「山本挙志 『いってかえる』他」 トーキョーワンダーサイト 4/23

トーキョーワンダーサイト(文京区本郷2-4-16)
「Emerging Artist Support Program 2006 vol.1」
4/1-23(会期終了)

昨年度も何回か足を運んだワンダーサイトの「Emerging Artist Support Program」シリーズ。(ワンダーウォールの入選者から選ばれたアーティストによるグループ展です。)この4月から、また年度を改めた形となってスタートしました。今回の出品者は、中矢篤志、山本挙志、下出和美の計三名です。



一番印象に残ったのは、山本挙志による素朴な味わいの絵画作品でした。セピア色に統一された絵画。決して大きくはありません。描かれているのは、どこかの洞窟や飛行場、さらには鉄道などでしょうか。どれも人気がなく、まさに廃墟のようにひっそりと佇んでいます。そしてそれらはどれも点描画のような味わいを見せています。ボツボツとした点と線。所々破断していました。そこに薄く、また柔らかく塗られた絵具。それがじわりと広がっていき、画面に奥行き感を与えています。どこかノスタルジア的な印象も受ける作品でした。(いつか探検した洞窟のような…。)



山本とは対照的ではありますが、中矢篤志のややアニメーション的な絵画も記憶に残りました。うさぎや少女らのモチーフが、一見可愛らしく描かれながらも、実はそれらはどこか性器や肉片を連想させたりして、ややグロテスクな画面にも見えてくる。大小様々で、さらには形も異なったキャンバスに描かれた奇妙な物語。展示室の全てをその世界観で統一するかのような、コンセプトのハッキリした展示は見事です。

次回のこのグループ展は7月に行われるとのことです。今年度は欠かさずチェックしていこうかと思います。
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