活動するドラマー/パーカッショニスト/エクスペリメンタル・ミュージシャンのダニエル・ブエス氏の来日公演。ブエス氏+Okamura嬢によるユニットSALKの他いろいろな組み合わせでの即興。ブエス氏は六本木SDLXで開催される「Jolt Japanese Australian Sonic Festival」などにも出演するが、Yellow Vision公演では何と言っても広瀬淳二氏との共演が見物。1990年代に大友良英氏のGround Zeroのメンバーとして衝撃を与えて以来、日本の前衛ジャズ/アヴァンギャルド・シーンを代表するベテランである広瀬氏は先日の福島でのノイズ電車に参加しアグレッシヴなプレイを見せてくれた。自作音響装置でのパフォーマンス色濃い演奏もするので、ブエス氏の多彩な演奏との激突が楽しめるに違いない。吉本嬢はアルトー・ビーツのワークショップで出会った美人ギタリスト。



長月の
秋の夜長は
ライヴ三昧

偶然にも組原氏と広瀬氏のデュオが11月17日入谷なってるハウスで決定した。日本の反主流シーンを歩む両巨頭の共演に今から興奮している。

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中國極端音楽@渋谷 UPLINK FACTORY 2012.9.5 (wed)

2012年09月06日 00時31分59秒 | 素晴らしき変態音楽


2010年My Space全盛期には世界各国の様々なジャンルのアーティストがページを持ち自らのバイオや音源や映像を発表していた。それまではひとりでコツコツ宅録してカセットやCDRで通販したり手売りしたりするしかなかったのがオンラインで全世界に発信できるようになったのだから大革命である。お気に入りのアーティストを見つけると、その友人やジャンル検索を辿って未知のアーティストと出会えてとてもエキサイティングだった。音楽以外にも画家や作家・詩人なども居ていろんな繋がりができて面白かった。日本のアーティストとも仲良くなり実際にライヴに行ったこともある。

個人的に深くのめり込んだのはノイズだった。ドイツのTo-Boというアーティストが「Industrial Noise Records」というレーベルを主宰してMy Spaceを通じて知り合った世界各国のノイズ・アーティストの音源を無料配信しており、欧米は勿論、東欧・ロシア・中近東・南米・アジアに”辺境ノイジシャン”が数多く存在することを知った。配信作品が100タイトルほどになった頃、To-Boは「Shit Noise Records」というCDRレーベルを興して1枚1ユーロで販売し始めた。それにも夢中になり50枚以上購入しただろうか。名前の通り”最低音楽=ノイズ"の中でも”糞雑音”という最下層の汚物音響の垂れ流し大会だった。それを通してNRYY氏やSOMA氏といった日本のノイジシャンと交流ができた。そのレーベルで特に気になったのがTorturing Nurseという中国のアーティストだった。21世紀に入って中国から数々のポップス/ロック・アーティストが登場してきた。ノイズ・アヴァンギャルド系に関しても雑誌「G-Modern」で特集されPSFレコードからオムニバス「Asian Flashback」や李剣鴻(リー・ジェンホン)などがCDリリースされ、徐々に情報が入ってきていた。しかしさらに人目に触れないアンダーグラウンドなシーンの情報はMy Spaceでしか知り得なかった。

Torturing Nurseの音は他の国のどんなノイズとも違っていた。”同時多発的轟音爆撃音塊”とでも形容しようか、一切のドラマ性やストーリー性を排除した破天荒極まるサウンドは80年代の非常階段やハナタラシを思わせる情け容赦ない暴力と狂気に満ち溢れていた。当時は映像どころか写真も殆どなく神秘のベールに隠された存在で還って想像力を掻き立てた。

My Spaceが1年も経たず力を失うとそういった”マイスペ・アーティスト”は一斉に姿を消してしまった。To-Boの連絡先も分からない。mixiやTwitterやFacebookで再開した人たちもいるが、My Space時代のある種音楽バブル的狂騒は失われてしまった。

自分の中のノイズ熱も冷めメルツバウ、ヘアスタ、非常階段、インキャパくらいしか聴かなくなった最近になって久々にTorturing Nurseの名前をFacebookで発見した。しかも中国の他のノイズ・アーティストと共に日本ツアーを行うという。2年間すっかり忘れていた友人と再会する気分だった。8/31大分を皮切りに福岡の「Against 2012: Fukuoka Extreme Music Festival」を含む全国8公演。東京でも4公演あり、UPLINK FACTORYの「中國極端音楽」というイベントに行くことにした。この日はWWWでメルツバウが、Bar IssheeでJOJO広重さんがライヴをやっており、渋谷はちょっとしたノイズ・ナイトであった。

UPLINKにはT.美川さんやASTRO=長谷川洋氏、他にもノイジシャンや熱心なノイズ・ファンが20人ほど集まった。女性の姿が意外に多い。中国アンダーグラウンドの現在を追ったドキュメンタリー映画『FUCK YOU /Fucking Noise In China Now』の上映、楽器についてのレクチャー、そしてアーティストによるライヴ…という盛り沢山な内容。

最初に映画「FUCK YOU」の上映。100分に亘るドキュメンタリーだが、字幕が英語のみで語りやインタビュー中心なので正直言って拷問に近かった。演奏シーン以外は爆睡。UPLINKだから映画を絡めるのはいいが、語りの大意のプリントを事前に配るなど観る人への配慮が欲しかった。おかげで背中が強ばって欠伸が止まらなくなってしまった。

休憩の後Mei ZhiYong氏によるレクチャー。テープレコーダーやエフェクターを改造した自作楽器の解説。機械いじりが好きで音が出るモノなら何でも分解してノイズ楽器に作り変えてしまうという。私も高校の頃テレコやステレオを分解して改造楽器を作ったものだ。その頃に比べて市販の楽器やエフェクターがかなり進化してノイズ機材も手に入り易くなった今でもZhiYong氏のように手作りに拘るというかそれが好きなアーティストには好感が湧く。


そのまま続けてライヴ演奏。まずは北京の3人組Mafeisan(from NOJIJI)。一人がギターで二人はエフェクター。ギターがノコギリのようなノイズを発する。映像をLaurent Valdes氏(from Switzerland)が担当。大音量で始まったのでそのまま行くかと思ったら静的な部分もあり粗野ながら比較的流れのあるノイズ演奏だった。20分。



続いてさっきレクチャーしたMei ZhiYong氏がピアノ、香港でライターとしても活躍するSin:Ned氏がスティック(キング・クリムゾンのトニー・レヴィンで有名なアレ)、そして上海のTorturing Nurse氏(以下T.N.)が登場。Torturing NurseはYouTubeで動画を観ると女性を含むバンド形態だが今回はリーダーのJunky氏単身の来日。テーブルにエフェクターをセットし終わるとどこかへ消える。客電が落ちると同時に後方から叫び声が上がる。顔にマスク(包帯?)を被ったT.N.氏が喚きながら客席の間を歩き回る。ステージでフリージャズ風のピアノとスティックの奏法を無視した爆音演奏が続く中T.N.氏の行為は次第にエスカレートし観客の目の前に顔を近づけて叫び声を浴びせる。酒臭い~。対抗して叫び返した。並んでいる椅子を投げ飛ばしエフェクターの机をひっくり返す。最前列に座っていた私を含む3人の観客をシールドでグルグル巻きにして引き摺り回す。生命の危険を感じる程ではないが久々に経験する暴力パフォーマンスに笑いが抑えられない。椅子席の会場だから観客は大人しくやられるママだったが、この後予定されているSoupやEarthdomといったライヴハウスだったら客がどう反応するか興味深い。非常階段のように暴動寸前になれば面白い。15分の演奏が終わると会場は椅子が散乱し嵐の後の光景だった。マスクを取ったT.N.氏は爽やかな好青年。「謝々」と握手した。



Torturing NurseのFBのウォールによると各地でこうしたパフォーマンスを展開しているらしい。各地で出会った日本のミュージシャンとの記念写真も掲載されていて楽しい。この日も美川さんや長谷川氏と談笑していた。彼が日本ツアー用に制作したCDRを購入。昔通りのアナーキー・ノイズが嬉しい。まだ東京で2ヶ所でのライヴがあるからT.N.を始めとする中國の大陸的ノイズ・ワールドを是非体験していただきたい。


ノイジシャン
初めて会っても
旧知の仲

中國極端音楽に関するSin:Ned=Dennis Wong氏のインタビュー記事はコチラ。とても判り易い解説が素晴らしい。

コメント (2)
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灰野敬二+テニスコーツ/Doraptron(ドラびでお+伊東篤宏)@青山 月観ル君想フ 2012.9.2 (sun)

2012年09月04日 00時42分29秒 | 灰野敬二さんのこと


ドラびでお×月見ル君想フ presents “DORA・PIKA・DON・TICA”
出演:灰野敬二+テニスコーツ/Doraptron(ドラびでお+伊東篤宏)

実はこの日はロリータ18号の"石坂マサヨ40歳記念ワンマン・ライヴ"を予約していたが、後日灰野さんのライヴがあることを知り、どちらヘ行こうか迷っている、とツイッターで呟いた。以前も他のライヴと灰野さんが被っていて灰野さんに行かず後悔したことがあったので、マサヨさんには申し訳ないが月見ル~に行くことにした。

開演を待って並んでいると灰野さんがスタッフと外から帰ってきて私を見て「あれ、こっちに来たんだ」と驚かれた。ツイート、チェックされてるな~。月見ル~は3年ぶり。灰野さんはサンヘドリンで5年前に観て以来。天井が高くて音響もよく好きな小屋だ。名前の通りステージのバック・スクリーンに満月の映像が映されているのが特徴。マッタリしたリラックス出来る空間は月並みな表現だがまさに"都会のオアシス"。1Fフロアに客が自ら椅子を並べて座る。テニスコーツ人気なのか灰野さんとの初セッション目当なのか満員の入り。2Fの物販テーブルには一楽氏と伊藤氏が座ってCDやDVDを並べている。先週福島のノイズ温泉で会ったので挨拶する。

ドラびでお=一楽儀光氏のソロでスタート。自ら開発した新楽器DORAnomeを使って爆音ハードコアテクノイズとビデオ映像をシンクロさせる。今のDORAnomeは第2号で、もうすぐ第3号が完成するそうだ。市販する可能性もあるという。得意のアニメ・ネタ=「サザエさん」「アルプスの少女ハイジ」「けいおん」と有名人の不祥事連続映像で、現代社会を痛烈に皮肉る新感覚のエンターテインメントはいつ観ても楽しい。



続いて伊東篤宏氏のソロ。最前列で観たので眩しくて目を開けていられない。強烈な蛍光灯のハレーションとハーシュノイズが刺激的。



次に二人のユニットDoraptron。紹介には"目にも耳にも壊滅的打撃を与える極悪非道言語道断原爆DUO"となっている。ノイズ温泉の時は音響設備は急拵えだったのでちゃんとしたPAで聴くとスケールの大きな爆裂パフォーマンスに興奮する。電子雑音楽器2台のアンサンブルは見事という他無い。以上のべ60分のステージ。



後半は灰野さんのハーディガーディ・ソロでスタート。バースデイライヴやオールナイトの時に使われるくらいでソロでハーディガーディ演奏を観るのは久々。ステージ左上に煌煌と輝く満月の下に黒いマントの灰野さんの姿が似合いすぎる。2003年の不失者の法政大学学生会館の7時間ライヴで初めて60分に亘るハーディガーディ演奏を聴いた時はダリの絵のような奇怪な悪夢にうなされたものだが、慣れて来るとこんなに繊細でマジカルなサウンドは他に無いことが判る。電子楽器のような音を出す掟破りの灰野さんの奏法に深いリバーブをかけたヴォーカルが乗るとゾクゾクした戦慄が背中を走る。太陽ならぬ「月と戦慄」とタイトルしたい30分だった。



