グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

おいけんツアー2日目・前半

2024年11月17日 | その他
青森・奥入瀬渓谷の「おいけんツアー」2日目は、ブナの森を一日かけて歩くツアーでした。

看板にある蔦・赤沼登山道を、約7時間かけて歩きました(蔦温泉が終点)。

風景の中には、山のように「!」の瞬間がありました。
今日はその一部を紹介します。

まずは、なんといっても伊豆大島では見ることができないブナの巨木が、そこかしこで見られる風景。

高さ30m越えと思われる巨木が生えている森なのに、落葉して葉がなく明るいのは、常緑の木がほとんどでうっそうとした伊豆大島の森とは、ずいぶん異なる景色です。

10cmぐらいのホオノキの実が、たくさん落ちていました。

赤いタネは果肉部分が薄く、タネは大きいそうです。


倒木の上のコケに埋もれるように、ブナの実が落ちていました。

ブナの実を解体すると、堅果の中に脂肪分たっぷりのナッツが入っていて美味しいので、熊も好んで食べているそうです。


地衣類(菌と藻が共生している生きもの)と、キノコとコケが、全部揃っている「ゴージャスな枝」も話題に。

もちろん、みんなで写真を撮りました。

ガイドさんは、ハンカチを使ってキノコ(地衣類だったかも)の胞子が立ち上がってくる様子を表現。

良いアイデアですね!☺️

「この辺りで「気になる木(面白い木だったかも?」を探してみましょう」というガイドさんの問いかけで、立ち止まって、ちょっと変わった形のブナを見に行きました。

この枝ぶりは、この木の歴史を物語っているはず。雪の重みだったのか、それとも何か別の競合相手がいたのか…。存在感のある木だけに想像するのが楽しかったです。
こうやって、自分たちでスペシャルな存在のブナを見つけるのは、とても楽しいですね。

ブナのつるんとした樹皮には、何種類もの地衣類が付いていて、そのうちの一つに縄文文字のような線が入っていることを、屋久島の小原さんに教えてもらいました。

確かに、短い線が入っていました。(縄文文字がどんな文字だったか思い出せなかったけれど、笑)

「原始のシダ」と言われていたトウゲシバの存在は、屋久島にも伊豆大島にも共通するものでした。

胞子は小さいから、どこにでも飛んでいけるのでしょうね。

こんな可愛い、きのこもいました!

丸くてツヤツヤで、このキノコなら、ときめく人が多いような気がします。

コケの胞子も、空に向かって伸びていました。

頑張って、遠くまで胞子を飛ばし、命をつながないとね!

根元近くにだけコケが生えたブナもいました。

屋久島ガイドさんの「大根みたい」という感想が、面白かったです。

森には、ところどころに大きな倒木が横たわっていて、

屋久島大学の皆さんは、倒木に何がついているかをすぐに観察に行っていました。

ルートを塞ぐ倒木には、切り込みが入っていて、真ん中を通れるようになっていました。

なるほど…。この方が木をどけるより楽だし、倒木は森の小さな生きものたちの棲家になりますものね!!

ちょっとぬかるんだ道には、コルク素材を使ったネットが敷いてあって

自然に溶け込んでいることにも感動しました。

木についた小さな生き物を、さまざまなところで観察。

当然、なかなか進まないので、最初の赤沼まで3時間かかりました。
ガイドさんによると、「想定時間内です」とのこと。🤣

赤沼は、複数ある沼の中では最も透明度が高いのだそうで、「ここでお昼にしましょう」と言うことなりました。

地元のお弁当をいただいて、ガイドの方たちから温かい味噌汁と、コーヒーと地元の旬のリンゴも、振る舞われました。

これぞガイド付きツアーの醍醐味!
景色を独占しながら、地元のりんごをいただく時間。最高に贅沢な気分でした。

いちどに書き切れないので、午後からの事は次回に続きます。

(かな)
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