午前5時の気温はマイナス2度。
雪がじゃんじゃんどんどん降っております。
いまんとこ、積雪は5センチ程度ですが、この先ドンと積もりそうな勢いでござる。
昨夜は強風がときどき吹きつけておったけど、それが止んで朝方から雪になったような。
先年亡くなったおぢの母親が「かーさん、怖いから札幌に帰る」と申した、ご当地らしい降り方なのでござる。
って書いておったら、日の出とともにお天気は晴れて、雪はすっかり止みました。
やっぱ暖冬だねぇ、、、
さて、
先日、お隣ニセコ町で「ニセコ町が『消滅』しないために何をすべきか」という、結構ショッキングなテーマで講演会が行われましたです。
写真は講演会の模様じゃ。
ソニーのウエアラブルカメラ、アクションカムを自撮り棒につけて、ビデオで撮影して、これをJPGに変換したのです。
高さ2メートル以上のところから俯瞰で撮れるのがいい。
講演したのはドイツ在住の環境ジャーナリスト村上敦さんでござる。
シュッと長身の男前のジャーナリストで、43歳というから団塊の世代ジュニアでござる。
お話はまず、日本の人口が2050年までに25~30%減少することが、もう避けられないという「厳しいニッポンの現実」を基に進められます。
人口が25%以上減少するということは、どう考えても、考えてみなくても、人口が4分の1以上も減るということ。
日本全体でこの減り方をするわけですから、そりゃ、消滅する自治体はジャンジャン出てくる。
お話の中で指摘しておったのは、いま現在、人口が毎年毎年減り続けておる市町村は、完全にヤバイ、消滅しそうだということ。
そんな自治体が、ニッポン国内にはゴロゴロしておるそうな。
幸いお隣ニセコ町は微増ながら人口増が続いておるので、まずは消滅の可能性は低いとのこと。
だけど、2040年の北海道の推計人口ランキングというのがネット上にあったので、それをみるとけっこう衝撃的だ。
こちら後志管内では、神恵内村が2010年に人口1122人だけど、2040年には50.4%減ってわずか「557人」となる。
こりゃ相当ヤバイ。
2040年の段階で、道内で現在より5割以上人口の減るところは、三笠市の61.3%減を筆頭に、福島町61%減、赤平市58%減と枚挙にいとまがないのでござる。
とはいえ、それを手をこまねいてボーッと見ておってはどもこもならん。
消滅しないためにはどうしたらいいのか?
村上さんによると、町民、村民が豊かになれば、人口は減らないというのです。
まずは稼ぐこと。そのためにどうするのか?
ようは町外に出ていくおカネを減らして、町内でおカネが回るようにするのが一番早いというのです。
町外に出ていくおカネの筆頭はというと、エネルギーの支払い料金でござる。
そこで、これを減らすのがまずは大事だという。
だけど灯油やガソリンは生産できません。
ですが、電気は小規模生産なら、誰でもできるというのです。
実際ドイツの小さな自治体には、いま数多くの民間発電所があり、これが風力や太陽光を使って発電して自家用電気を賄い、さらには電気の足りない都市部に販売しておるというのです。
これがカネを稼いでおる。
ドイツにおける自然エネルギーの占める割合は、すでに電力全体の27%に上るそうな。
そしてその電気を生産しているのは、農家だったり、フツーの町民だったりするのです。
これが大資本や自治体ではダメなのだそうです。
っていうか、利回りが5~6%程度の小規模発電に、大資本は進出しないというのです。
町民自ら小さな電力会社をつくり、これを自分たちで使い、余ったものを売る。
そうすると町内でカネが回るというのです。
ニッポンでも2016年の電力自由化後はこれなら充分に可能だ。
農家や個人が銀行から借り入れして、風力発電会社を起業したり、太陽光発電会社を起業しておるのがドイツの現状だそうな。
しかもドイツの場合、大手電力会社が揃いも揃って大赤字なのに、これら小規模電力会社は黒字なのだそうな。
町外からやってくる大企業や、役場など自治体ではなく、「農家や町民が小さな資本で電気を作って、余った電気を売る」というのが「肝」になるのです。
そうすると、小さな町でも、土木・建設業にも仕事が増えて、町が段々豊かになり、おかげで人も集まるというのです。
これはたいしたいい!!
知事候補の佐藤のりゆきさんがいう「1町村1社」の考え方にも沿うね。
村上さんは、電気だけでなく「通信費」も町外に出ていくカネのうち、かなり大きなものだと指摘しております。
これも、町民出資の電話会社をつくり、この会社が大手の通信会社から携帯電話を安く大量に買い取って販売すれば、町外に出ていくカネを減らすことができるというのです。
村上さんは、自身が上梓した「キロワットアワー・イズ・マネー」という本も、地元の本屋で注文するための用紙を配布しておりました。
そう、アマゾンなどネットで買うのではなく、地元の本屋さんで買うのが良いのです。
その昔「タバコは町内で買いましょう」みたいなことだね。
ことほど左様、町外に出て行くカネを極力減らして、町内でカネが回るようにするのが、町を豊かにするもっとも手っ取り早い方法だと村上さんは申しておりました。
そこで思い出したのは、ドイツのドキュメンタリー映画「シェーナウの想い」です。
これは、ドイツ南西部にある小さなまちシェーナウ市で、チェルノブイリ原発事故をきっかけに住民グループが、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力会社を誕生させるまでの軌跡を綴ったドキュメンタリーでした。
数年前にご当地周辺のあちこちでも上映されたね。
人口2500人ほどの町シェーナウでできた、再生可能エネルギーだけを扱うこの「シェーナウ電力」ですが、いまやドイツ国内の有力な電力会社にまで成長しております。
会社の重役は、この町のおばちゃんだったり、おじさんだったりするわけ。
去年この「シェーナウ社」が設立したシェーナウ環境賞「電力革命児」を、福島県の造り酒屋が中心となって設立した会津電力が、受賞しております。
国が脱原発をめざし、その上で再生可能エネルギーを町民が生産し、小さな町がそれぞれ豊かになってきておるドイツに学ぶことは多い。
脱原発で町が元気になるというこの小規模発電会社、ご当地でもやってやろうじゃぁ、ありませんか!!
再生可能エネルギーによる小規模発電でカネ儲けだも、こんな楽しいことはない。
2016年の電力自由化を睨んで、そろそろ全国各地でこれが動き出してもいいね。
結果、自治体消滅が防げるなら、こりゃ一石二鳥だわ。
ボーッとしておってはいけません。
我ら一般市民も電力会社を起業する大チャンスが、いよいよやってくるのです!!
なんだか楽しくなってきませんか?