4月11日、記念すべき第20回YMSを開催しました。
今回は、「ビジネス・パーソンのための『姿勢塾』」と題し、株式会社ロコムーブの中嶋輝彦さんと高山純一さんにお越しいただき、姿勢が心と健康に与える影響についてご講義いただきました。
まず、重力に抗して直立二足歩行を行っている人間は、老化による衰えと共に、次第に関節が曲がってきます。即ち、「老化」とは関節が曲がっていくこととも言えます。関節が曲がり、姿勢が歪んでくると、非常に重たい頭部を支えるために、様々な筋肉に無理な負担が生じ、肩こり、腰痛、眼精疲労、血管や神経を圧迫することによる障害など、様々な健康障害の原因となります。
姿勢の歪みは、身体のみならず精神にも悪影響を及ぼします。2009年7月に、日本うつ病学会において、首の筋肉が過度に緊張する頚筋症候群が原因で起こる「頚筋性うつ」と呼ばれる新型うつが報告されました。この症状は、抗うつ剤を投与しても身体の緊張が改善されなければ十分な症状改善ができないということです。
逆の見方をすれば、姿勢を正す(つまり、関節を伸ばす)ことにより、心身に好影響を与えることができるとも言えます。ところが、筋肉を発達させることを目的とした従来のトレーニングは、黙っていても曲がっていく関節をわざわざ曲げる動作が主流でした。なお、関節を伸ばすこと(伸展)は、ストレッチのような筋肉を伸ばすこと(伸張)とは異なるので、混同しないようにすることが必要です。
さて、実際に関節が伸びた「正しい姿勢」を実際にやってみました。人体の関節の中でも中心にある脊柱は最も歪みやすい関節なので、まず立ち姿勢でここを伸ばします。ポイントは胸椎と仙椎を伸ばすこと。つまり、鳩尾付近と仙骨(腰の後ろにある尻尾のような骨)を頭部に向かって引き上げるようなイメージです。
加えて、足の向き。足の向きが少し違うだけで、他の関節の可動域が違ってきます。足の外側のラインを真っ直ぐに向けます。一般に蟹股傾向の男性はやや内側に、内股傾向にある女性はやや外側に向ける感じになると思います。
次に、肩甲骨を中心とした肩甲帯と呼ばれる部位の運動。肩甲帯を内側から動かすことにより、緊張した筋肉もほぐします。やり方は、両手を頭の上で合わせ、腕を内旋させながら肘が体の後ろに来るように降ろします。この際、手首は直角に立て、胸を張り、肩甲骨同士を近づけるようにします。呼吸は降ろす時、口から抜くような感じです。上の動画を参考にしてください。
この二つの動作だけでも体が随分と楽になるのが分かります。特にパソコン業務の多いビジネス・パーソンにとって、姿勢を正すことと肩甲帯の運動はとても重要だと思います(僕も今、こうしてブログを書きながら姿勢に注意しています)。
新鮮な驚きの連続で、細かいことも含めればまだまだご紹介し足りないのですが、20回目の節目に相応しい、非常に中身の濃い、充実した1時間半となりました。恒例の放課後は、尽きることのない疑問や質問で盛り上がりました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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