浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『中日新聞』(『東京新聞』)は、頑張っている!!

2012-07-17 08:01:00 | 日記
 今日の『中日新聞』第一社会面は、昨日東京・代々木公園で行われた「さよなら原発」集会の記事で覆われていた。

 がんばっている。

 市民の公正な意見をこのように紙面に反映させる姿勢に、ジャ-ナリズムの顕現をみる。

 さて今日の「中日春秋」、これがよいのだ。

 
<世間をひろく見渡すに、欲で商いをする者はたとえ成功しても小さくしか成功せず、かりに大きく成功してもすぐほろぶ>。司馬遼太郎さんの小説『菜の花の沖』のモデルである江戸後期の豪商高田屋嘉兵衛は、「欲」と「利」の違いを配下の者たちに言い聞かせてきたという

▼利を追うのは商人の本能だが、我欲が強ければ目が曇る。淡路島の貧しい農民から廻船(かいせん)業者に。やがて幕府の「蝦夷御用船頭」に任じられ、北海道開拓の礎を築いた男の戒めだ

▼我欲で目が曇っていないか、と電力会社の姿勢に思う。東京電力や関西電力が原発再稼働に固執するのは、廃炉によって発電所の資産がゼロになり、債務超過に陥るのを恐れているからだ。なのに「電力不足」ばかり言い募る

▼関電の原発の比率は約五割。地震列島でそこまで比率を高めたのは経営判断の誤りだろう。その責任に頬かぶりし、計画停電を持ち出して利用者を脅す姿は醜悪だ

▼東電の再建策には再稼働を前提とした資金調達案が盛り込まれた。巨額の債権を持ち、再稼働を求めている大銀行は不良債権の処理で欠損を出し、十年以上、法人税を納めていなかった

▼東京・代々木公園できのう開かれた「さようなら原発10万人集会」には主催者発表で十七万人が集まり、全国各地でも脱原発を訴えるデモがあった。欲に迷う商人たちに声を聞かせたかった。



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