都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
東京ステーションギャラリー 「国芳 暁斎 なんでもこいッ展だィ!」 1/23
東京ステーションギャラリー(千代田区丸の内)
「国芳 暁斎 なんでもこいッ展だィ!」
2004/12/11~2005/1/23(会期終了)
全く予定していなかった展覧会でしたが、vagabondさんの絶賛のエントリーを読んでどうしても観たくなりました。と言うわけで、急遽、東京ステーションギャラリーへ。会期終了日の駆け込みです。
私はこの時代の芸術的背景どころか、日本画そのものの知識がありません。しかし、この展覧会はそんなものが一切なくても十分に楽しめます。ともかく、どの作品も抜群に見応えがあるのです。展覧会のテーマでもある国芳と暁斎の違いや関係性にも全く考慮しないで、ただひたすらに作品だけを味わってきました。
惹かれた作品はたくさんありました。例えば、国芳の「鬼若丸と大緋鯉」ですが、その鯉の造形からして異様な雰囲気です。鯉が水の流れを切るようにして進む姿からして凄い迫力がありますが、鯉と水が一体化するようにして、ぐ~っと鬼若丸を囲んでいく様は、恐ろしいまでにダイナミックです。鯉は、全てのものを見通しているのだと言わんばかりに目を力強く見開いて、何とか踏ん張る鬼若丸と対峙します。こんなに意思と生命力が感じられる鯉はどこにいるのでしょう。あまりにも大胆でした。
そんな力強い作品と対照的な面白さがあったのは、暁斎の「横たわる美人と猫」です。一人の女性が青い着物を着て、肘をつきながら横たわっています。そしてちょっと顔を傾けてじっと見つめる先には、きょとんとすました猫が一匹…。ただそれだけで、本当に何気ない構図です。しかし、その女性の所作と猫の表情が実に魅力的なのです。それに作品を支配する涼しげな空気も本当に素晴らしい。こんな作品が和室にあったら、きっとその部屋の雰囲気を一変させることでしょう。また、このような涼しげな美しさは、同じく暁斎の「枯木寒鴉図」からも感じました。眺めれば眺めるだけ味わいが増す鴉…。これまた魅力たっぷりの作品でした。
「何でこんなに良いものを、今まで観て来なかったのだろう…。」と自問してしまうぐらい良い展覧会でした。会期終了日でなければ、もう一度観に行ったかもしれません。国芳と暁斎。ともかく楽しませていただきました!
「国芳 暁斎 なんでもこいッ展だィ!」
2004/12/11~2005/1/23(会期終了)
全く予定していなかった展覧会でしたが、vagabondさんの絶賛のエントリーを読んでどうしても観たくなりました。と言うわけで、急遽、東京ステーションギャラリーへ。会期終了日の駆け込みです。
私はこの時代の芸術的背景どころか、日本画そのものの知識がありません。しかし、この展覧会はそんなものが一切なくても十分に楽しめます。ともかく、どの作品も抜群に見応えがあるのです。展覧会のテーマでもある国芳と暁斎の違いや関係性にも全く考慮しないで、ただひたすらに作品だけを味わってきました。
惹かれた作品はたくさんありました。例えば、国芳の「鬼若丸と大緋鯉」ですが、その鯉の造形からして異様な雰囲気です。鯉が水の流れを切るようにして進む姿からして凄い迫力がありますが、鯉と水が一体化するようにして、ぐ~っと鬼若丸を囲んでいく様は、恐ろしいまでにダイナミックです。鯉は、全てのものを見通しているのだと言わんばかりに目を力強く見開いて、何とか踏ん張る鬼若丸と対峙します。こんなに意思と生命力が感じられる鯉はどこにいるのでしょう。あまりにも大胆でした。
そんな力強い作品と対照的な面白さがあったのは、暁斎の「横たわる美人と猫」です。一人の女性が青い着物を着て、肘をつきながら横たわっています。そしてちょっと顔を傾けてじっと見つめる先には、きょとんとすました猫が一匹…。ただそれだけで、本当に何気ない構図です。しかし、その女性の所作と猫の表情が実に魅力的なのです。それに作品を支配する涼しげな空気も本当に素晴らしい。こんな作品が和室にあったら、きっとその部屋の雰囲気を一変させることでしょう。また、このような涼しげな美しさは、同じく暁斎の「枯木寒鴉図」からも感じました。眺めれば眺めるだけ味わいが増す鴉…。これまた魅力たっぷりの作品でした。
「何でこんなに良いものを、今まで観て来なかったのだろう…。」と自問してしまうぐらい良い展覧会でした。会期終了日でなければ、もう一度観に行ったかもしれません。国芳と暁斎。ともかく楽しませていただきました!
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