
筆跡心理は、筆跡の特徴に書き手の性格や深層心理が反映されるという立場に立っています。これは仮説と検証の蓄積によって導き出されたものです。筆跡特徴から書き手の性格や深層心理を読み取ることを筆跡診断といいますが、ここでご紹介している筆跡診断の方法論は日本で開発され、主に漢字に表われる筆跡特徴を分析しています。
筆跡が書き手の性格や深層心理の反映だとするならば、同じ漢字を母国語として日常的に使用している日本以外の国の人たちにもこの筆跡診断が適用できるはずです。仮にこの方法論が彼らに全く当てはまらなかったとするならば、筆跡心理は性格や深層心理の反映というより、日本人の中で共有された慣習や文化的特性、つまり単なる国民性の反映である可能性があります。
実際のところどうなのでしょうか?そんな素朴な疑問もあって、最近台湾の方数名にお願いして、筆跡診断をさせていただきました。台湾の方にお願いしたのは、簡体字を使用する中国より、日本で使用する漢字により近い繁体字を使用する台湾や香港の方が、より筆跡特徴を取りやすいのではないか、と考えたためです。
結果はどうだったか?診断内容をご紹介することはできませんが、いただいた感想を一部ご紹介したいと思います。因みに、診断した方とお会いしたことはなく、顔も名前も年齢も分かりません。
「診断ありがとうございました。気配りとか適応力といったコメントのほとんどが私をよく表しています。興味深いことに、私の弱い面は、しばしば親しい友人から受ける見解です。簡単な葉書の記述からどうやってこんなに言い当てられるのか、全く驚きです!この素晴らしい才能をこれからも磨き続けられますよう。」
「完全に的中しています!!どうしてそんな正確に分かるのですか?」
「わーっ、超凄い!!! 他のテストで今までこんなコメントをもらったことありません、でも凄く合っています!! 筆跡診断を仕事でやっているのですか?それともゲームアプリ?」
「全般的に診断結果はかなり正確で、書かれている内容のほとんどは私の性格を反映していると思います。また、手書きの文字から読み取れるということにも非常に驚きました。診断はまた、私が好むやり方についても述べています。それらも全く当たっています。細かいことに過度に注意を払うのは興味がありませんし、数年にわたる大まかな青写真を作ることが性に合っています。人を変革すること…それが私の関心事です。」
このように、筆跡診断は日本人でなくても同様に適用できることが分かりました。即ち、文化や慣習が異なっていても筆跡特徴は共通しているのであり、このことは筆跡には書き手の性格や深層心理が反映されるという、筆跡心理の普遍性を裏付けるものであると思います。
今後もさらにサンプルを蓄積する必要がありますし、簡体字でも適用できるのかなど、興味は尽きないところです。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
