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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

金正男という人

2017-02-25 07:19:19 | その他
 暗殺された金正男、日本では「愛されキャラ」のような報道が続いているようだが、北朝鮮の人びとは、こうみている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishimarujiro/20170225-00068075/
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今日は一日しごと

2017-02-24 22:56:27 | その他
 今日は朝からF市に行った。

 F市で行っている仕事、私は19項目ある。1項目を書くために1回だけ行って書けるものではない。少なくとも、2~3回行かなければならない。そうすると、最低でも19×2で、38回行くことになる。締め切りまでに果たして38回行くことができるかを考えると、かなり無理をしなければならないという結論に達し、時間があったらとにかく行って書こうと決意したのだ。

 一日仕事をして帰ると、ほかのことはしたくなくなる。そこでAmazon primeのビデオで、寅さんシリーズをみる。最近一日仕事をした日の夜は、寅さんをみることにしている。

 「男はつらいよ」、上映されていた頃、実はほとんど見ていない。せいぜい3作くらいだ。しかしそのおもしろさは知っていたので、この際全部見てやろうと思って見始めたのだが、やはり期待通りで面白い。何というか、日本的心情のなかの善良な部分で成り立っているように思える。ある意味で、「日本っていいな」と思えるような、健全なナショナリズムを育てる映画のような気がする。

 この映画のよさを理解できるのは、しかし年齢の高い人たちだろうと思う。若者は見ても、きっとそのおもしろさはわからないのではないか。

 今の世は、あ~あと思うような、聞きたくないようなニュースが多い。寅さんをみると、しばしそういう俗世間の悪事を忘れることができる。寅さんをみると、なんか浄化されるようにも思える。そういう時間も必要だな。



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安倍晋三夫妻の国有財産プレゼント

2017-02-24 07:58:40 | その他
 首相ともなると、国有財産を恣意的にプレゼントすることもできるのか?!
 
http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/23/akie-abe-moritomo_n_14963272.html?utm_hp_ref=japan

https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/what-is-mizuhonokuni7-1?utm_term=.ojJ9vbWj2#.xprRbyN9P
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安倍晋三の人格を疑う

2017-02-23 22:25:24 | その他
 ここに記されている事実をしっかりと読んで欲しい。でないと、真実はわからない。安倍の人格の問題を知るべきだ。

http://buzzap.jp/news/20170223-abe-alternative-fact/
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富島健夫

2017-02-23 19:29:09 | その他
 昔、男性週刊誌に官能小説を書いていた作家が何人かいた。その一人が富島健夫。

 『東京新聞』夕刊のコラム、「大波小波」に、彼についての評伝が発売されたと紹介されていた。その文に、富島が22才で芥川賞候補になっていたことが記されていた。彼は朝鮮半島で育ち、戦後引き揚げてきたのだという、その体験もあったのか、戦後日本における朝鮮人の群像をリアルに描いた「喪家の狗」という作品を書いたという。

 一応在日朝鮮人の研究をしている者としては、この作品を読まなければならないと思い、図書館に予約した。

 彼は「雌雄の光景」などという純文学を書いていたのだが、酷評され、とりわけ高橋和巳から厳しく批判されたのだそうだ。高橋和巳といえば、京大教授(確か漢文学が専門であったように記憶している)であり、また「我が心は石にあらず」、「悲の器」、「邪宗門」などを書いた作家で、私も若い頃これらの作品を読んでいる。

 高橋の酷評が原因だったのか、彼は官能小説作家へと転身した。

 官能小説家のひとり、宇野鴻一郎も「鯨神」で芥川賞を受賞したのだそうだ。

 純文学から官能小説家への転身、いったいなぜなんだろう。

 ところで、今日の「大波小波」は、ワンパターンの評伝を書く栗原康の「死してなお踊れ 一遍上人伝」の紹介。彼にかかると、すべての人が彼の主張の代弁者となる。大杉、野枝、そして今度は一遍。

 そういう評伝は、読まない。


 
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【本】宮地ゆう『シリコンバレーで起きている本当のこと』(朝日新聞出版)

2017-02-23 11:08:18 | その他
 私の知らない世界が記されていた。

 アメリカ西海岸はIT産業のメッカである。第一章は、そうした地域の現状を紹介する。シリコンバレーには、インド人が多いといわれてきたが、この本を読むとなるほど、である。

 第二章は、この地域の格差の実態。グーグルやフェイスブックなどの名だたるIT企業が集まるこの地域に、ホームレスが多く、また道路などのインフラがひどいこと。これはアメリカの福祉政策や、自治体の財政制度がきわめて不備なことによる。つまり基礎自治体にはカネがないのだ。これは知らなかった。基礎自治体である市や町に入る主な税収は、固定資産税と動産税。しかし固定資産税はその基準である路線価が上昇しても、すぐには税収に反映しない仕組みになっているようだ。そして州からの補助金はとても少なく、自治体が背負っている学校経営やインフラ設備はいつもカネがない状態だという。これはアメリカという国の欠陥だと思う。アメリカには生存権規定などがないから、よけい悪化する。
 以前書いたが、夜行バスはホームレスの安全なベッドとなる。「ルート22」は「ホテル22」となるというあれだ。

 第三章は、ITによる新種の企業の中身。いろいろ紹介されているが、「自律型兵器」の問題は、そら恐ろしく感じた。ロボット兵器のことであるが、ロボットが「自律的に」人を殺す。

 第四章は、IT企業と国家の対立の問題。といっても、スノーデンが暴露したように、メールなどの通信は、すべてNSAにより盗聴され、データが集められ、知らず知らずのうちに私たちは監視されている。その様子が、簡単に記されている。日本にいる私たちもNSAにより監視されている。ネットは怖い。

 第五章は、ITの未来、ITに夢を抱く若者たちの動き、成功すれば莫大なカネが入る、という。

 知らなかった世界が、本書で明かされる。読みやすい。one sentenceで行がかわり、字数は多くないからすぐに読める。

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ブレイディみかこ氏の本

2017-02-22 22:56:40 | その他
 彼女の『ヨーロッパコーリング』を読んでいるが、線を引きたい、書き込みをしたい、という欲望がまさり、ついにAmazonに注文。

 おもにイギリスのことを書いているのだが、新自由主義に席巻されるイギリスは、日本と同様な事態にある。したがって、参考になる文が多い。

 まだ読了していないが、もっとも刺激を受けたのはスコットランド国民党(SNP)という政党のことだ。そのHPをみて、こういう政党こそが日本でも求められていると確信した。いずれこのブログで、SNTについて詳しく書こうと思う。

 また本書には、ふ~むとうなるような表現がある。たとえば、

 地べたから見るグローバリズムとは、労働する者を舐めくさった経済である。〔58〕

 本当にその通り。労働する者の人間の尊厳を一切顧慮しない経済だ。こうした経済制度が、1980年代から世界を覆うようになった。「万国の労働者、団結せよ!」ということばは、今こそその生命を輝かす時だ。

 しかし、イギリス労働党も、フランスの社会党も、今では新自由主義を担う政党となり、労働者の尊厳を踏みにじるところにある。日本の社会民主党はどうなのか。社会民主党は、そうした理論的な作業には、今では手を出さない。ポスターにみられるように、惰性の中にある。地方でまじめに活動している社民党の人たちに失礼であると、私は社民党中央に強く言いたい。そういう意見を社民党にメールで送ったが、もちろん返信はない。そういう政党に、果たして未来はあるか。

 イギリスには、健全な批判的精神が息づいていると感じる。アメリカでも、イギリスでも、資本主義社会では、生活が苦しくなったのは移民、日本では「ガイジン」が入ってきたからだと言う声がある。しかし外国人に八つ当たりしても、生活は一向によくならない、大企業の経済活動に制約を課すことこそが必要なのに、という意見がGuardianの声に載る。

 Guardian紙は、労働党を支持している新聞だ。しかし、労働党は前述したように、新自由主義を支える政党となっている。ブレア政権を思い出せばよい。だからこそ、SNP(Scottish National Party)の主張が新鮮に見える。

