浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

2017-02-07 19:24:20 | その他
 寒風吹きすさぶなか、しばらくぶりに畑に行った。

 畑に植えてあるブロッコリーやキャベツが、鳥に食べられている。温かいときには、モンシロチョウの幼虫に食べられていたが、今は鳥が食べる。他に食べ物がないのだろう、キャベツなどが食いちぎられている。

 風が弱ければ、農業用不織布で覆うつもりであったが、強すぎてできなかった。昨年は鳥に食べられることもなく、そういう心配をしなくてもよかったのだが、今年は寒くて鳥の餌も少ないのだろうか。

 そこでタマネギを植えてあるところに生えている雑草をむしる。こんな寒くても、地にぴったりとはりつきながら少しずつ大きくなっている。小さくてもなかなか根は深くはっているから、簡単にはとれない。とりながら、庶民というのは、この雑草のような存在なんだなあと思う。

 大根を一本収穫。大根は、寒い中でもあんがい大きくなっていた。

 そろそろじゃがいもの植え付け時期になっているが、こう寒くては植えられない。種芋はもう買ってあって、小屋にいれてある。今年は、昨年北海道が水害にあったりして種芋が品薄だというので、買っておいたものだ。

 畑で草をとっているあいだ、近くの電柱などで、鳥たちが騒いでいた。キャベツなどを食いちぎるために、いなくなるのを待っているようだ。

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『世界』3月号(その1)

2017-02-07 11:31:47 | その他
 『世界』今月号に、鹿野政直氏と新城郁夫氏との対談が掲載されている。鹿野政直氏は『資本主義形成期の秩序意識』、『日本近代思想の形成』など近代思想史、そして沖縄の近代思想史などの著書がある。生まれは1931年であるから、ことし86才になる。

 鹿野先生の講義を、学部が異なる私は「もぐり」でよく聴きに行ったものである。そして先生のご著書は、ほとんど読んでいる。尊敬できる学者であり、私が関係している研究会の総会講師としてきていただこうと、昨年お手紙を出したら、もう高齢だからと断られた。はがきには、「沖縄のことに限り、東京内の小さな運動体からの要請のみ」を受けている、と記されていた。

 そしてこの対談を読んだら、何と鹿野先生は沖縄・高江で座り込みをされたそうである。これには驚いた。

 近年、沖縄の情勢が厳しくなっているのに、私は沖縄には行っていない。歴史講座の準備、自治体史などで忙しくしているため、なかなか精神的に余裕がない。

 しかし鹿野先生は、沖縄に行かれた。

 辺野古の工事が開始されたとのこと。これは行かなければなるまい。鹿野先生が行かれているのだから。

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【本】吉田一彦『『日本書紀』の呪縛』(集英社新書)

2017-02-07 08:46:28 | その他
 『日本書紀』に関する様々な研究の成果を吸収し、『日本書紀』に関する言説をわかりやすく整理している。

 『日本書紀』が一つの政治的立場から記された政治的主張の書物であること、事実に基づくとは認められない創作による記述が多いこと、政権中枢部の権力者たちの思想を表現した書物であること、といった基本的理解

 これが「共通認識」になっていない、と著者は言う。

 『日本書紀』は、7世紀後半から8世紀前半にかけての時期、古代天皇制がその支配体制を構築し、その支配体制の正当性を歴史的に明らかにするために編纂された作為による「歴史書」である。この時期は、天武から持統を経て、文武、元明、元正、そして聖武へと権力中枢が移行した。「天孫降臨」の説話も、持統と文武、元明と聖武に対応する(女帝とその孫)もので、さらにそこに天皇家と不即不離の関係にある藤原氏がかかわって、皇位をみずからの意図のままに継承させようとするためのものであった。

 そしてこの時期に、国号は「倭」から「日本」へ、「大王」の呼称も「天皇」となり、そして神社の建設もこの頃から始まった。まさに神権天皇制を正当化するための言説が書かれているのが『日本書紀』なのである。

 とはいっても、「大王」にしても、「天皇」にしても、それは大陸の称号を取り入れたもので、彼らの独創ではない。

 本書を読んで、私にとっては今までに読んできた内容を整理できた。同時に、『日本書紀』が、「過去の支配」であると同時に、「未来の支配」でもあったこと、「聖徳太子」に関わる言説、『日本霊異記』についてなど、新しく学んだことも多い。

 よい本である。読みやすく、『日本書紀』に関わる研究の学説を整理するためには役に立つ。
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