◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「歩いて帰れない帰宅困難者」って?

2008-05-19 19:00:54 | 気になる言葉、具体例
                      回し車だからね
 中国で大きな地震が発生し、ニュース番組では、日本でこのような地震が起きたら・・・というテーマでいろいろな検証をしたりもしていますね。それで、画面に「歩いて帰れない帰宅困難者」と書いてあるのを見たのですが、ちょっと変じゃないですか? 大都市では自宅と職場がかなり離れている、交通機関がストップすれば帰宅できなくなる、そういう人たちを帰宅困難者と呼び、帰るには徒歩しかない、というのが私の認識でしたから、それでいくと「歩いて帰るしかない帰宅困難者」であり、「歩いて帰れない帰宅困難者」ってどういうこと? と思いました。
 ウィキペディア(Wikipedia)によると、帰宅困難者とは、自宅から見て遠隔地(勤務先・学校・旅行先など、距離はおおむね20km以上)で、主に大規模な地震に遭遇し、公共交通機関が動いていないため帰宅することが難しくなった人々のこと。う~ん、20kmなら徒歩で4~5時間でしょうか。障害物だらけでもっとかかるかも。まぁ、私は15分以上続けて歩くことができませんから、倍の時間かけても帰れませんけどね。
 でも、ただちに帰宅することが最善かというと、そうではないようです。大勢の移動者が避難経路上に集中したらどうなるか。避難場所等での支援(トイレ・給食・給水等)が事実上できない。コンビニ等もありますが、一時的に集中する数十万人に対して支援というのはかなり難しい。また、緊急車両を通行させるために交通路を確保する必要がありますが、移動者がここへ集まり、緊急防災活動の妨げになるおそれがある、ということです。帰宅困難者は地域住民とともに一時避難場所や広域避難場所へ移動することを自治体では求めていて、ここで交通機関が回復するまで待機することが適切なのだそうです。
 ふむふむ、まぁ、人情として、休憩なしで1~2時間歩けば帰れるという距離ならさっさと歩いて帰るでしょうけれど、そうでない場合、我慢することも必要なのですね。でも、帰宅困難者心得10箇条という中に、「歩いて帰る訓練を」とか、「ロッカー開けたらスニーカー(防災グッズ)」とかいうのがあるのですよ。結局、何日かしたら徒歩で帰る、そりゃそうですね、全線開通なんて待っていられませんから。一部区間でも動けば、あとは歩いて、ということになるでしょう。
 というわけで、「歩いて帰れない帰宅困難者」ですが、どうですか? 私なら、ただ単に「帰宅困難者」、もっとインパクトを、と言われたら、「家に帰れない! 帰宅困難者」とか、「歩いて帰ることもできない帰宅困難者」とか、「それでも歩いて帰る帰宅困難者!!」とか、書くんですけどね。( ̄・ ̄)ウーム
コメント
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