10月9日、セリーグ・クライマックスシリーズ1stステージ、第2戦の観戦に行ってきました。
今回は一塁側ベンチ上の席を確保していただいたので、選手を非常に近くで観ることができました。前日の第1戦を3vs0で落とし、後がないベイスターズ。球場には44年の歴史で最多を記録した昨日をさらに4人上回る33,037人が詰めかけ、立ち見も出る超満員。
横浜は絶対に負けられない1戦を、地元横浜出身、チーム最多となる11勝を挙げた大貫投手に託します。しかし、直近の2戦では前回5回1失点(勝敗つかず)、前々回2回1/3、4失点(敗戦投手)と結果が思わしくありませんでした。
その立ち上がり。先頭の中野選手を三振、つづく糸原選手をレフトフライに討ち取りますが、3番、対ベイスターズ.289の打率(シーズン打率.293)を残している近本選手に打たれます。センターの桑原選手が良く前進して飛びつきましたが、捕球できず。しかし、二塁を狙ったシーズン30盗塁を誇る俊足近本選手を二塁で刺し、ピンチを切り抜けます。この桑原選手の好プレーは大きかったと思います。
一方、阪神の先発はこちらも地元横浜高校出身の伊藤(将)投手。対ベイスターズ戦は2勝2敗ながら、2完投、防御率1.58。この数字が示す通り、我々見ている側からしても厄介な相手です。
横浜はこの日、1番に大田選手、2番に桑原選手という積極的な選手二人を頭に配置するという布陣。その大田選手はわずか3球でショートゴロ、桑原選手も2球で1塁ファウルフライに終わってしまいましたが、彼らの持ち味なのでこれは仕方ないかと。3番佐野選手は7球粘りましたが、最後は三振。
2回表。先頭の大山選手の強烈なライナーを一塁ソト選手がジャンプして好捕。これも阪神打線を目覚めさせない上で非常に大きなプレーだったと思います。上位に俊足好打の打者、後ろには大砲を配置した阪神打線は、結構見ていて怖いものです。ここから大貫投手が調子を上げていきます。
大貫投手はその後6回まで一人の走者も許さず、最終的には6回1/3で2安打10奪三振という圧巻の投球。二桁奪三振は大貫投手、プロ入り後初だそうです。この大一番で大したものです。
さて、一方の横浜打線も伊藤投手の前に4回までソト選手の内野安打1本に抑えられていたのですが、5回裏、ついに試合が動きます。先頭の宮崎選手が三遊間を抜く待望のヒットで出塁。
そして続くソト選手が、右翼手を抜く二塁打。ソト選手は塁上でガッツポーズを見せ、チームを鼓舞します。今回、一塁側ベンチ上の席にいたのですが、ベイスターズの一体感、士気の高さがよく感じられました。
ようやく伊藤投手を捉えた無死三塁・二塁のチャンス。ここで得点圏打率.290という数字以上に頼れる印象のある大和選手に打席が回ってきます。ただし、ここまで3打数無安打。その大和選手、フルカウントまで粘っての6球目でした。低めのストレートをセンター前へ弾き返し、宮崎選手が生還。ほぼベイスターズファンで埋め尽くされた球場の期待を一身に背負った中で、大仕事をしてくれました。
ただ、二塁から本塁を狙ったソト選手は、中堅手近本選手の好返球でタッチアウト。本塁を空けなければならないコリジョン・ルールに抵触するのではないかということでリプレイ検証となりましたが、判定は覆らず(上の写真の通り、きちんと空いています)。無死だったことを考えると、無理しなくてもよかったのかなとは思います。いずれにせよ、これで均衡が破れ、0vs1。
7回表。阪神は先頭の中野選手が、初回の近本選手以来となる2安打目を放ち、出塁。すかさず盗塁を決め、無死二塁のチャンスを作ります。さらに糸原選手の犠打で、三塁に。犠飛でも同点に追いつける場面で3番以降の中軸に打順が回ります。
終盤で追いつかれれば、阪神の強力な中継ぎ投手陣が待っています。この絶体絶命の場面で火消しができる男と言えば、9月22日の対巨人戦で無死満塁の場面で登板、無失点に抑えた伊勢投手をおいて他にありません。また、好投を続けていた大貫投手も97球、シーズン中も6回、7回あたりで急変する印象もあるので、まさにこれしかないという判断だったでしょう。
その伊勢投手、近本選手を三塁ファウルフライ、大山選手をセンターフライに討ち取り、見事にピンチを切り抜けます。そして回跨ぎとなった8回表には、原口選手、佐藤(輝)選手、ロハス・ジュニア選手という居並ぶ強打者を三者連続三振に切って取るという圧巻の投球。息詰まる投手戦にあって、試合の流れをついに横浜側に引き寄せました。
そして9回、球場全体が一つとなって抑えの山崎投手を送り出します。
近くだったので、山崎投手の気合の雄叫びがよく聞こえてきました。阪神も下位打線のため代打攻勢をかけてきましたが、マルテ選手三塁ゴロ、島田選手三振、そして中野選手も二塁ゴロに討ち取り、ゲームセット。
第1戦、第2戦とも、王者への挑戦権を賭けた戦いにふさわしい内容でした。そして勝敗の行方は、いよいよこれから3時間後に行われる第3戦へと持ち越されます。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした