1月8日、2025年最初の第172回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。
今年から新たに、昨年5月にオープンしたコミュニティラウンジ「Benten103」さんにお世話になることになりました。
会場には、当社のリサイクル手袋「よみがえり」シリーズが展示(販売)されていました。結構、買っていってくださるそうです。
さて、新年最初の講師は、羽田にある株式会社鈴木石材店社長、鈴木宏和様。創業明治18年、今年でちょうど創業140周年を迎えられる老舗です。講義は、鈴木さんとYMSの竹田理事との対話形式で進みました。
Q.石材店のお仕事について教えてください。
墓石系と建築系とがある。墓石業者が建築資材も扱うケースはあるが、逆は稀。基本的に業界が異なる。鈴木石材店は墓石9割 建築1割。
地域性の強い業種で、営業に関しては、葬儀社、互助会、霊園との繋がりはさほど強くない。お寺については、繋がりの度合いはお寺による。霊園は公営霊園と民間霊園とがあり、公営霊園はどの石材屋でも入れるが、民間霊園は営業権を持っている石材屋しか仕事ができない。
人材不足が課題。40年ほど前は技術継承に時間がかかることが問題だったか、現在は職人も事務員もそもそも確保することが難しい。後継者問題もある。
Q.最近のお墓事情ですが、お寺と霊園どちらが良いのですか?
世話をしないで済むという点では、霊園が良い。お布施が明朗会計、(少なくとも首都圏では)永代使用料も霊園の方が安い。お寺の場合、同じ地域、宗派でもバラツキがある。また、同じ寺でも代が変わると言うことが変わることがある。檀家の知り合いがいるなら、聞いてみると良い。
Q. 建墓。墓石について教えてください。
お墓を建てるのに慣れている人はいないので、なるべく数回会って話を聴くようにしている。特に、鈴木石材店は受注生産なので納期がかかる。墓石には、伝統的な和型、洋型、霊園の場合はデザイン型もある。
近年、中国の石が大量に入ってきている(原石を中国で加工しているケースも)。石材は国産、海外産を含めると300種以上ある。中国産の墓石は、特にデザイン墓の加工賃は、国産の割増料金分だけで全部賄えるほど価格差がある。最高級の庵治石(あじいし)※も近年中国への流出が見られる。
※香川県高松市庵治町、牟礼町で産出する花崗岩。硬く、加工が難しい。
デザイン型の墓石というのは、例えば多宝塔、五輪塔など。鈴木石材店は、「回転墓誌」という戒名を沢山彫ることのできる墓誌を作成、特許を取得した。その他、キャラクター、お稲荷様、不動明王像などがある。
※キャラクターというのは、浦和駅に建っている「うなこちゃん」みたいなものでしょうか?(窪田談)
Q.お墓をリフォームするというのはどういうことですか?
古いお墓などは、風化する石を使っていることがある。先々墓を守る子孫の目途が立っているのであれば、風化しない御影石などに切り替えれば、建て替える必要がなくなる。
Q.近年注目の「墓じまい」について教えてください。
確かにここ数年、問い合わせは増えている。終活がマスコミに取り上げられるようになり、そこから解釈が広がった。お寺によっては名義人以外、お墓に入れないことがあるので注意。ただ、近年は後継ぎがいなくても孫が継承できることもあるし、かなり遠い親戚でも継承できる場合もある。お寺次第なので、確認してみてほしい。
お墓のことは正直僕は考えたことがなかったのですが、かくいう僕もお墓を守る人がいないんですよね…。平成13年に福岡から転宗して祖父母の墓をこちらに持ってきましたが、僕が最後。他人事ではありません。
お墓のお話の後は、生命力みなぎる料理と懇親会。黄泉がえりました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
過去のセミナーレポートはこちら。
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