「オノデラユキ FROM Where」 ザ・ギンザ スペース

ザ・ギンザ スペース
「オノデラユキ FROM Where」 
2020/9/8~11/29



ザ・ギンザ スペースで開催中の「オノデラユキ FROM Where」を見てきました。

1962年に東京で生まれた写真家のオノデラユキは、1993年にパリに拠点を移すと、空を背景に古着を撮影した「古着のポートレート」などを制作し、高く評価されてきました。

そのオノデラの「古着のポートレート」を中心に構成されたのが「オノデラユキ FROM Where」で、全52作品のうちオノデラ自身の選んだ15点の作品が展示されていました。



まず会場に足を踏み入れると印象に深いは赤々と空間を染めた照明で、カメラのレンズを写したシリーズ「camera」が3点ほど並んでいました。これらはいずれも暗闇で2台のカメラを向かい合わせ、片方のカメラのフラッシュの光のみで撮影された作品で、赤い照明は暗室をイメージして投影されました。



レンズはまるでこちらを心情を見透かす瞳孔のように開いていて、赤い照明の効果もあるのか、映画「2001年宇宙の旅」に登場するコンピューターHAL9000のカメラ・アイを連想させるものがありました。

その赤いスペースとは一転し、奥のホワイトキューブに並んでいたのが「古着のポートレート」シリーズでした。



古着は1993年、フランスの現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの個展「Dispersion(離散)」に展示されていたもので、来館者は10フラン支払うと袋に一杯分持ち帰ることができました。



そして展示を訪ねたオノデラは山積みになっていた古着を持ち帰り、モンマルトルの窓辺で一枚一枚広げて撮影しました。ボルタンスキーが大量死の象徴とした古着は、まるで空に飛び立つように写されていて、身体こそないにも関わらず、それこそ意志を持ったポートレートのようにも見えました。死から生、また不特定多数の群衆から個としての存在に引き出す意味も込められているのかもしれません。



なお現在、西新宿のユミコチバアソシエイツでは、オノデラの最新作を展示した「オノデラユキ FROM Where」が開催中です。(10月10日まで)25年を経たオノデラの過去と現在の制作を合わせて鑑賞するのも良いかもしれません。


新型コロナウイルス感染症対策に伴い、11時から18時の時短営業となっていました。



11月29日まで開催されています。

「オノデラユキ FROM Where」 ザ・ギンザ スペース
会期:2020年9月8日(火)~11月29日(日)
休館:9月14日、10月19日、11月16日。
時間:当面は11:00~18:00の時短営業。
料金:無料
住所:中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビルB2F
交通:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅より徒歩3分。東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅より徒歩3分。
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