グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ネズミ類(伊豆大島の動物シリーズ2・ジオガイド養成講座より) 

2019年01月31日 | 哺乳類、爬虫類、他
伊豆大島の動物シリーズ2は、伊豆大島のネズミ類について。

まずは講座資料からの抜粋です。

「島内の人家周辺から山林まで普通にみられるネズミはアカネズミである。
大島と新島のものは1938年に形態を本土のアカネズミと比較検討し、体が大きく、後ろ足が長い、また頭骨や脊椎骨数にも違いがあるとして別亜種『オオシマアカネズミ』であるとされた。
しかし後に上記の特徴は佐渡、隠岐、対馬、屋久島などの『島のアカネズミ』にも見られる共通の特徴であることを根拠に、亜種ではなく『島嶼型』のようなものであるという学説も提唱されている」

…ってことで、アカネズミ です。(写真撮影・天野氏)


他の地域では集落のそばにはいないのが普通で「森のネズミ」と言われているようなのですが、
伊豆大島では家の敷地内でも見かけます。

うちの店でも昔、倉庫に住み着いてお客様のメッシュバックをかじったり、シャワー室のスノコの下に現れたりして大変でした。

倉庫で「ミャーオ!」と猫の鳴き真似をして、なんとかネズミに出て行ってもらおうと奮闘した(?)経験もあります(^◇^;)

一方、森で見たのは一回だけです。

昨年7月末に、お客様が樹海で見つけてくれました。
大島では生息数は多いのに、夜行性で小さいため人目に触れることが少ないとのこと。

ごく最近のDNA分析では20万年前頃に何らかの方法で伊豆諸島にやってきたことが判明していて、各島ごとに遺伝的固有性が高いそうです。

20万年前といえば今の伊豆大島は影も形もなく、別の3つの火山が並んで活動していた頃。
その頃からずっと、アカネズミは 命を繋いできていたのですね…。(アカネズミすごい!)

アカネズミの遺伝子は三宅島が一番古く、次が新島、続いて大島なのだそう。
神津島には最近人が持ち込んだのがわかっているそうです。(遺伝子解析の進歩もスゴイ!)

資料によると、その他のネズミについては…
「ハツカネズミは、2008年に元町港で捕獲例があり、それ以前から記録されているものの、島内の密度や分布状況は不明。クマネズミやドブネズミは、過去に数回の捕獲例があるだけで、定着しているかどうかはこれもまた不明」…とのこと。

クマネズミは1kmぐらい平気で泳ぐとも言われ、密航の名人でもあるのに増えないのは、伊豆大島にイタチがいるからかもしれないと天野氏は推測されていました。

大島ではオオシマアカネズミ以外の3種はすべて移入種だそうです。

イタチという捕食者がいる島で、他のネズミは増えないのにアカネズミだけが20万年前から生存し続けているということは、やはりイタチから身を守る術を、長い年月かけて身につけていった…ということなのでしょうか?

生命って本当に不思議で、そして魅力的です。

(かな)
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