浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ドイツを見習うべきだ

2014-02-27 21:19:50 | 政治
 第2次世界大戦、ヨーロッパではナチスドイツがヨーロッパ中を戦場として、破壊と殺戮を行った。だから戦後、ドイツは周辺諸国・地域の住民に謝罪し補償を行った。今ドイツは、ヨーロッパの中核となっている。

 ひるがえって日本はどうか。ドイツと同じように、日本は周辺諸国・地域に戦争の惨禍を強いた。破壊され、殺され、働かされるたいう記憶をもった人々を大量につくりだした。もっとも長期間戦場とされ、もっとも大きな被害を受けた国が中国だ。

 日本は、米英やソ連だけではなく、中国にも負けたのだ。日本人は、戦時下軍靴で中国の広い地域を荒らし回り、中国軍民の激しい抵抗を引き出し、その結果として日本は敗戦を迎えた。だが日本の支配層は、そうした事実を見ないようにしている。おそらくその背景には中国蔑視があるのだろうが、近年、安倍政権になってからはさらにその傾向は強まっている。南京事件はなかったとか、尖閣諸島の領有をめぐり平和的な解決ではなく武力に訴えるような方向を示すようになり、中国との対立は深まるばかりだ。

 中国は、侵略された国家として(非は侵略国である日本にある!)、戦争に勝利した国家として、さらに戦後賠償を放棄した国家として、存在している。その中国に対して、日本政府は強い姿勢で臨んでいる。

 となると、中国はもはや日本に遠慮はいらない。被侵略国家として、戦勝国として、過去という「時間」のなかに入りつつあった「戦争の記憶」を、高く掲げ始めた。

 まずは共同配信記事。


強制連行訴訟、全被害者を想定 中国政府「重大な罪」と支持

2014年2月27日 01時50分

 【北京共同】日中戦争時の強制連行の被害者と遺族計37人が日本企業2社を相手に中国で起こした損害賠償訴訟について、原告代理人の康健弁護士は26日、「2社に連行された被害者は計9415人」と指摘し、法的には被害者全員の参加が可能な集団訴訟であることを明らかにした。

 中国外務省は同日、「強制連行は日本軍国主義が犯した重大な罪で、未解決の歴史問題だ」と日本を非難し、訴訟支持の立場を示した。

 原告側は、三菱マテリアルと日本コークス工業(旧三井鉱山)に被害者1人当たり約1700万円の賠償と謝罪を要求。被害者全員の賠償が認められた場合、総額は約1600億円に上る。


 これには、日本は勝てない。なぜなら、それらは事実だからだ。国際的に認知されてることだからだ。

 次は『朝日新聞』の記事。

中国、国家記念日を決定 「抗日勝利」「南京虐殺追悼」

2014年2月27日21時08分


 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は27日、9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」とする法案を採択した。今後は正式に国を挙げて記念・追悼行事を実施していくとみられる。国営新華社通信が伝えた。

 中国では、日本が1945年9月2日に降伏文書に調印した翌3日を正式な抗日戦争勝利記念日と位置づけているが、記念行事としては定例化していない。また、中国メディアによると、江蘇省や南京市では94年から、12月13日に地元政府幹部や遺族らを招いた南京大虐殺の犠牲者追悼式典を独自に行ってきた。

 今回、法律で記念日を定めたことで、国家指導者による演説や献花、中国全土での半旗掲揚などが行われる可能性があり、国際社会にも積極的に発信されていくとみられる。


 安倍政権と安倍首相のお友だちは、どういう結果を求めているのかまったくわからないが、日本は国際的孤立化への道を歩み始めている。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「戦争の記憶」の覚醒

2014-02-27 20:30:06 | 政治
 1945年に終わった戦争。戦争の本質は殺人と破壊である。戦場となったところでは、多くの人が殺され、そして破壊された。

 第2次世界大戦は、ヨーロッパ戦争ではアウシュヴィッツ収容所に象徴されるユダヤ人虐殺があった。現在のイスラエルという国家がパレスチナ人に対して行っている蛮行は蛮行として、戦時中300万人とも言われるユダヤ人が虐殺されたことは事実である。人間は、そのようなことをしてはならないという重大な教訓は戦後の世界に共通した認識として存在している。

 二度と繰り返さない、そのためには事実を知ることだ。その事実の一つとして、アンネ・フランク事件がある。アンネも収容所で殺された。彼女が書いた日記は、ナチスドイツの蛮行を告発し、人類に警鐘を鳴らすものとして語り継がれている。

 そのアンネの日記をはじめとしたホロコースト関連の本が、公共図書館で300冊以上も毀損された。その事件のニュースは世界を駆け回った。どんな人間がこうした破壊行為をやっているかわからないが、まさにこれは人類への挑戦といってよいだろう。あるいは戦争を経て人類が獲得した国際的な認識を揺るがす大事件となっている。

 破壊者は、自らが行った行為がいかなる意味をもつのかに思いをいたすことはないだろうが、国際的には大きな損失を日本(人)に与えているといってよいだろう。国際的な信用を失わせる事件である。

 こうした行為は、ホロコーストが過去のこと、人類がかつて犯した犯罪であるという共通理解、つまり「過去」のことであると認識されつつあったことを、生き返らせることになる。ホロコーストを否定する行為は、ホロコーストを「過去」のものとしない、あるいはできない、という認識を持たせる。

 最近の日本人による放言や妄言の数々は、この事件と同様に、日本軍が戦場としたところで行われた「殺人と破壊」という事実を、生き返らせている。被害者の記憶は消えていないし、直接の被害者ではない後の世代の人々も、戦時下で行われた「殺人と破壊」、さらには「強制連行」などの伝えられた記憶をより鮮明にしている。

