浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

こんなことだろうと思っていた!

2012-10-07 08:55:01 | 日記
 孫崎享氏の『戦後史の正体』を読むと、いかに日本の政治がアメリカの意向に左右されてきたのかがよくわかる。日本は、独立国とは言いながら、実質的にはアメリカの属国である。

 日本政府が、中国や韓国に過度な対立をつくるのも、属国ぶりを隠すためではないかと思ってしまう。

 さて、オスプレイが沖縄・普天間基地に配備された。沖縄県民はじめ、配備反対の声を無視して日本の野田政権は、「ルール」をつくって配備を強行した。アメリカ本国では、オスプレイの危険性を指摘して訓練させないでいるのに、属国日本は強引に配備を強行した。

 ところが、米軍は「ルール」を守らない。あたりまえだ、最初から米軍は守るつもりはない。属国が「何を言うか」という姿勢である。「ルール」をつくった防衛省は、沖縄でオスプレイがどういう飛び方をしているか調べていないなどと言っている。最初から防衛省も守らせる気がないのだ。

 以下は『毎日新聞』の記事だ。
 
http://mainichi.jp/select/news/20121007k0000m010101000c.html

オスプレイは、学校の上空を堂々と飛んでいる。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-06_39880


http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20121006/1349500168

 このままにしておくと、日本全国の上空を、危険なオスプレイが飛行することになる。

 属国日本のあり方を変えなければならない!
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さすが、清張さん

2012-10-06 21:38:29 | 日記
 今の若い人には馴染みがないかもしれないが、松本清張という大作家がいた。若い頃、清張の作品をよく読んだが、最近はとんと御無沙汰していた。

 双葉文庫から『松本清張 初文庫化作品集』というシリーズがでている。そのなかの4に「統監」がある。これは伊藤博文の韓国支配の動きを描いたものだ。韓国併合やハーグ密使事件などを描いたもので、博文の傍らにいた芸妓の目に映った光景とそれについての感情が綴られている。もちろんフィクションであるが、韓国の悲劇がきちんと描かれている。

 さすが清張である。こういう作品があったとは知らなかった。日本の韓国侵略の姿が、こういうかたちで描かれ、とても読みやすくイメージを浮かべやすい。

 これも読んでみて欲しい。
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「あなたがむなしく生きた今日は昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った明日」

2012-10-06 18:18:49 | 日記
 シリアで銃弾に倒れた山本美香さん。偲ぶ会が開かれたそうだ。そこで読み上げられたメッセージが、『毎日新聞』に掲載されている。

 これに、何もコメントする必要がない。内容ある深いメッセージが3本あった。

 山本さんは、「一粒の麦・・」だ。


 http://mainichi.jp/select/news/20121006mog00m040001000c.html

 戦争を憎み、山本さんの生と死を想う。
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『ハンセン病とともに心の壁を超える』(岩波書店)

2012-10-06 10:54:04 | 日記
 熊本日々新聞社が同紙に連載した記事をまとめたものである。熊日は、ハンセン病問題にとても熱心である。国立療養所・菊池恵楓園があるからかもしれないが、人権感覚の鋭い内容は信頼できる。

 最近、人権感覚もなく、理性的な認識や責任感のかけらもなく、ひたすら目立とうとして野蛮なことばをばらまいている輩が世間の耳目を集めている。悪人が跳梁する時代となっている。

 だが、よい人はたくさんいる。

 この本に登場する人々は、人間に対する信頼を取り戻してくれる。こんなにも立派な人がいたのかと、心から感心する。

 ハンセン病者に対する差別は、今もなくなってはいない。日常生活から「隔離」され、権力からの暴力的な迫害を受けていたために、人々の目になかなか映らない。

 しかし私たちは、日本ではほぼ過去となったハンセン病の歴史と、今生きている人々の生活や人権を知ることなく、のほほんと生きていくことはできない。

 この本は、そしてこの本に登場する人々の生き様は、人間のすばらしさを教えてくれる。

 読んで欲しい。
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福島県は、犯罪を重ねる

2012-10-06 07:28:12 | 日記
 フクシマ原発事故に関しては、政府や福島県による意図的な情報隠しや作為的な欺罔がまかり通っていたことは、すでに明らかになっているが、さらにその上塗りをしていることが判明した。福島県は、犯罪的なことを行っている。


 まず、「福島県県民健康管理調査」について。『毎日新聞』のスクープ。このブログがまとめているので、それを紹介する。

http://johokokai.exblog.jp/18529158/

 ここに記載されている『毎日新聞』の記事をみれば一目瞭然である。

 またこういう記事もある。これは『朝日新聞』の記事。見出しは、「福島の線量、意図的に低く公表か 市民団体独自調査」である。

 「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」は5日、東京都内で記者会見し、福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性があるとの独自の調査結果を公表した。

 研究会は今年、文部科学省が設置したモニタリングポスト約100カ所の近くで空間線量を測った。この結果、公表されているモニタリングポストの値より平均して10~30%高かったという。ポストから10メートルほど離れた所では、平均で40~50%高かったという。

 研究会の矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授(物理学)は「値を低くみせるために、モニタリングポストの周りは除染を徹底したり、数値を操作したりしているのではないか」と話した。文科省原子力災害対策支援本部は「意図的に低くみせるようなことはしていない。周辺が除染されたモニタリングポストの情報は福島県のホームページで公開している」としている


http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY201210050360.html

 政府も福島県も、人々の健康を守ろうとする気配はない。今も続く“棄民”政策である。





 
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林勝彦編『科学ジャーナリストの警告』(清流出版)

2012-10-04 23:03:17 | 日記
 校正ミスがいくつかあるが、内容的にはすばらしい。現時点における“フクシマ”に関わる論点をきちんと解説してくれている。

 “フクシマ”から1年半も経過し、そろそろ怒りの記憶も薄らいできている時期ではあるが、きちんと起きたこと(「原子力ムラ」の方々の対応も含めて)を、頭の中に整理しておくために効果的な本だ。

 “フクシマ”に関わるマスメディアの情報が、あまりにひどく、このブログでも大量に情報を流したが、マスメディア産業には「良き人」がいない。というのも、この本に書いている人の多くは、すでにメディア産業にはいないからだ。過去に「科学ジャーナリスト」であった人々。

 現役の「科学ジャーナリスト」が書いたものを読みたかったが、いまメディア世界にはジャ-ナリストが見当たらない。

 読むべき本の一つ。ただし2000円+悪税という値段は、少し高いかな。
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具体性の中で

2012-10-04 08:14:15 | 日記
 購読している雑誌の一つに『法と民主主義』というものがある。日本民主法律家協会が発行する法律家の雑誌である。私も一応法学部の出身なので、法律関係の雑誌(その他日本評論社の『法律時報』など。『法律時報』の別冊はほとんど購入している)も読むのである。

 最新の『法と民主主義』の特集は、“原発と人権”である。海渡雄一氏の「福島原発事故の原因と責任」は、原発問題に関わる司法の国策追随の姿勢を具体的に指摘する。「原発利権」でつながるトライアングル(政、官、財(業)、学、報(マスコミ))は、本当は司法を含めた六角形ではないかと思うほどだ。

 さて、この特集、今年4月に福島で開かれた「全国研究・交流集会」の記録である。当然地元の原発災害の被害者たちの生の声が綴られている。怒り、悲しみ、悔しさ、しかしそのなかでも福島で生き続けようという「決意」には、心が動かされる。

 しかしひとつ、飯舘村村長の菅野氏の発言はいただけない。話が抽象的なのだ。この人は何を考えているのだろうか、と思ってしまう。双葉町長の井戸川氏の発言は具体的でよいのだが、菅野氏は何を言おうとしているのかよくわからない。

 福島大学の清水修二氏の発言には、考えさせられることがあった。

 「原子力発電は「原子力ムラ」が国民に押し付けたものではなく、国民が選択してきたものである、との認識を持たないと、今回の災害は国民的教訓にし得ない」ということばは重い。国民の「責任」=応答可能性の問題である。福島事故は、国民に、原発、そして放射能被災=被曝の問題を他人事ではなく、みずからの問題として考えることを促しているという発言であった。

 原発事故は未だ収束していない。考え続けなければならない問題なのである。
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最近読んだ本

2012-10-02 22:14:43 | 日記
 少しブームも去ったが、「尖閣」をはじめとした領土問題について、以下の本は、必読である。

 それは孫崎享の二著だ。重複はあるが、理性的な対応とはどういうものかがわかるというものだ。その意味では、ガーガーと叫び立てる政治家は外交家としては、失格である。

 外交は、大人の対応でなければならない。それはどういうものかを諄々と解き明かしたのが下記の本だ。

 『日本の国境問題―尖閣・竹島・北方領土』(ちくま新書)

 『不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換』(講談社現代新書)

 ついでに、同氏の『戦後史の正体』(創元社)もきわめて興味深い。見解が異なるところもたくさんあったが、教えられるところも多かった。「戦後史」におけるアメリカの影については、しっかりと認識しておく必要がある。それなしに、「戦後史」は理解できない。

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