都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ロダンとカリエール 特別鑑賞会 講演会」 国立西洋美術館 4/4
国立西洋美術館
「ロダンとカリエール 特別鑑賞会 講演会」
4/4 18:00~
先日「弐代目・青い日記帳」のTakさんのご好意によって参加させていただいた、毎日新聞社主催の特別鑑賞会で行われた講演会です。講師は美術館主任研究員の大屋美那氏。約30分ほどの時間で、展覧会の主旨や、二人の芸術家の類似点ついて簡単に触れていく内容でした。
「ロダンとカリエール展 特別鑑賞会 講演会」
国立西洋美術館講堂
講師 大屋美那(美術館主任研究員)
ロダンとカリエール展について
・ロダン(彫刻の巨匠・大家)とカリエール(知名度に欠ける画家)
→ともに外光を発見した印象派のグループに属するが、もっと人の内面的な要素に関心があった。
=象徴主義
↓
二人の親交。そこから二人の芸術性を結びつけていく
カリエールの意外性に注目し、また既存のロダン像(「カレーの市民」や「考える人」のイメージ)に楔を打ち込む。
二人の類似点(形の上だけではない、思想上の)を示していく。
ロダンとカリエールの関係とは -第一章と第二章において-
第一章「ロダン像とカリエール像」
・ロダンとカリエールの人物を紹介する。
カリエールの描いたロダンと、ロダンの制作したカリエールのデスマスクを並べて展示。
・二人の出会いは1880年頃
ロダン=職人
カリエール=ワインラベルなどを手がけるリトグラフの制作者。
→パリ・セーブルの陶磁器製作所にて知り合う。
・家族的な親交
作品を交換し合う。特にロダンは最後までカリエールの作品を手放さなかった。
第二章「ロダンとカリエールの直接の交流」
・アトリエを再現した会場
展示作品はともに二人のアトリエから出て来たもの。
互いにどう影響し合ったのかを考えていく。
・1900年のロダン展
パリ万博に合わせて開催された。
生前では最大の回顧展。(「地獄の門」が公開。)
展覧会のポスターはカリエールが制作。
(ポスターの一部)
・カリエールの母子像とロダンのイース(トルソ)
母性愛(カリエール)と濃密な性愛表現(ロダン)の対比
ロダンには絡み合うような男女愛を象った作品が多い。
一方のカリエールはヌード作品が多いもの、母性愛を表現したものが多い。
・二人に共通のモチーフ
芸術家にインスピレーションを与えるミューズ
芸術家に舞い降りるミューズ
画家とモデル
モデルに触れる画家(モデルの存在を手で確認。彫刻を制作するかのよう。)
内なる生命を見出す=形に魂を与える=象徴主義的
以上です。
この後は三章以降の展示についてもお話になる予定だったのかと思いますが、おそらく時間切れでしょうか、ちょっと中途半端な所でまとまってしまいました。今回の講演の核心は、やはり二人の類似点、特に最後で触れた「芸術家とミューズ」または「画家とモデル」のモチーフの行です。そこからロダンとカリエールの「思想上」の類似点も考えて欲しい。そんな企画者側のメッセージを感じる内容でした。
さて初めにも触れましたが、この日は毎日新聞社の特別鑑賞会ということで、西洋美術館の「ロダンとカリエール展」を、閉館後ののんびりとした雰囲気の中でたっぷりと堪能させていただきました。あともう一度だけ出向く予定なので、この日の講演会を踏まえた上での展覧会の感想を、拙いですがまた後日にアップしたいと思います。
*関連エントリ
「ロダンとカリエール」展感想 3/19
「ロダン、カリエールと同時代の文化、社会」(講演会) 4/15
「ロダンとカリエール 特別鑑賞会 講演会」
4/4 18:00~
先日「弐代目・青い日記帳」のTakさんのご好意によって参加させていただいた、毎日新聞社主催の特別鑑賞会で行われた講演会です。講師は美術館主任研究員の大屋美那氏。約30分ほどの時間で、展覧会の主旨や、二人の芸術家の類似点ついて簡単に触れていく内容でした。
「ロダンとカリエール展 特別鑑賞会 講演会」
国立西洋美術館講堂
講師 大屋美那(美術館主任研究員)
ロダンとカリエール展について
・ロダン(彫刻の巨匠・大家)とカリエール(知名度に欠ける画家)
→ともに外光を発見した印象派のグループに属するが、もっと人の内面的な要素に関心があった。
=象徴主義
↓
二人の親交。そこから二人の芸術性を結びつけていく
カリエールの意外性に注目し、また既存のロダン像(「カレーの市民」や「考える人」のイメージ)に楔を打ち込む。
二人の類似点(形の上だけではない、思想上の)を示していく。
ロダンとカリエールの関係とは -第一章と第二章において-
第一章「ロダン像とカリエール像」
・ロダンとカリエールの人物を紹介する。
カリエールの描いたロダンと、ロダンの制作したカリエールのデスマスクを並べて展示。
・二人の出会いは1880年頃
ロダン=職人
カリエール=ワインラベルなどを手がけるリトグラフの制作者。
→パリ・セーブルの陶磁器製作所にて知り合う。
・家族的な親交
作品を交換し合う。特にロダンは最後までカリエールの作品を手放さなかった。
第二章「ロダンとカリエールの直接の交流」
・アトリエを再現した会場
展示作品はともに二人のアトリエから出て来たもの。
互いにどう影響し合ったのかを考えていく。
・1900年のロダン展
パリ万博に合わせて開催された。
生前では最大の回顧展。(「地獄の門」が公開。)
展覧会のポスターはカリエールが制作。
(ポスターの一部)
・カリエールの母子像とロダンのイース(トルソ)
母性愛(カリエール)と濃密な性愛表現(ロダン)の対比
ロダンには絡み合うような男女愛を象った作品が多い。
一方のカリエールはヌード作品が多いもの、母性愛を表現したものが多い。
・二人に共通のモチーフ
芸術家にインスピレーションを与えるミューズ
芸術家に舞い降りるミューズ
画家とモデル
モデルに触れる画家(モデルの存在を手で確認。彫刻を制作するかのよう。)
内なる生命を見出す=形に魂を与える=象徴主義的
以上です。
この後は三章以降の展示についてもお話になる予定だったのかと思いますが、おそらく時間切れでしょうか、ちょっと中途半端な所でまとまってしまいました。今回の講演の核心は、やはり二人の類似点、特に最後で触れた「芸術家とミューズ」または「画家とモデル」のモチーフの行です。そこからロダンとカリエールの「思想上」の類似点も考えて欲しい。そんな企画者側のメッセージを感じる内容でした。
さて初めにも触れましたが、この日は毎日新聞社の特別鑑賞会ということで、西洋美術館の「ロダンとカリエール展」を、閉館後ののんびりとした雰囲気の中でたっぷりと堪能させていただきました。あともう一度だけ出向く予定なので、この日の講演会を踏まえた上での展覧会の感想を、拙いですがまた後日にアップしたいと思います。
*関連エントリ
「ロダンとカリエール」展感想 3/19
「ロダン、カリエールと同時代の文化、社会」(講演会) 4/15
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