 日本軍が入り込んで戦場とした地域の人々の記憶を覚醒させて、何かよいことがあるのだろうか。

 安倍政権下の日本人こそが、戦争を「過去」のものとしないようにしている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「厚顔無恥」の意味

2014-02-27 18:54:11 | メディア
 「厚顔無恥」という言葉があるが、その言葉はこの人のためにこそある。NHK経営委員の長谷川三千子である。

 以下は、『毎日新聞』記事。こういうことをしてその経験を公表した人が、堂々とNHKの経営委員になるのだから。まあこの方の面の皮はとても厚いのだろう。


NHK受信料:長谷川委員、05年に支払い拒否

毎日新聞 2014年02月27日 05時00分

 NHKの経営を監督する経営委員の長谷川三千子・埼玉大名誉教授(67)が委員就任前の2005年に、受信料支払いを拒否する意向の手紙を月刊誌のコラム執筆者に寄せていたことが、26日分かった。誌面では、放送内容への不満から支払いを実際に拒否した経過が、手紙の文面を直接引用する形で紹介された。

 放送法は64条で、NHK放送を見ることができる受信設備を設置した者に受信契約の締結を義務づけている。契約者はNHKとの受信規約で支払い義務が生じるが、罰則規定はない。NHKは法的手続きによる支払い督促を実施している。

 長谷川氏は毎日新聞の取材に「未納は2カ月間で、その後、支払った。支払いの保留をあたかも視聴者の権利のごとく考えていたのは、完全に私の無知によるものだ」と釈明した。

 手紙は、月刊誌「正論」(05年7月号)の元大学教授(故人)が執筆したコラム「NHKウオッチング」で2通紹介された。

 それによると、NHKが05年3月28日に放送した「『クローズアップ現代』 国旗国歌・卒業式で何が起きているのか」について「本当に酷(ひど)うございましたね。私も生まれて初めてNHKに抗議電話をしようといたしましたらば、すでに回線がパンク状態でございました。ちやうど自動振替が切れましたので、NHKが回心するまで不払ひをつづけるつもりでをります」と旧仮名遣いで心境をつづった。

 番組が、国旗・国歌の取り扱いを巡る東京都教育委員会と教職員の“対立”を印象づけたとして、都教委側がNHKに抗議し、NHK側は「公平、公正な番組内容」と反論した。これを受けて、長谷川氏は2通目の手紙で「受信料支払ひはまだまだ先のことになりさうでございます」とNHKの対応に不満を示した。

 昨年12月に経営委員に就任した長谷川氏は、不払いを助長しかねない当時の考えに関して「支払い義務を委員になって初めて知った。世の中には、かつての私のような思い違いをしている人が多いかと思いますので、このことは声を大にして、深い反省と共に申し上げたい」と話した。【土屋渓】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】外池昇『天皇陵の誕生』(祥伝社新書)

2014-02-27 15:02:58 | 読書
 井上亮の『天皇と葬儀』に紹介されていたので図書館から借りて読んだのだが、あえて読むまでもなく、井上の本で、この本に記されている内容は十分である。


 祥伝社新書を初めて読んだが、字が大きくて、字間があいていて、さらにルビが多い。読みやすいことを考えてそうしているのだろうが、内容的には緻密ではない。


 強いて言えば、実在していなかった神武天皇の墓であ神武天皇陵が奈良県にあるが、そこに比定されるまでの経緯が書かれているが、井上の本のほうがわかりやすく明解である。壇ノ浦の合戦で海に沈んだ安徳天皇の墓が下関に、即位したかどうかがよくわからなかった南朝方の長慶天皇の墓が嵐山にあるという。いずれも近くまで行ったことはあるのだが、説明もなかったような気がする。いずれにしても根拠ないままに決められたものだ。

 本書は読む必要なし。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内閣が独断で憲法を骨抜きにしようとしている

2014-02-27 08:58:08 | 読書
 ボクは今、フランス人が書いた『ヒトラーとナチズム』を読んでいるが、ナチズムと一緒だということはいわないが、似ているところはたくさんある。

 まず1933年の「全権委任法」により、(中央)政府のすべての権限が「総統」に独占されるようになったが、今自民党政権は安倍の独断専行にブレーキをかけることすらできず、現代日本では「全権委任法」がなくても、実質的に安倍の「独裁」を許容するという状態だ。

 下記のように、解釈により壊憲しようという目的から、法制局長官に自らの意図を実現させうる人物を据えた。法治主義、法の安定性など、法に対する信用性を根本から覆す蛮行である。

 以下は、『毎日新聞』記事。

小松法制局長官:「解釈変更ありうる」 退院後初答弁

毎日新聞 2014年02月26日 21時03分(最終更新 02月26日 22時38分)

 小松一郎内閣法制局長官は26日、衆院予算委員会分科会で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更について「それ自体は厳しい制約の中でありうる」と述べ、内閣の方針次第で可能との認識を示した。その上で「内々に、検討も議論も法制局内でやっている」と述べ、既に解釈変更の検討作業に着手していることを明らかにした。民主党の辻元清美氏の質問に答えた。

 小松氏は体調不良で約1カ月間入院しており、国会での答弁は今月24日の職務復帰後初めて。政府が憲法解釈を変更する場合、法制局が示す意見について、小松氏は「最終的には私の責任で判断する」と表明した。安倍晋三首相は私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が4月にもまとめる報告書を待って、解釈変更を検討する考えを示している。【影山哲也、朝日弘行】


 また『ヒトラーとナチズム』にこういう記述があった。

 ナチ党が政権につくとすぐ大新聞の幹部追放が行われ、なかには廃刊を命じられたものもあった。かわってナチ党員のなかから経営者が任命されたのである。

 安倍首相がNHKに対して行った所業とうり二つである。安倍政権は、ナチスときわめて近似的である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする