彼女の『ヨーロッパコーリング』を読んでいるが、線を引きたい、書き込みをしたい、という欲望がまさり、ついにAmazonに注文。
おもにイギリスのことを書いているのだが、新自由主義に席巻されるイギリスは、日本と同様な事態にある。したがって、参考になる文が多い。
まだ読了していないが、もっとも刺激を受けたのはスコットランド国民党(SNP)という政党のことだ。そのHPをみて、こういう政党こそが日本でも求められていると確信した。いずれこのブログで、SNTについて詳しく書こうと思う。
また本書には、ふ~むとうなるような表現がある。たとえば、
地べたから見るグローバリズムとは、労働する者を舐めくさった経済である。〔58〕
本当にその通り。労働する者の人間の尊厳を一切顧慮しない経済だ。こうした経済制度が、1980年代から世界を覆うようになった。「万国の労働者、団結せよ!」ということばは、今こそその生命を輝かす時だ。
しかし、イギリス労働党も、フランスの社会党も、今では新自由主義を担う政党となり、労働者の尊厳を踏みにじるところにある。日本の社会民主党はどうなのか。社会民主党は、そうした理論的な作業には、今では手を出さない。ポスターにみられるように、惰性の中にある。地方でまじめに活動している社民党の人たちに失礼であると、私は社民党中央に強く言いたい。そういう意見を社民党にメールで送ったが、もちろん返信はない。そういう政党に、果たして未来はあるか。
イギリスには、健全な批判的精神が息づいていると感じる。アメリカでも、イギリスでも、資本主義社会では、生活が苦しくなったのは移民、日本では「ガイジン」が入ってきたからだと言う声がある。しかし外国人に八つ当たりしても、生活は一向によくならない、大企業の経済活動に制約を課すことこそが必要なのに、という意見がGuardianの声に載る。
Guardian紙は、労働党を支持している新聞だ。しかし、労働党は前述したように、新自由主義を支える政党となっている。ブレア政権を思い出せばよい。だからこそ、SNP(Scottish National Party)の主張が新鮮に見える。
今や新自由主義経済のもとで、世界中の働く者たちが虐げられている。アメリカの新聞やイギリスの動向を知るにつけ、国境をこえた働く人びとの団結や連帯が求められていることを感じる。
WORKERS of THE WORLD, UNITE!