 今や新自由主義経済のもとで、世界中の働く者たちが虐げられている。アメリカの新聞やイギリスの動向を知るにつけ、国境をこえた働く人びとの団結や連帯が求められていることを感じる。

 WORKERS of THE WORLD, UNITE!
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『東京新聞』の「私説・論説室から」

2017-02-22 21:05:16 | その他
 この文は、深くまた考えさせる。そのまま貼り付けさせていただく。


生きて「在る」という活躍   2017年2月22日

 東京都の小池百合子知事からはナシのつぶて、という。ひと月ほど前に手紙をしたためた東大和市の海老原宏美さん(39)。どうしても尋ねてみたいことがあったらしい。

 地域の障害者の自立生活を一意専心で支えてきた。彼女自身も難病の脊髄性筋萎縮症を患い、人工呼吸器で命をつなぐ重度障害者。

 その取り組みが評価され、さる一月、本年度の都女性活躍推進大賞に輝いた。喜ばしい話なのだが、当の本人は不思議な気持ちになった。いったい「活躍」とは何なのか。スポーツや芸術、企業活動にしろ、業績を上げ、感銘を与え、世間の脚光を浴びることか。

 そうだとすれば、人工呼吸や経管栄養が欠かせない人、意思疎通ができない人、意識の有無さえはっきりしない人、そういう重度障害者が「活躍」するのは難しい。

 彼女は言う。縄文杉はただの木でしかないのに、富士山は盛り上がった土の塊にすぎないのに、人々は感動し、すがすがしい気持ちになる。そこに価値を創造し、また発見する力が、人々の心に備わっているから、と。

 ならば、重度障害者の存在価値を見いだし、育んでいくのも周りの人々。それは社会の価値観を豊かに広げるだろう。重度障害者は、地域に生きて「在る」だけで「活躍」しているといえるのではないか。

 賞の贈呈式で、そう問いかけた手紙を知事宛てに託した。届いているか。 (大西隆)
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暗殺された金正男というひと

2017-02-22 20:21:12 | その他
 『週刊朝日』の記事。独裁国家・独裁者の子どもとして生まれた不幸、とでも言えようか。独裁国家は、いかなる人物の人権も顧慮しない、国民は国家のためにのみ存在しうる。

https://dot.asahi.com/wa/2017022100051.html
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寒風のなかの畑

2017-02-22 19:41:40 | その他
 買っておいたジャガイモから新芽が出てきた。ジャガイモを植え付ける時期の知らせだ。

 2月下旬から、種芋として買ったジャガイモを半分に割って、そこに灰をつけ、肥料とともに埋める作業を行わなければならない。しかし早く埋めると、地中から出てきた新芽が霜に当たり、ダメになってしまう。いつ埋めるかは、季節の移ろいによる。

 農業は、自然に依存する産業である。もちろん温室やビニールハウス、水耕栽培で、季節の移ろいから自立した農業をしようという人びともいる。しかしそれには莫大な資金が必要となる。ふつうの農業従事者は、季節の移ろいに従属しながら作物をつくる。

 今日、長い時間畑にいた。しばらくぶりに風がなかったからだ。

 冬、畑に立つと、強い風で帽子が飛ぶ。強い西風が、乗ってきた自転車を倒す。だから畑には杭を打ち、自転車をそれに縛り付ける。

 じゃがいもを植え付けるところは、すでに一度掘り返しているが、もうそろそろ植え付ける時期だろうと思い、もう一度掘り返し、低い畝をつくった。鍬で掘っていくと、スギナなどの根がいつでも芽を出すことができるように機を窺っているかのようであった。もちろん私は、その根をどんどん容赦なく取り去っていく。ここで情けをかけたら、夏の雑草との闘いに完敗となる。

 そして除草。タマネギを植えてあるところなどで、地に這いつくばり、冷たい西風を避けるように、雑草が花をつけている。これも除去する。少し油断すると、こうした雑草の面積が広がっていく。
 小さな芽を出していたにんじんは、大地に少しだけ顔を出し、生長をとめている。寒風に負けないためには、じっと耐えなければならない。大地にへばりついていないと、生命が絶たれるからだ。

 季節の移ろいにみずからの生長を従わせながら、みずからの生を全うしようという植物。

 農業は、謙虚さを私に教える。畑に這いつくばって学ぶことは多い、そう思った。


 
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Fact Checker

2017-02-22 08:43:54 | その他
 トランプがウソ八百を言っていることは、すでに世界的に知られている。最近のスウェーデンのテロ事件デマは、記憶に新しいところだ。しかしもちろんこれだけではない。

 WashingtonPost紙は、Throughout President Trump’s first 100 days, the Fact Checker team will be tracking false and misleading claims made by the president since Jan. 20. という紙面を提供している。トランプ大統領の100日間を通して、1月20日からのトランプによる虚偽の、人を惑わすような主張を、fact checkerチームが追跡しているのだ。

https://www.washingtonpost.com/graphics/politics/trump-claims/?hpid=hp_hp-top-table-main_100days%3Ahomepage%2Fstory

 例えば、こうだ。トランプが、「偽情報をながすメディアは、スウェーデンでの大規模な移住はまさにうまくいっていると言おうとしているがそれはNO!だ」と語ったことについて、チームは、事実による訂正をしている。

トランプはスウェーデンでの犯罪率が上昇していると言ったが、最近では犯罪率は低下している。スウェーデンは難民や移民を受けいれているが、スウェーデンの犯罪専門家は「政府の移民政策が犯罪とリンクしていることはない」と言明している。

 日本の首相も、トランプと同様にウソをつく。日本のメディアも、ワシントンポストを見習ったらどうか。
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ウルトラ右翼への国有地プレゼント問題

2017-02-22 08:18:40 | その他
 すべてのテレビ局がスルーするこの問題。安倍政権への大きな痛手となるはずのこの事件を、テレビメディアは追跡しない。何というだらしなさ。何度も記しているが、テレビメディアにはジャーナリズム精神は皆無である。

 今日の新聞のテレビ欄を見ると、金正男暗殺問題のオンパレードだ。しかしここでも、日本メディアは阿呆なことをしたようだ。

http://lite-ra.com/2017/02/post-2937.html

http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/21/moritomo-gakuen_n_14901650.html?utm_hp_ref=japan
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働かないアリ

2017-02-21 22:33:10 | その他
 働かないアリは、必要なんだ。

 働いていたとき、働かない人びとがいた。私は、職場というのは福祉の役割も持っていると思い、あまり気にしなかった。

 アリの世界では、働かないアリばかりを集めると、そこでは7~8割が働きアリに変身し、2~3割は働かないアリとなる、ということを何かで読んだ記憶がある。

 これに関してのニュース。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/17/news088.html#utm_source=yahoo&utm_medium=feed&utm_campaign=20170221-086&utm_term=zdn_n-sci&utm_content=rel2-01
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【本】中国新聞取材班『中国山地過疎地帯50年』(未来社)

2017-02-21 12:19:05 | その他
 過疎。あまりよい言葉ではない。

 20代の頃、3月頃だったか能登半島に行った。車で半島を一周したのだが、町と町との間を走っているとき、ほとんど人を見かけなかった。家はあった、車はあった、しかし人は見なかった。その時私はかなり衝撃を受け、過疎地帯能登に関する本を読み、その深刻さを認識した。

 その時に書いた文を掲げる。「過疎地帯 奥能登」と題するものだ。

奥能登の冬は寒い。暗い。わびしい。日本海から吹き寄せる潮風が、山裾の草木を枯らし、荒涼たる姿を現出させる。そしてどんよりとした厚い雲の下で冬の海が荒れる。

ほとんど人影は見えない。ときおり道のスミを手ぬぐいを被った老婆が、腰を斜めに曲げながら歩いている。それ以外の人には会わない。人家はあった。車もあった。しかし人はいない。コンクリートミキサー車が自らの巨体をゆっくりと廻していた。しかし人はいない。見捨てられた家、そして車。

