ババの転院に付き添った。
黄疸で黄色味を帯びた顔は、すっきりした。
胆汁がうまく腸に流れている様子。
ほっと一安心。
あれこれ手続きを終えて、午後1時に病院を出発。
20分ほどで元の病院に着いたが、それからが長かった。
以前の病棟と違うことから、いちいち最初から説明せねばならんという。
担当看護師へのご説明、師長(かつての婦長ね)、で担当医師。
「おんなじこと3回も聞かないでください!!」
医師の番になって、とうとうおぢも切れた。
この3回のご説明の間、約1時間づつの待ち時間。
病院を出たのは午後4時過ぎだった。
どうにもこうにも手際が悪い。
「病棟違うと、こうも違うの」ってぐらい違った。
仕事を休んで大正解、結果ほぼ一日つぶれた。
医者にはこう聞かれた。
「ご自宅から20分ほどかかりますが、病状が急変した場合、どうしましょうか?」
ん?最初ピンと来なかった。
ようは「臨終に立ち会える」かどうか、聞きたかったらしい。
ちょっと気が早いんでないかい。
それでも「もし立ち会えなくてもやむを得ません」と答えた。
これからは、こんな話ばかりせねばならんと思うと、ズンと気も重い。
こちらからはただ一つ。
「とにかく痛みのないように、モルヒネをしっかり使ってください、よろしくお願いします」
病院を出て、まっすぐニセコへ向かった。
とっぷり暮れた国道をひたすら走った。
車の中で「残り半年」をどうしたもんか、あれこれ思いをめぐらせた。
が、何も思いつかんかった…
アホウな息子でスマンね。