◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」って?

2008-09-10 20:49:13 | 言葉についてあれこれ
                     困ってる? ハムやん
 何かのPRのためのVTRの中で若い女性が言っているセリフです。最近何回か耳にして、そんなことではいけないということを言いたいらしい、ということは分かったのですが、いかにもセリフ、日本語のセンスのない人が書いたセリフで、実際の会話ではありえません。血の通わないセリフです。考えてみてください、普通はこう言いませんか? 「困ってる人がいても、ほっておいてもいいんじゃない?」。
 7日の記事の最後に「次回に続く」と書きましたが、迷子のことがあったころ、ちょうどこのセリフについて考えていたものですから、関連づけて書こうと思ったわけです。助けが必要な人を目の前にしたとき、もし、助けられるのが自分だけだったら、これはもう否応なしに助けないといけないことになります。でも、大勢人がいたら、自分は用事があってだめだとか、きっとほかの人が助けてくれるとか、助けない理由をいろいろ考えて自分を納得させますね。
 最初に「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」と聞こえたとき、えーっ、今、何て言ったぁ~~~? と思いました。困っている人はほうっておくという言い方は日本語として変です。わがまま言ってる人はほうっておく、というのならいいのですが、困っている人はほうっておけないというのが基本ですから。あ、いや、たとえ自分のことで精一杯で人のことなんかかまっていられないという状況であったとしても、ですよ、気持ちの問題として、ほうっておいてはいけないというのが基本ですから、「困ってる人がいても」というのが自然な言い方というものです。
 それなのに、「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」というセリフを書いた人がいて、それをそのまましゃべっている人がいて、そのまま収録し、編集している人がいて、だれも、何も思わないのでしょうか? そんなことではいけないということを言いたいのだとしても、こんなセリフを言わせていたのでは説得力ゼロです。これを変だと思わない人たちは、「助けない理由」を考えることすらしないのでは? そういう人たちがこの国を動かす中心的な層になったら・・・う~む( ̄_ ̄;)恐ろしい~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする