◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「どうも続かなくて」って?

2008-05-23 19:00:30 | 気になる言葉、具体例
                       輝いてる!
 「禁煙したいんだけど、どうも続かなくて」「ダイエットしてたんだけど、なかなか続かなくて」というのをよく聞きますが、そもそも「続かない」という言い方に意志の弱さが表れていると思いませんか? たばこをやめようとしているのは一体だれなんでしょうか。やせようとしているのは一体だれなんでしょうか。そのうち、「大体、たばこが体に悪いんなら、なんでそんなもの売ってるんだよぉ~」とか、「太めがいいっていう人もいるわよねぇ~」とか言いそうです。
 「続かなくて」の元の形は「続く」で、これは自動詞です。「暑い日が続く」とか、自分の意志とは関係ないですね。他動詞の「続ける」なら、いまいち意志が弱くて「禁煙を続けられない」という言い方になります。まぁ、ダイエットはどっちでもいいですが、たばこをやめるのは地球のためにもいいことですから、本当に禁煙したいのなら、「禁煙したいんだけど、どうも続けられなくて」と正直に言って反省し、「今度こそ続けるぞ」と固く決意し、周りに禁煙を宣言し、協力を求め、しっかり主体的にやらないとね。
 では、これ、「愛情を持って育った動物は輝きが違う」というのはどうですか? ちょっと変ですね。「愛情を持って」までは飼い主(自分)が主体だったのに、「育った動物」からは動物が主体です。「愛情を持って育てた動物は輝きが違う」と自信を持って言えばいいのに、なぜ途中から言い方を変えるのでしょうか? 自分が禁煙を続けられない→禁煙が続かない、自分が愛情を持って動物を育てる→動物が育つ、わずか20文字ほど言う間に変わってしまいます。一貫して○○が主体だという話し方をする人が少ないというのが現状ですが、文法を分かっていないという前に、何か強い気持ちが欠けているような気がしてなりません。( ̄‐ ̄)ウーム
コメント
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