浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

自民党の政治家、不可解!

2021-02-09 19:46:33 | 政治

「逆ギレは最も反省している態度」萩生田文科相が森会長をアクロバティック擁護

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】布留川正博『奴隷船の世界史』(岩波新書)

2021-02-09 19:26:44 | 

 いつか読むつもりで買ってあった本。その一冊である。読みはじめたら、なかなかよい本であると気付かされ、一気に読んでしまった。

 これを読むと、ヨーロッパーアフリカー新大陸間で行われた奴隷貿易の全貌を見渡すことができる。またイギリスから始められた奴隷貿易廃止運動、奴隷制廃止運動の流れもわかる。その運動を主に担ったのはキリスト者であった。といっても西欧世界はクリスチャンがほとんどであり、奴隷貿易を行ったのも、奴隷を酷使したのもクリスチャンである。しかしその中にも少数ではあるが良心的なキリスト者がいたのである。おもにクエーカー教徒。

 そして奴隷制が廃止されたはずなのに、奴隷制度は今も世界各地で存続していることもきちんと触れている。

 私は、奴隷制度を公認した国家、奴隷貿易を国家的事業でおこなった国々は、過去の罪業を明らかにしてその責任を果たすべきであると思う。何故か。罪業の多くは公的機関の公認により大々的に展開される。したがって、それを公認した国家が自らの責任を自覚して謝罪し、当然ではあるが賠償することにより、はじめて過去の奴隷貿易・奴隷制度を「過去」のものとすることができる。さらに現存する奴隷制度への厳しい批判ともなる。

 そのために、奴隷制度の全体を俯瞰できる本書は、読まれなければならない。

 

 

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする