大杉栄・伊藤野枝・橘宗一の分骨された遺骨は、静岡市の沓谷霊園にある。2013年、それまで断続的に開催されてきた墓前祭を復活させ、2023年まで継続してきた。「沓谷だより」を13号まで、また資料集も刊行し、静岡に大杉らの墓があることを後世に残す作業もしてきた。
昨年の墓前祭には、多くの人が参加したが、墓前祭は、しかし2023年でピリオドを打った。毎年、全国に呼びかけて墓前祭を開催していくことはなかなかたいへんであったからだ。墓前祭実行委員会には組織的な支援はいっさいなく、また求めることもしなかった。
関東大震災では、朝鮮人・中国人が虐殺され、また亀戸では労働運動家らが殺された(亀戸事件)。101年目になっても、彼らの死を追悼し、心に刻む行事は続けられるようだ。
それでも、9月16日、大杉らが虐殺された日はやってくる。墓前祭はなくとも、大杉や野枝の思想を考え、死を悼み、権力の暴力を糾弾し続けることは必要だ。
多くの人が沓谷霊園の大杉らの墓を訪れることを期待したい。沓谷霊園は広い。Google mapには、記載があるが、場所は、北街道から静岡市立東中学校の西側の道を南進し(長源院方向)、小さな交差点を右に入り、50㍍ほど歩くと霊園の入り口がある。そこから入ると左側に大杉らの墓がある。