◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「なかなか情報がつかめましたね」って?

2009-06-07 09:43:04 | 気になる言葉、具体例
                     なかなか出てきません
 5月31日の記事で例として挙げた「とても受け入れることがなかなかできません」ですが、これをおかしいと感じますか? おかしいと感じない人は、「どれだけ分かっているのかどうか」なんて言っちゃう小倉病に感染している可能性が大きいですよ。ほかの人にうつす前に治して(直して)くださ~い。
 さて、「とても受け入れることがなかなかできません」と言っている人は一体どんな気持ちなのでしょうか。とてもじゃないけど受け入れることなんかできないと思っているのか、それとも、なかなかできないけれども受け入れようとはしているのか、どっち?
 新型インフルエンザ流行のせいで「なかなか買い物に出にくくなるので」と言っている人がいましたが、この「なかなか」は要りませんね。「なかなか」と言ってしまってそのまま続けるなら、「なかなか買い物に出られなくなるので」と言わなければいけません。何だか日本人が日本語を話すことがとても難しいことになってきているような・・・そんな気がしませんか?
 「なかなか情報がつかめましたね」と書いてあるテロップも見ました。「なかなか」と来れば普通は「つかめませんでしたね」ですから、一体どういうことかと思ったら、「なかなか・・・(いい)情報がつかめましたね」ということで、話し手の表情をじーっと見ていれば何とか伝わってくるのですが、テロップはやはり「いい」を補ってほしいところです。幾ら何でも「なかなか情報がつかめましたね」はないでしょう! あるいは、「なかなかの情報がつかめましたね」とかね。
 ただ、意味が後から分かってその部分に戻って修正、という作業の大変さは知っていますよ。私はディクテーションでそうした苦労をしすぎて変な日本語アレルギーを発症したのですから。でもね、修正できないなら・・・修正する気もないのなら、せめて話し手の言い方そのままに、「なかなか」と「情報」の間に「・・・」を入れてください。それもできないなら、いっそのことテロップなんか入れるのやめちまえ!・・・と言ってみたいわぁ。
コメント
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