最後にお待ちかね、テニスコーツ=さや嬢(vo.key.ピアニカ)+植野隆司氏(g)と灰野さんの初共演。とは言っても10年前にスタジオ・セッションしたことがあるらしいし、植野氏は何度も灰野さんのライヴで見かけるので驚くような組み合わせではない。テニスコーツを最初に観たのは10年くらい前だろうか。その時は植野氏はサックスを吹いていた覚えがある。以来何度か彼らのライヴに接する機会があった。印象的だったのはジャド・フェアの日本公演と大友良英one day orchestraの教会ライヴである。天真爛漫無邪気な彼らは、強烈な個性派アーティストとの共演でも揺るぎがない。裸足でアコギとピアニカでPAなしでも演奏してしまうフットワークの軽さが魅力であるが、私はそのアマチュアっぽさが実はちょっと苦手である。かつて彼らもメンバーだったマヘルくらい徹底して下手ならいいのだが、テニスコーツは上手過ぎて笑えないのだ。そんな彼らと灰野さんのセッションがどうなるのかは蓋を開けてみないと判らない。

左からアコギを抱えた植野氏、ミニキーボードを乗せたテーブルを前にしたさや嬢、椅子に座った灰野さん。ドラムがセットされている。最初は灰野さんはケルティックハープ、さや嬢はピアニカで微弱音のアコースティック
・セッション。2曲目は灰野さんは鉄琴を叩きテニスコーツの歌と演奏に重ねる。テニスコーツは即興ユニットじゃないので作曲された曲を演奏、そこに灰野さんが絡むスタイルの共演だった。発振器に繋げたミニスピーカーをスネアや床に当てて音を変化させたり、爆音ドラム・プレイを聴かせたり、SGで静かなフレーズを弾いたり、灰野さんは伴奏に徹する。時にはアンプのヴォリュームをゼロにして生音でギターをかき鳴らす。灰野さんの側にテニスコーツの二人が寄り添ってほのぼのした光景。歌詞を書いた紙を見ながら灰野さんも即興でヴォーカルを聴かせる。テニスコーツの無垢な世界を壊さず灰野さんらしさを発揮する流石の演奏。アンコールではスタッフがわざわざ譜面台を用意してくれたが、テニスコーツ側の歌詞カードが無くてムダに。譜面台を指差して「ジョン・ケージ」と言って笑わせる灰野さん。アンコール曲では「たましい」という言葉がキーワードで灰野さんも二人と一緒に「た・ま・し・い!」とシャウトする。テニスコーツと灰野さんの世界がシンクロした瞬間だった。55分のステージ。



終演後楽屋で挨拶。私の記憶では「うたもの」との共演は2009年の早川義夫さん以来。「俺はうたものもよく聴くからお呼びがかかればいつでもやるけど来ないんだよね~」。「今日はアンプのヴォリュームは1でエフェクターもチューナーだけ」。テニスコーツの中味を伴った独特の明るさが好きだとのこと。

ホントに貴重な演奏が聴けたライヴだった。やはり来て良かった。マサヨさんゴメン!

[9/5追記]
植野氏のブログでテニスコーツがこの日国立近代美術館での大友良英one day ensemblesとダブルブッキングだったことを知った。てんてこ舞いの一日の顛末が面白いので是非お読みください。

灰野さん
明るい曲も
OKです

映画「ドキュメント灰野敬二」が9/1から吉祥寺バウスシアターでレイトショー公開が始まった。また観に行こうかな。
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dipトリビュート・アルバム・リリース・パーティ@渋谷クラブクアトロ 2012.8.31 (fri)

2012年09月02日 00時47分14秒 | ロッケンロール万歳!


"dip tribute -9faces- RELEASE PARTY"
出演:dip/MO'SOME TONEBENDER/THE NOVEMBERS/池畑潤二×ヤマジカズヒデ/ハヤシ(POLYSICS)/フミ(POLYSICS)/hiro(te')/近藤智洋(GHEEE)/木下理樹(ART-SCHOOL /Killing Boy)/DJ:小野島 大

昨日書いたように90年代から活躍するサイケデリック・バンドdipへの若いバンド/リスナーからのリスペクトが10年代に入って高まっており、6月に発表された幅広い世代のアーティスト参加のトリビュート・アルバム「dip tribute ~9faces~」のリリース・パーティが開催された。

クアトロは2~30代の若い観客で満員。思った以上に女性客が多い。少し遅れて行ったら小野島氏とヤマジ氏、木下理樹氏のトークショーの最中だった。気心の知れた同士でリラックスしたトーク。オープニングのルースターズの池畑潤二氏とヤマジ氏のセッションは見逃してしまった。

