三井記念美術館にて「小村雪岱スタイル展」が開催中です

大正から昭和にかけて装幀や挿絵、舞台装置などで活動した小村雪岱の業績を振り返る展覧会が、三井記念美術館にて行われています。



その「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」の展示内容について、私が一部を担当しているpen-onlineのアートニュースに寄稿しました。

いまも古びることない雪岱の美意識。『小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ』の見どころは?
https://www.pen-online.jp/news/art/kobayashi/1

今回の雪岱展の最大の特徴は、肉筆や版画、それに装幀本などを紹介するだけでなく、雪岱の美意識を培う土壌となった明治工芸や、後に影響を与えた現代美術家らの作品も展示されていることでした。


彦十蒔絵 見立漆器「苫舟日本橋蒔絵」 2019年 個人蔵

とりわけ現代美術では、雪岱へオマージュとしての新作が公開されていて、現代美術ファンにとっても見入るものがありました。過去に多様な雪岱展が行われてきましたが、現代美術を参照した展覧会はほとんどなかったのではないでしょうか。


なお展示は前後期の2期に分かれていて、一部の作品が途中で入れ替わります。

「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」(出品リスト
前期:2月6日(土)~3月14日(日)
後期:3月16日(火)~4月18日(日)

3月16日より後期展示に入りました。これ以降の入れ替えはありません。


泉鏡花「日本橋」 大正3(1914)年 清水三年坂美術館

なお同じ雪岱の展覧会としては、今月23日まで日比谷図書文化館にて「複製芸術家 小村雪岱」が開かれていました。こちらは主に雪岱の装幀と挿絵の仕事を紹介する内容でした。

「複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~」 日比谷図書文化館
https://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/b982851394ccd09de10174aa083d186e

一方で東京国立近代美術館ではじまった「あやしい絵展」においても、エピローグに雪岱の「おせん 傘」や邦枝完二の「お傳地獄」の墨画などが出展されています。あわせて鑑賞するのも良さそうです。


小村雪岱「おせん 傘」 1937年 資生堂アートハウス *「あやしい絵展」にて。撮影が可能でした。

新型コロナウイルス感染症対策に伴う混雑防止のため、日時指定予約制が導入されました。入場に際しては事前にWEBサイトで予約する必要があります。



4月18日まで開催されています。*「おせん 傘」以外の写真は、三井記念美術館の撮影OKスペースより。

「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」 三井記念美術館
会期:2021年2月6日(土)~4月18日(日)
休館:月曜日。2月28日(日)。
時間:11:00~16:00
 *短縮開館を実施。
 *入館は閉館の30分前まで。 
料金:一般1300円、大学・高校生800円、中学生以下無料。
 *団体受付を中止。
 *リピーター割引:会期中、一般券、学生券の半券を提示すると、2回目以降は団体料金(一般200円引、大学・高校生100円引)を適用。
場所:中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A7出口より徒歩1分。JR線新日本橋駅1番出口より徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )