「ヘスス・ラファエル・ソト PENETRABLE BBL BLEU」 エスパス ルイ・ヴィトン東京

エスパス ルイ・ヴィトン東京
「ヘスス・ラファエル・ソト PENETRABLE BBL BLEU」
2018/12/7〜2019/5/12



エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の「ヘスス・ラファエル・ソト PENETRABLE BBL BLEU」を見てきました。

1923年にベネズエラのシウダ・ボリバルで生まれたヘスス・ラファエル・ソト(1923〜2005)は、戦後フランスへ渡り、アバンギャルドモダニズムに傾倒しては、抽象芸術の一員として活動しました。



一面の青い立方体が姿を現しました。その名は「PENETRABLE BBL BLEU」で、天井の金属フレームより、青色のポリ塩化ビニルの管を吊り下げた作品でした。実にシンプルでかつ幾何学的でありながらも、どこか優美でもあり、まるで緩やかに落ちる水の流れのようにも見えなくはありません。



1960年代よりキネティック・アートを手がけたソトは、「PENETRABLE」、つまり「浸透可能なるもの」と呼ばれる作品において、没入型のインスタレーションとして制作しました。実際に会場でも、青い管へ自由に立ち入ることが出来ました。



中へ進むと、左右より管が身体にまとわり付く、言い換えれば浸食してくるかのようで、ひたすらに掻き分けては、前へ進むしか出来ませんでした。ともかくまばゆいばかりの青に包まれた空間は、思いがけないほどに美しく、浮遊感があり、何やら空にでも投げ出されたかのような錯覚に陥るかのようでした。



ほかの鑑賞者が立ち入っては変化する景色も見どころで、しばし出入りを繰り返しては、この青いミニマムなインスタレーションの生み出す視覚的効果に見入りました。



ソトは1967年、初めて吊り下げ型のインスタレーションを発表し、以降、「PENETRABLE」として展開させました。それはナイロンやアクリル樹脂、鋼や工業的塗料などを素材とし、直線的で動的な構造の作品で、キャリアを終える2000年まで進化させ続けました。なお今回展示された作品は、1999年にブリュッセルの銀行で開催された、ソトの回顧展のために制作されたものでした。



昼間の晴天時に出かけたためか、殊更に青が映えていましたが、日没後の暗くなった空間で見ると、また印象が変わるかもしれません。時間を変えて鑑賞するのも楽しそうです。



ロングランの展覧会です。2019年5月12日まで開催されています。

「ヘスス・ラファエル・ソト PENETRABLE BBL BLEU」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2018年12月7日(金)〜2019年5月12日(日)
休廊:不定休
時間:12:00~20:00
料金:無料
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
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