10月15日、第30回燮(やわらぎ)会に参加してきました。今回は講師に応用ドラマ・ドラマ教育研究家の佐々木英子様をお迎えし、「ビジネス交渉における即興力・協創力 養成講座~ドラマを応用した実践トレーニング」と題して、参加型の会となりました。
「ドラマを応用した即興力・協創力」というと、当ブログに度々ご登場いただいている野原秀樹先生のセミナーで、個人的にはなじみ深いものがあります。そうした中でも今回は特に「交渉」に焦点を当てる形で講座が進められました。
初めに、1対1で簡単なビジネス交渉のロールプレイを行いました。とはいうものの、極めて限られた時間であったため、皆さん手探りの段階で終わってしまったようでした。
しかし、そこにこそ今回の重要なテーマが隠されていました。交渉のロールプレイをすると、いかにミッションを達成するか、あるいはそのために相手にどう話をするかという言語的な部分に意識が集中しがちです。ところが、交渉の結果に大きな影響を与えるとされる「印象」形成にどれだけの注意を払うことができていたのか、とりわけ印象が構築される最初の数分の時間をそのために使うことが果たしてできていたのか、そこにまず気づかされました。
むしろ初期交渉の目的は「将来を見据え、関係を強化すること」(信頼関係の構築)にあると言ってもよいくらいです。9月6日に行われた「交渉学特別セミナー」でもアラン・ランプルゥ先生は交渉初期の筆頭に「人:人を第一に考える」を挙げておられました。そう、頭では分かっていたのです。肝心なのは、それが実践できていたのかということ。
続いて佐々木先生から、印象形成、交渉初期段階での信頼関係構築のために必要なスキル、特に非言語コミュニケーションの部分について解説がありました。そして中盤は実際に体を動かし、非言語コミュニケーションの体感ワークを行いました。
そして再び交渉のロールプレイへ。体を動かすことで、心身ともにウォーミングアップされたのかもしれません。二度目の交渉では、みなさん声のトーンや身振りからして明らかに変わり、場の空気までが変わっていたということです。僕自身も、第1回目の交渉時と比べ、構えていたものが随分とほぐれていたように感じました。
さて、今回は交渉アナリスト1級会員になられ、初めて参加される方も多くいらっしゃいました。燮会は、日本交渉協会が主催する交渉アナリスト1級会員のための勉強会で、定期的に開催しておりますので、交流の場としてもぜひまたご参加いただければと思います。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした