◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「自由の身を奪われました」って?

2008-06-22 09:44:12 | 気になる言葉、具体例
                     ごめん、我慢してちょ
 冤罪事件の報道で、「この男性は、2年9か月もの間、自由の身を奪われました」というのが聞こえてきたのですが、ん~何か変だなぁ、なぜ普通に「自由を奪われました」と言わないのかなぁと不思議でたまりません。相撲部屋の暴力事件に関する報道では、「○○親方ぐるみの集団暴行が」ですよ。何か不正が発覚したりしたとき、「会社ぐるみの」とかいう「~ぐるみ」ですから、「○○親方」ではなく「○○部屋ぐるみの集団暴行が」ですね。またあるときは、「事もあろうか」と聞こえてきて、ん~? 「事もあろうに」ですよね、そういう決まり文句なんですよね。
 こういう表現は変だぞと気づく人、「自由を奪われました」だろ、「○○部屋ぐるみの」だろ、「事もあろうに」だろ、というふうに、すぐに頭の中で正しい言葉に置換できる人はいいのですが、そうでない人は・・・・・? まだまだこれから言葉を学んでいく若い人は・・・・・? 何となく雰囲気だけつかめればそれでいいのでしょうか? それで、自分が表現する立場になったとき、即座に正しく表現することができるでしょうか?
 ところで、「事もあろうに」というのは面白いですね、何となく意味が分かっているようなつもりで使ってきましたが、どういう意味なんだろうかと改めて辞書を見てみました。この場合の「事」は「ほかのやり方」という意味で、ほかのやり方もあるだろうに、なぜそのやり方なんだ? なんでわざわざそんなやり方をするんだ? ということを言いたいわけです。ということは、「事もあろうか」だと、「ほかのやり方もあるだろうか」になりますから、「なぜそのやり方なんだ? なんでわざわざそんなやり方をするんだ?」とは言えませんよね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする