浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

事実は消えない

2014-02-05 09:49:46 | 政治
 安倍首相の取り巻きの一人、作家の百田尚樹氏が、南京大虐殺事件を「そんなことはなかった」と、都知事選の田母神候補者の応援演説で話したそうだ。

 南京事件については、すでにたくさんの研究があり、実証的にはとても否定できるものではない。

 当時南京は中華民国の首都。したがって外国人がたくさんいた。彼らは世界にその事実を知らせた。当時の新聞にも報道されている。「戦後、東京裁判で突然、亡霊のごとく南京大虐殺が出てきた」は、まったくのでたらめだ。

 南京事件の犠牲者の数が問題になっているが、戦争中の犠牲者の数は、最終的にはわからない。本土の空襲でさえ、いったい何人の人が亡くなったのか正確な数はでてこないのだ。

 ボクは、今の政権のあり方はきわめて危ういと思っている。

 日中戦争において、つまり日本と中華民国との戦いにおいて、戦場は日本国内ではなく、一貫して中国であったのだ。そこでは戦闘に巻き込まれ、多くの中国人が亡くなった。百田氏が言うように「日本軍も残虐なことをした」のだ。その残虐なことは、中国で行われたのである。日本ではない。

 中国で行われた「残虐なこと」の記憶は、世代がかわっても中国人の心から決して消えてはいないだろう。心の奥底にしまわれていたその記憶に、最近の日本の政治家やこうした「文化人」が、火をつけようとしている。

 そうした記憶に火がつかないように、ドイツは常に周辺諸国・地域に気を遣っているのだ。しかし日本は気を遣うどころか、そうした記憶をより鮮明にさせようとしている。

 他方、百田氏がいうように、広島と長崎の原爆は「人体実験」であり、「大虐殺」である。その通りだ。だったら、アメリカに対して、きちんと抗議すべきである。

 そして最後に。「極東軍事裁判」を非難しているが、その通り、この裁判には問題がいっぱいある。統帥権の保持者である昭和天皇への訴追がなされなかったのが、その最大の問題であろう。同時に、日本人は1945年に終わった戦争に関して、その責任(たとえば敗戦責任など)を追及しようとはしなかった。これも問題だ。

 そして指摘しなければならないことは、「極東軍事裁判」の結果を、日本はサンフランシスコ講和条約で受け入れることを言明しているということだ。その言明があったからこそ、日本は国際社会に復帰することができたことも事実である。

 単純に、人受けするからということで、国際関係に影響を与える事項を不十分な知識で公に話すべきではない。

 今日本には、こうした放言が各所でなされている。事実に基づいた冷静な思考が求められている。

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だまされた!

2014-02-05 09:23:59 | 日記
 今日の新聞には、驚くべきことがいくつか並んでいた。その一つ。作曲家・佐村河内守の作曲したものが、実際は他の人の作品であるということ。

 これは驚いた。この人が作曲したとされる交響曲第一番は、今でも各地で演奏会が行われている。

 佐村河内氏、耳が聞こえない。にもかかわらず作曲家だということで、「現代のベートーヴェン」とも言われていた。

 実は、ボクもこの交響曲第一番のCDを購入した一人だ。

 各種メディアの報道によると、この人をNHKテレビがとりあげたことから、急にメジャーになったようだ。報道の力、とくにNHKの番組は、げに恐ろしや、ということになる。

 今日の『中日新聞』のその記事の末尾。「佐村河内さんは深く反省しているという」である。しかし、反省してもねえ。人々をだましたことには変わりはないし・・・。これについては、詳細な報道が待たれる。どの程度他人が関わったのかなど。

 ボクもそのだまされた一人。ことほどさように、この世界、ウソが蔓延しているということだ。

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