都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「レアンドロ・エルリッヒ - Cosmic & Domestic」 アートフロントギャラリー
アートフロントギャラリー
「レアンドロ・エルリッヒ - Cosmic & Domestic」
1/19〜2/25
アルゼンチン出身の現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの個展が、代官山のアートフロントギャラリーにて開催されています。
まず並ぶのは、6台の乾燥機でした。これが新作の「Laundry」で、実際のコインランドリーでも見かけるように、各々の乾燥機で洗濯物が回転していました。ぐるぐるとひたすらに回る洗濯物の姿は、至って日常的な光景ではないでしょうか。それこそしばらく前、天気の悪い日が続き、重い洗濯物を担いでランドリーへ行くと、乾燥機が全て塞がっていて、ただ待つしかなかったことを思い出しました。
もちろん、ギャラリーの中にコインランドリーが出現したわけではありません。結論からすると、洗濯物自体も存在せず、全ては映像で、乾燥機の窓を模したモニターに、回転する洗濯物を映し出していました。
もう1点は、やや大型のインスタレーションでした。「Elevator Maze」と名付けられた作品で、部屋の中に3機のエレベーターが並んでいました。いずれも扉は開け放たれていて、中に入ることも出来ました。
木目を基調とした内装には落ち着きもあり、階数のボタンは青色に点灯していました。とはいえ、ここはギャラリーで、実際に動くはずもありません。あくまでもエレベーターを模した空間に過ぎません。
ただしそれで終わりではありませんでした。すぐに何とも言い難い違和感に襲われました。ドアの反対側にあるはずの姿見、つまり鏡に、自分の姿が映り込みません。一体、どうしたことなのでしょうか。
至ってシンプルな仕掛けでした。一部の面の鏡を取っ払い、中を空洞にした上、もう一つのかごが隣り合わせに設置しています。つまり手前に3つ、向こう側に3つ、計6つのエレベーターのカゴを作ったわけでした。自分の姿が写る箇所と映らない箇所があり、しばらく中にいると、さも迷路へ放り込まれたかのような錯覚にとらわれるかもしれません。
それにしてもエルリッヒは近年、日本での積極的な活動が目立ちます。最近ではスパイラルの「窓学」展で新作を出展した上、現在は森美術館でも大規模な個展を行なっています。さらに今年の「越後妻有 大地の芸術祭」にも参加するそうです。どのような新作を見せるのでしょうか。
広いスペースではありませんが、森美術館の展示を補完する内容と言えるかもしれません。一見、大掛かりに見えながら、簡素な仕掛けで、視覚的体験を揺さぶる、エルリッヒの創作世界を体感出来ました。
2月25日まで開催されています。
「レアンドロ・エルリッヒ - Cosmic & Domestic」 アートフロントギャラリー(@art_front)
会期:1月19日(金)〜2月25日(日)
休廊:月曜日
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:渋谷区猿楽町29-18ヒルサイドテラスA棟
交通:東急東横線代官山駅より徒歩5分。
「レアンドロ・エルリッヒ - Cosmic & Domestic」
1/19〜2/25
アルゼンチン出身の現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの個展が、代官山のアートフロントギャラリーにて開催されています。
まず並ぶのは、6台の乾燥機でした。これが新作の「Laundry」で、実際のコインランドリーでも見かけるように、各々の乾燥機で洗濯物が回転していました。ぐるぐるとひたすらに回る洗濯物の姿は、至って日常的な光景ではないでしょうか。それこそしばらく前、天気の悪い日が続き、重い洗濯物を担いでランドリーへ行くと、乾燥機が全て塞がっていて、ただ待つしかなかったことを思い出しました。
もちろん、ギャラリーの中にコインランドリーが出現したわけではありません。結論からすると、洗濯物自体も存在せず、全ては映像で、乾燥機の窓を模したモニターに、回転する洗濯物を映し出していました。
もう1点は、やや大型のインスタレーションでした。「Elevator Maze」と名付けられた作品で、部屋の中に3機のエレベーターが並んでいました。いずれも扉は開け放たれていて、中に入ることも出来ました。
木目を基調とした内装には落ち着きもあり、階数のボタンは青色に点灯していました。とはいえ、ここはギャラリーで、実際に動くはずもありません。あくまでもエレベーターを模した空間に過ぎません。
ただしそれで終わりではありませんでした。すぐに何とも言い難い違和感に襲われました。ドアの反対側にあるはずの姿見、つまり鏡に、自分の姿が映り込みません。一体、どうしたことなのでしょうか。
至ってシンプルな仕掛けでした。一部の面の鏡を取っ払い、中を空洞にした上、もう一つのかごが隣り合わせに設置しています。つまり手前に3つ、向こう側に3つ、計6つのエレベーターのカゴを作ったわけでした。自分の姿が写る箇所と映らない箇所があり、しばらく中にいると、さも迷路へ放り込まれたかのような錯覚にとらわれるかもしれません。
それにしてもエルリッヒは近年、日本での積極的な活動が目立ちます。最近ではスパイラルの「窓学」展で新作を出展した上、現在は森美術館でも大規模な個展を行なっています。さらに今年の「越後妻有 大地の芸術祭」にも参加するそうです。どのような新作を見せるのでしょうか。
広いスペースではありませんが、森美術館の展示を補完する内容と言えるかもしれません。一見、大掛かりに見えながら、簡素な仕掛けで、視覚的体験を揺さぶる、エルリッヒの創作世界を体感出来ました。
Leandro Erlich solo show is being held right now. This picture is Leandro in his "Elevator Maze".Leandro Erlich : Cosmic & Domestic2018. Jun. 19(Fri) - Feb. 25 (Sun)https://t.co/0RVrSWM5of#artfrontgallery #artfront #leandroerlich pic.twitter.com/8b32TZmuCO
— アートフロントギャラリー (@art_front) 2018年2月2日
2月25日まで開催されています。
「レアンドロ・エルリッヒ - Cosmic & Domestic」 アートフロントギャラリー(@art_front)
会期:1月19日(金)〜2月25日(日)
休廊:月曜日
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:渋谷区猿楽町29-18ヒルサイドテラスA棟
交通:東急東横線代官山駅より徒歩5分。
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