都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
東京都写真美術館 1/15 その1 「日本の新進作家vol.3 新花論」
東京都写真美術館(目黒区三田)
「日本の新進作家vol.3 新花論」
2004/12/25~2005/2/6
今日は、東京都写真美術館で開催中の展覧会をまとめて三つほど観てきました。ちなみに三つとは、「新花論」、「明日を夢見て」、「クレア・ランガン展」です。では早速、観た順番と言うことで、まず「新花論」から拙い感想を書いていきたいと思います。
「新花論」は、花をテーマとした四名のアーティストによる展覧会です。しかし当然ながら、いくら写真美術館と言えども、決して単なる「花の写真展」にはなりません。光のあてられた鏡を回転させ、暗い部屋にたくさんの植物の形を写し出す作品や、大きな箱の中に機械仕掛けの花を並べ、それが中の光とともにじわーっと浮き出てくるような、実験的とも言えるような作品も展示されています。もちろん、いわゆる「写真」のカテゴリーに収まるような作品もあり、非常に幅広い表現を見せてくれた展覧会だったかと思います。
私が一番面白いと思った作品は、赤崎みまのシリーズ写真です。枯れた花や葉、またはほおずきなどを、ほのかに発光させてフレームに写し出します。その独特の光を見ていると、死んでしまった枯れ葉などが、再び息を吹き返して、新たな生命として生まれてきたような印象を受けます。また、作品の色や被写体そのものも美しく、部屋に一つ置いて毎日眺めていたいような写真でした。
鬼頭健吾の写真のシリーズにも一つ気になる作品があります。それは、とても暗い空間にたくさんのマーガレットが浮かんでいる作品です。何気ない構図かもしれませんが、花をあのようにして無数に切り取った時の不気味さは何とも言えません。あの花は死んでしまったのだろうか。普段、漠然と花は美しいものとして見てしまいがちですが、この写真からは、花の死んだ姿を強く意識させられました。「花にも死がある。」当たり前のことですが、それを否応無しに考えさせる作品です。
作品数が少ないので落ち着いて見ることが出来ます。全体のまとまりはあまり感じられませんでしたが、テーマの「花」を少し意識しながら見ると、それぞれに発見がありそうな展覧会でした。(個人的には、実験的な作品は、あまりその良さが感じられませんでした…。)
*赤崎みまの作品がいくつか載っているサイトを見つけました。
JDN/ギャラリー/ウェブスカイドア現代篇/赤崎みま
「日本の新進作家vol.3 新花論」
2004/12/25~2005/2/6
今日は、東京都写真美術館で開催中の展覧会をまとめて三つほど観てきました。ちなみに三つとは、「新花論」、「明日を夢見て」、「クレア・ランガン展」です。では早速、観た順番と言うことで、まず「新花論」から拙い感想を書いていきたいと思います。
「新花論」は、花をテーマとした四名のアーティストによる展覧会です。しかし当然ながら、いくら写真美術館と言えども、決して単なる「花の写真展」にはなりません。光のあてられた鏡を回転させ、暗い部屋にたくさんの植物の形を写し出す作品や、大きな箱の中に機械仕掛けの花を並べ、それが中の光とともにじわーっと浮き出てくるような、実験的とも言えるような作品も展示されています。もちろん、いわゆる「写真」のカテゴリーに収まるような作品もあり、非常に幅広い表現を見せてくれた展覧会だったかと思います。
私が一番面白いと思った作品は、赤崎みまのシリーズ写真です。枯れた花や葉、またはほおずきなどを、ほのかに発光させてフレームに写し出します。その独特の光を見ていると、死んでしまった枯れ葉などが、再び息を吹き返して、新たな生命として生まれてきたような印象を受けます。また、作品の色や被写体そのものも美しく、部屋に一つ置いて毎日眺めていたいような写真でした。
鬼頭健吾の写真のシリーズにも一つ気になる作品があります。それは、とても暗い空間にたくさんのマーガレットが浮かんでいる作品です。何気ない構図かもしれませんが、花をあのようにして無数に切り取った時の不気味さは何とも言えません。あの花は死んでしまったのだろうか。普段、漠然と花は美しいものとして見てしまいがちですが、この写真からは、花の死んだ姿を強く意識させられました。「花にも死がある。」当たり前のことですが、それを否応無しに考えさせる作品です。
作品数が少ないので落ち着いて見ることが出来ます。全体のまとまりはあまり感じられませんでしたが、テーマの「花」を少し意識しながら見ると、それぞれに発見がありそうな展覧会でした。(個人的には、実験的な作品は、あまりその良さが感じられませんでした…。)
*赤崎みまの作品がいくつか載っているサイトを見つけました。
JDN/ギャラリー/ウェブスカイドア現代篇/赤崎みま
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