都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery
MA2Gallery
「川内倫子 Under the same sky」
2021/6/1~7/1
MA2Galleryで開催中の「川内倫子 Under the same sky」を見てきました。
1972年に生まれ、2002年に第27回木村伊兵衛写真賞を受賞した川内倫子は、これまでにも「照度 あめつち 影を見る」(2012年、東京都写真美術館)や「川が私を受け入れてくれた」(2016年、熊本市現代美術館)などで展示を重ね、国内外にて評価されてきました。
その川内のMA2Galleryでは初めての個展が「Under the same sky」で、会場には新作の「Des oiseaux」を中心に、「はじまりのひ」「光と影」など過去のシリーズの作品が展示されていました。
さて今回の個展に際して川内が新たに被写体として見据えたのが、自宅の近所で見つけたというツバメの巣でした。そこでは餌を持ち帰る親ツバメや餌を食べようとするヒナ鳥などを撮影していて、必死に生きとうとするツバメの生命の営みを見守るような視点が感じられました。
と同時に、白く透明感のある光に包まれた木立や空も捉えていて、ツバメを取り巻く自然環境が写真へと美しく切り取られていました。こうした光に対しての繊細な美意識が伺えるのも川内の写真の大きな魅力かもしれません。
1階から4階への4つのフロアを有するMA2の空間も効果的に生かされていたのではないでしょうか。1階から階段を上がりながら、窓の外の風景と写真を交互に見ていると、いつしか現実と写真との境界が曖昧になるような錯覚に囚われました。戸外と写真の中の空とが互いに繋がっていくようなイメージに近いかもしれません。
ツバメの撮影は、まさにコロナ禍において1回目の緊急事態宣言が発出され、外出などに制約が余儀なくされた2020年4月にはじめられたとしています。
日常で身近な風景に潜むピュアな美しさの一瞬を見せる、川内ならではの写真に心を引かれました。
近年、川内は「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」(2020年、国立新美術館)にも作品を発表してきましたが、少なくとも都内の美術館としての個展は2012年の「照度 あめつち 影を見る」に遡らなくてはいけません。そろそろ再びまとめて作品を見られる機会があればと思いました。
会期が延長されました。7月1日まで開催されています。
「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery
会期:2021年6月1日(火)~7月1日(木)
休廊:日、月曜、祝日。
料金:無料。
時間:12:00~18:00
住所:渋谷区恵比寿3-3-8
交通:JR線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅東口から徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩8分。
「川内倫子 Under the same sky」
2021/6/1~7/1
MA2Galleryで開催中の「川内倫子 Under the same sky」を見てきました。
1972年に生まれ、2002年に第27回木村伊兵衛写真賞を受賞した川内倫子は、これまでにも「照度 あめつち 影を見る」(2012年、東京都写真美術館)や「川が私を受け入れてくれた」(2016年、熊本市現代美術館)などで展示を重ね、国内外にて評価されてきました。
その川内のMA2Galleryでは初めての個展が「Under the same sky」で、会場には新作の「Des oiseaux」を中心に、「はじまりのひ」「光と影」など過去のシリーズの作品が展示されていました。
さて今回の個展に際して川内が新たに被写体として見据えたのが、自宅の近所で見つけたというツバメの巣でした。そこでは餌を持ち帰る親ツバメや餌を食べようとするヒナ鳥などを撮影していて、必死に生きとうとするツバメの生命の営みを見守るような視点が感じられました。
と同時に、白く透明感のある光に包まれた木立や空も捉えていて、ツバメを取り巻く自然環境が写真へと美しく切り取られていました。こうした光に対しての繊細な美意識が伺えるのも川内の写真の大きな魅力かもしれません。
1階から4階への4つのフロアを有するMA2の空間も効果的に生かされていたのではないでしょうか。1階から階段を上がりながら、窓の外の風景と写真を交互に見ていると、いつしか現実と写真との境界が曖昧になるような錯覚に囚われました。戸外と写真の中の空とが互いに繋がっていくようなイメージに近いかもしれません。
ツバメの撮影は、まさにコロナ禍において1回目の緊急事態宣言が発出され、外出などに制約が余儀なくされた2020年4月にはじめられたとしています。
日常で身近な風景に潜むピュアな美しさの一瞬を見せる、川内ならではの写真に心を引かれました。
【連載】川内倫子の日々 vol.5「同じ空の下で」。川内が、写真と文で綴る日々のこと、写真のこと。毎日の子育てからの気づき、写真制作にまつわるエピソードなどを記した、日記のような写真エッセイ。https://t.co/7f0OTqiubV
— IMA ONLINE | 最新アートフォト情報 (@imaonline_jp) June 2, 2021
近年、川内は「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」(2020年、国立新美術館)にも作品を発表してきましたが、少なくとも都内の美術館としての個展は2012年の「照度 あめつち 影を見る」に遡らなくてはいけません。そろそろ再びまとめて作品を見られる機会があればと思いました。
会期が延長されました。7月1日まで開催されています。
「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery
会期:2021年6月1日(火)~7月1日(木)
休廊:日、月曜、祝日。
料金:無料。
時間:12:00~18:00
住所:渋谷区恵比寿3-3-8
交通:JR線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅東口から徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩8分。
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