本物?モーツァルトの肖像画

モーツァルトファン(あくまでも自認…。)としては見逃せないニュースが飛び込んできました。

「モーツァルト最後の肖像画?見つかる=27日から一般公開-独」(時事通信/yahoo)
【ベルリン6日時事】ドイツの首都ベルリンにある美術館「ゲメルデギャラリー」は6日、所蔵する肖像画が作曲家モーツァルト(1756~1791年)の最後の肖像とみられることが分かり、生誕249年に当たる今月27日から一般公開すると発表した。
リンデマン館長によると、公開されるのは縦80センチ、横62.5センチの油絵。モーツァルトが死去した前年の1790年ごろ、ミュンヘンの宮廷画家ヨハン・ゲオルク・エトリンガー(1741~1819年)によって描かれた。


そして、その肖像画がこれです。


これは少々、にわかには信じがたい作品です。他の真性とされる肖像画に、似ていると言われればそう思うかもしれませんが、やっぱり違うのではないか思ってしまいます。強いて言えばぎょろっとした感じの目と、よく喋りそうな口元がモーツァルトらしいということなのでしょうか。ちなみにこれは、死去の前年、つまりモーツァルト34歳の時の肖像だそうですが、それにしてはちょっと老け過ぎているような気もします。もちろん、衰えていたのかもしれませんが…。(ちなみに、モーツァルトの肖像画はどれも似ていないとする意見もあります。)

1790年のモーツァルトと言えば、レオポルト2世の戴冠式にかこつけた求職旅行も失敗し、相変わらずの借金生活をしていた頃です。そんな頃に描かせたという肖像画ですから、どうなのでしょう、何か特別な目的でもあったのでしょうか。

記事は、美術館所蔵の肖像画がモーツァルト最後のそれと判明した、とだけ書かれていて、確証についての細かい説明がありません。モーツァルトの肖像画については、既に偽物とされたものが多く存在します。今後、この肖像画も、その真偽を巡って様々な議論を巻き起こしそうです。

ところで私が好きなモーツァルトの肖像は、小林秀雄の「モオツァルト」で有名なランゲ作の未完の作品です。ちょっと下を向いて、何かを想うような表情が好きです。

これを書いていると、久しぶりにモーツァルトが聴きたくなってきました。この肖像画が描かれたと言う、1790年初演の「コジ・ファン・トゥッテ」を楽しみましょう!
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