ハンセン病と診断された両親をもつ宮里さんがみずからの人生を綴ったもの。今日図書館から借りてきて、すぐに読んでしまった。
ハンセン病者は、日本では、国家による差別・迫害が長い間行われてきた。強制隔離がそれである。ライ菌は、近代日本ではおそるべき細菌ではなく、そう簡単に感染するものでもなかった。しかし国家は、ハンセン病者をみつけたら療養所に送り込み、子どもができないように断種するなど、人権侵害を平然と行ってきたのだ。
国家が、公的に差別迫害するとどうなるか。多くの国民も、ハンセン病を恐ろしい病気と認識させられ、差別・迫害する側に立った。
となると、家族にハンセン病の症状が発見されたとき、その家族はどうなるか。発症したものだけではなく、他の家族も差別・迫害の対象とされるのである。
宮里さんも、その対象とされたのであった。宮里さんの受けた差別・迫害は、尋常なものではなかった。しかしそのなかで、生きていかなければならない。真実を語れないままに、社会の中で生きていかざるを得ない日々。その苦しさが、この本にほとばしる。自分を偽り、他人に虚偽を語る、そうせざるをえない自分自身の生そのものに耐える生活。
私は、宮里さんだけではなく、ハンセン病者の家族が、同じような過酷な状況に追い込まれていたと思う。
そう思うと、国家のハンセン病対策の犯罪性を糾弾せざるを得ない。
本書は、宮里さんの生の軌跡をたどりながら、他方でそういう生を強制した国家の犯罪性を浮かび上がらせる。
ハンセン病を語る上で、読んでおかなければならない本だと思う。
ハンセン病者は、日本では、国家による差別・迫害が長い間行われてきた。強制隔離がそれである。ライ菌は、近代日本ではおそるべき細菌ではなく、そう簡単に感染するものでもなかった。しかし国家は、ハンセン病者をみつけたら療養所に送り込み、子どもができないように断種するなど、人権侵害を平然と行ってきたのだ。
国家が、公的に差別迫害するとどうなるか。多くの国民も、ハンセン病を恐ろしい病気と認識させられ、差別・迫害する側に立った。
となると、家族にハンセン病の症状が発見されたとき、その家族はどうなるか。発症したものだけではなく、他の家族も差別・迫害の対象とされるのである。
宮里さんも、その対象とされたのであった。宮里さんの受けた差別・迫害は、尋常なものではなかった。しかしそのなかで、生きていかなければならない。真実を語れないままに、社会の中で生きていかざるを得ない日々。その苦しさが、この本にほとばしる。自分を偽り、他人に虚偽を語る、そうせざるをえない自分自身の生そのものに耐える生活。
私は、宮里さんだけではなく、ハンセン病者の家族が、同じような過酷な状況に追い込まれていたと思う。
そう思うと、国家のハンセン病対策の犯罪性を糾弾せざるを得ない。
本書は、宮里さんの生の軌跡をたどりながら、他方でそういう生を強制した国家の犯罪性を浮かび上がらせる。
ハンセン病を語る上で、読んでおかなければならない本だと思う。