大通りを車がひっきりなしに行き来し、たくさんの人がうごめきあっている「大都市」の生活に慣れた人の眼に、奥能登は異様に、あたかもゴーストタウンのように映る。

過疎-。このことばが奥能登を象徴する。全国の山間僻地の状況がここにもある。若者たちは都市に出て行く。の男たちも農閑期には出稼ぎに行く。厳しい冬の中、のこされた人びとは孤立に耐える。そのように生きてきたし、また生きねばならない。

過疎-。これは単に人口の減少ではない。現代に特徴的なきわめて深刻な社会現象なのだ。過疎は「人口減少のために一定の生活水準の維持が困難になり、それとともに資源の合理的利用が困難になって、地域の生産機能が著しく低下し、さらに年齢構成の老齢化が進み、従来の生活パターンの維持が困難になった状態」と、経済審議会・地域部会の『中間報告』は定義する。しかし過疎は進行する。過疎が過疎を呼ぶ、なぜ!

 冬が過ぎ、雪が溶けると、奥能登に若者が来る。都会の若者たちだ。奥能登の人びとは忙しくなる。だが奥能登から出て行った若者たちは帰ってこない。仕方がない、と奥能登の人びとは考えるのだろうか。 
 

 この情景は、中国山地でも早くからみられた。中国新聞は、中国山地の取材を何度か行い、それを新聞紙上で報じ、また出版してきた。本書は、三回目の報告である。

 私は、奥能登への旅以降、過疎に関する本を時々読んできたが、あまり希望のない叙述が多かったが、本書は少しの希望も記されている。

 今後、全国的に大きく人口減となることは明らかだ。少子高齢化がずっと前から叫ばれていても、近視眼的な日本政府や官僚、経済界は、目の前のカネもうけしか考えてこなかった。カネもうけのための合理的な政策という視点では、少子高齢化対策は後手に回る。それよりも若者を低賃金で雇用することしか考えてこなかったし、今も同じだ。若者に安定した生活を保障することができなければ子どもは増えない。

 さて、ただでさえ人口の少ない過疎地帯では、消えていく集落もあるだろう。政府は、過疎地帯に目を向けている振りをしているが、実際の政策をみれば、東京一極集中策である。

 本書は、まず中国山地の相変わらずの現状を報告している。それが第一部の「最前線の現実」、第二部の「過疎半世紀」である。しかし現状が抱えている問題は、交通問題(第三部)、農業(第四部)、林業(第五部)があり、そして過疎を促進した「平成の大合併」(第六部)がある。

 その後に、「地域おこし協力隊」の活躍(第七部)、若者たちの過疎地域への移住(第八部)、そして第九部、第十部は中国山地の一部地域に現れている希望を記す。

 その希望のカギは一言で言ってしまえば、住民自治である。そこに住む人びとがみずからの頭で考え、行動する、それも地域の人びとと一緒になってであるが、それがあるところに希望が出てきている。「平成の大合併」は、住民自治を破壊するものでもあったが、それでも地域を愛する人びとが、自力で解決しようと動き出すと、未来はこそっと顔を見せるのである。その事例が、記されている。

 本書は、自治体の関係部署にいる人に、是非読んでもらいたいと思う。希望をつくり出しているところから何ものかを学ぶことは大切である。

 私も農業に一定の時間を割く日々を送っているが、都会では農業は無理だが、田舎では可能である。農業から学ぶことはとてもおおいと思う。田舎には、学ぶことが多いはずだ。それを見つけることができるかどうか。見つけたものが、都会から田舎へとUターン、Iターンをしている。

 

 
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安倍政権のウルトラ右翼度

2017-02-21 08:30:18 | その他
 安倍首相と関係する日本会議系の森友学園の土地購入問題、要するにほとんどタダで国有地をあげたのだ。

 『朝日新聞』記事。

http://www.asahi.com/articles/ASK2N63DNK2NPTIL02R.html?iref=comtop_8_01

 安倍政権は、こういう不法なことを平気でやるのだ。
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