THE NOVEMBERSのライヴ。初めて観る若手バンドだがヴォーカルが金髪おかっぱで可愛いらしい。今風のギター・ロック。決して熱くならないクールなステージングがテン世代を象徴している。dipの「human flow」を含む25分のステージ。もう少し観客を巻き込む演出やMCがあってもいいと思うが最近の若者はこんな冷めた感じなのだろうか。



たくさんのアーティストが出演するのでどういうライヴ構成なのかと思っていたら、続いてモーサム・トーンベンダーが登場。ドラムとベースの硬質なビートに藤田氏と百々氏のギターがアグレッシヴに暴れ回る。藤田氏はシンセやフロアタムも演奏。THE NOVEMBERSとは打って変わって暴走するパワーで観客を圧倒する。1997年結成だからdipの影響をモロに被った世代である。百々氏がヤマジ氏に憧れて赤いムスタングを愛用しているというのは有名な話。最近のライヴではやらない曲中心の挑戦的な選曲。dipの「TIME ACID NO CRY AIR」~定番のフリクションの「BIG-S」で締める30分のステージ。終了と共にDJの小野島氏がスターリンの「ロマンチスト」をかけたのも効果的だった。
●セットリスト:KNOW /NO EVIL/PUNKS IS ALREADY DEAD/ラジカルポエジスト/CAT PARK/TIME ACID NO CRY AIR/BIG-S



テレヴィジョンの「See No Evil」のストリング・ヴァージョンのSEに乗せてdipの3人が登場。「ヤマジ~」「ナガタ~」という掛け声が上がる。まずは新曲を含む4曲をトリオで演奏。90年代のメジャー時代の彼らの特徴だったヤマジ氏のうねる長尺のサイケデリック・ギターを期待したが、21世紀のdipはサイケよりも轟音オルタナロックに変貌を遂げていた。5曲目からゲストを迎えての演奏。ヤマジ氏がメタルバイザーをかけて「TOISU!」と挨拶し観客に大ウケ。それがトレードマークのポリシックスのハヤシ氏とフミ嬢の登場。ハヤシ氏は普段はギブソンのギターだがこの日のためにジャズマスターを使用。フミ嬢の女声ヴォーカルが印象的。入れ替わりでインストロック・バンドte'のギターhiro氏が登場。ヤマジ氏と交錯するギター・バトルを展開。終わってヤマジ氏が「これがポストロック!」とひと言。次にART-SCHOOLの木下理樹氏。マッシュルーム・カットがトレードマークで遠くから観ると女の子に見える。続いてブラックスーツの渋い男性が登場。もしかしてチバユウスケ氏?と思ったら元PEALOUT、現GHEEEの近藤智洋氏だった。男っぽい魅力に溢れたヴォーカルを披露。ここで本編終了、メンバーが退場するが当然アンコールの拍手が巻き起こる。 それに応えて再登場。ドラムにモヒカンの男性が座る。「キュウちゃん!」とヤマジ氏が紹介。告知には無かったが元ミッシェル・ガン・エレファント、現The Birthdayのクハラカズユキ氏だった。ってことはヴォーカルは今度こそチバユウスケ氏。花柄シャツにパナマ帽というファンキーな衣装でタンバリンを振りながら登場。ミッシェル・ガンは1991年結成だからdipと同期である。ヤマジ氏とのハマりもばっちり。最後はdipの3人で締める。dip+ゲストのステージは60分。ヤマジ氏のギターをもっと聴きたかったが、ヤマジ氏自身のMCで12/7渋谷WWWでワンマン決定の情報が解禁されたので、そちらに期待することにしよう。



セットリスト: GARDEN/DELAY/新曲/MY SLEEP STAYS OVER YOU/SUPERLOVERS IN THE SUN(w:ハヤシ&フミ)/IT'S LATE (w:hiro)/NO MAN BREAK(w:木下理樹)/13階段への荒野(w:近藤智洋)/<encore>Faster Faster(w:チバユウスケ&クハラカズユキ)/Sludge

20年
超えて輝く
dipかな

ヤマジ氏は9/3下北沢THREEで灰野さんと2度目の共演を行う。4年半前の初共演も素晴らしかったので是非観に行っていただきたい(私は所用で行けず残念)。


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