「ウルトラ植物博覧会」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち」
7/3-8/16



ポーラミュージアムアネックスで開催中の「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち」を見てきました。

まさしく奇想天外、一瞬フェイクかと見間違えるほどに不思議な植物が銀座のスペースを妖しく彩っています。

世界各地、幻の植物を追い求めて旅しているのが西畠清順氏。プラントハンターと呼ばれているそうです。江戸時代から続く花と植木の卸問屋「花宇」の5代目でもあります。

その彼がまさしく世界中から採取してきた稀少植物がずらり。中には学名が定まっていないものまでありました。



また大きさも草のような小さなものから、天井近くまで枝をのばす樹木までと幅広い。全部で約50種類です。まるで鬱蒼としたジャングルに迷い込んだかのようでした。



ピンク色がかった赤い花に目を奪われました。和名で「砂漠のバラ」。科名では「チョウチクトウ」と呼ばれています。イエメンやサウジアラビアの砂漠に分布します。種はタンポポのような羽をもって飛ぶそうです。透明感のある花弁と言ったら美しいもの。砂漠の中で生きているとは思えないほど可憐に咲いています。



魚の鱗のような木肌が特徴的です。科名で「リュウゼツラン」、メキシコからアメリカに分布しています。同じユッカ属で保護対象であるジョシュアツリーに対して、このリュウゼツランはメキシコ政府が積極的に輸出を奨励しているとか。水やりは入りません。庭木の素材として人気があるそうです。



何ともグロテスクな実を付けていました。和名で「仏手柑」。つまりミカンです。原産はインド。中国では不老不死の沈果として珍重されています。まるで人の手のような実、観賞用として用いられるそうですが、食べることも出来ます。やはりミカンだけに甘酸っぱいのでしょうか。口にするのもやや憚れるような形です。驚きました。



またこうした大きな植物だけでなく、小さな草や実にも興味深いものがいくつもあります。その最たる例がこの実です。手のひらよりもずっと小さい。和名も強烈です。何と「ライオン殺し」。南アフリカに分布します。実に恐ろしい名前ですが、ライオンが実を踏んだ足から口で引き抜こうとすると、逆に深く口に突き刺さってくることに由来するそうです。しかもその後、発芽し、ライオンの肉を肥料として成長します。凄まじい破壊力です。その姿から想像もつきません。



ともかくこのように見たことも、名前も知らない稀少植物が目白押しです。また一点一点の植物について西畠氏がコメントを付けた解説の小冊子も面白いもの。「落ちたら死ぬ」やら「タイの変態植物育苗家」、また「酔っ払いの木」などの個性溢れるネーミングも注目に値します。



2012年からはそらの植物園という「ひとの心に植物を植える活動」(チラシより)をされているそうです。冊子に寄せた「開催にあたって伝えたい、大事なこと。」というメッセージからは、氏の植物に対する強い情熱を汲み取ることも出来ました。



人気の展示です。場内、多くの人で賑わっていました。撮影も可能です。



8月16日まで開催されています。

「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:7月3日(金)~8月16日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00 *入場は閉館の30分前まで
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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