「鬼頭健吾展」 上野の森美術館ギャラリー

上野の森美術館ギャラリー
「鬼頭健吾展」
2021/3/12~3/30



1977年に生まれた鬼頭健吾は、フラフープやスカーフなどの日常的な素材を用いたインスタレーションで知られ、個展やグループ展などで幅広く活動してきました。

最近ではアトリエを共有してパートナーでもある竹村京と「DOMANI・明日展2021 スペースが生まれる」に参加し、糸や繊維、また絵具や写真のイメージが複層的に重なる「Playing Field」などを出展しました。

その鬼頭の単独の個展が、現在、上野の森美術館ギャラリーにて開かれています。


「Untitled(hula-hoop)」 2021年

まず目に飛び込んでくるのが、鬼頭の代名詞とも言えるフラフープを用いた「Untitled(hula-hoop)」で、青、赤、黄、緑色をしたフラフープが展示室の過半を埋め尽くすように広がっていました。またフラフープの群れは密であったり時に疎であったりして、密度は必ずしも一定ではありませんでした。



それぞれのフラフープは複雑に絡み合いながら曲線を描いていて、まるでチューブ状の有機物が踊っているようなイメージも頭に浮かび上がりました。


「cartwheel galaxy」 2017年

そうしたフラフープに面する壁に展示されたのが、3点のアクリル画「cartwheel galaxy」でした。



いずれも深いワイン色や紫色をベースにしていて、まるで色糸を絡ませたモールのような光沢感のある絵具が塗り込まれていました。



また表面には赤い絵具が爛れるように広がっていたり、青や緑の絵具を垂らしたような筆触も残っていて、中にはインスタレーションと呼応するかのような回転するフラフープを思わせる線も見られました。



展示室奥から外の方向を眺めると、公園内の緑が目に飛び込んできました。同ギャラリーは外の光を取り込む空間ゆえに、時間によって作品の見え方が変わってくるかもしれません。



現在、同館では現代の新進作家の平面表現を紹介する「VOCA展」(有料)が開かれています。そして鬼頭も2006年の「VOCA展」にて作品を発表しました。



新型コロナウイルス感染症対策に伴う検温や消毒のため、直接ギャラリーへ入退場できる上野公園側の出入口はクローズしていました。「VOCA展」入口側の正面玄関へ回る必要があります。


入場は無料です。3月30日まで開催されています。

「鬼頭健吾展」 上野の森美術館ギャラリー(@UenoMoriMuseum
会期:2021年3月12日(金) ~3月30日 (火)
休館:会期中無休。
時間:10:30~17:00
 *入場は閉館30分前まで。
料金:無料
住所:台東区上野公園1-2
交通:JR線上野駅公園口より徒歩3分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅徒歩5分。京成線京成上野駅徒歩5分。
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